gumi、20年4月期は『FFBE幻影戦争』の貢献と広告宣伝の効率化で利益V字回復&最高益達成 通年寄与する21年4月期はさらなる活躍を期待



gumi<3903>は、6月9日、2020年4月通期の連結決算を発表し、売上高198億2700万円(前の期比6.7%減)、営業利益22億2500万円(前の期は14億3000万円の赤字)、最終利益17億5700万円(同16億9500万円の赤字)と黒字転換を達成し、V字回復を果たした。同時に過去最益も達成するなど良好な決算であった。

『WAR OF THE VISIONSファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争(FFBE幻影戦争)』が国内外でヒットしたことに加え、広告宣伝費の抑制が奏功した。モバイルゲーム会社はヒットタイトルが生まれることで業績が様変わりする例が多いが、今回もその事例のひとつとして位置づけられよう。

 


同タイトルは、国内では昨年11月に、グローバル版は今年3月にスクウェア・エニックスよりリリースされたが、gumiの業績への貢献は国内は半年、グローバル版は1ヶ月強にすぎない。通年で寄与してくる2021年4月期の業績は、新作タイトルの投入効果も重なり、さらなる伸びが期待できそうだ。

同社の発表した2021年4月期の連結業績の見通しについては「非開示」だが、ゲーム事業については最高益を更新した2020年4月期を大幅に上回る増益を目指しているという。

 


続いて、第4四半期(20年2~4月)をみていくと、売上高が前年同期比29.6%増の52億5900万円だった。内訳は、国内売上が同41.0%増の39億3900万円、海外売上が同4.4%増の13億2000万円だった。いずれも『FFBE幻影戦争』の収益が貢献した。海外は1ヶ月強の売上のみだったが、増収を達成した。

 


営業利益は、9億2700万円と前四半期の実績(9億8500万円)に続いて高い水準となった。増収効果に加えて、主力タイトルの周年イベントを行いつつ、広告宣伝費を45.8%減らすなど、広告宣伝費の効率化が奏功した。

 


なお、『FFBE幻影戦争』は、スクウェア・エニックスがパブリッシャーだが、gumiの売上はパブリッシャーの取り分やプラットフォーム手数料を除いた「ネット計上」となる。自社パブリッシングのタイトルに比べて、支払う費用が減る分、利益率が高くなりやすいことも収益性向上に一役買ったと見られる。

各タイトルの状況は以下のとおり。

 


 
(編集部 木村英彦)
株式会社gumi
http://gu3.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社gumi
設立
2007年6月
代表者
川本 寛之
決算期
4月
直近業績
売上高120億6600万、営業損益50億4000万円の赤字、経常損益45億1400万円の赤字、最終損益59億3400万円の赤字(2024年4月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3903
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