【海外市場調査】中国でヒット中の『ハリー・ポッター:魔法の覚醒』…日本でも配信予定の期待作を分析(提供:LIVEOPSIS)vol.1

スマートフォンゲームの日々の運用とその効果をリサーチし、ゲーム関連企業へマーケティングデータを提供するSp!cemart(スパイスマート)。同社のサービス「LIVEOPSIS(ライブオプシス)」では、ゲームアプリの運用情報はもちろん、他社のYoutubeやTwitterの運用情報なども分析することができ、毎月発行しているレポートを提供している。


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また、中国をはじめとした海外のゲーム内イベントやランキング情報も閲覧でき、本連載記事ではスパイスマート協力のもと、海外市場のゲームアプリ動向を紹介する。今回は中国市場で配信されている『ハリー・ポッター:魔法の覚醒』(中国名、哈利波特:魔法觉醒)をピックアップする。

(以下、スパイスマートが提供するスマホゲーム分析/運営ソリューションル「LIVEOPSIS(ライブオプシス)」での調査内容を基に掲載) 

中国にて2021年9月9日に『ハリー・ポッター:魔法の覚醒』(中国名、哈利波特:魔法觉醒)が配信開始となった。

配信開始以来、Appstoreセールスランキング、トップ10圏内にもランクインが続いており今年度中国で配信された新作タイトルの中でも指折りのヒット作となっている。

日本での配信も発表されている中、先行して中国での概況とゲーム内容についての調査を行った。※調査データ全容、無料アカウント登録はこちらから

『ハリー・ポッター:魔法の覚醒』(中国名、哈利波特:魔法觉醒)

開発:NetEaseGames(网易游戏)
ジャンル:CCG(Collectible Card Game)
リリース日:2021年9月9日

(リリース直後のセールスランキング、フリーランキング推移)
配信開始月にセールスランキング、フリーランキング共にAppstore1位を獲得。


本作はWarner Bros Entertainment(ワーナー・ブラザース)とNetEaseGames(網易遊戯)が共同開発したもので、RPG要素を取り込んだカードゲームであり、中国初の『ハリー・ポッター』シリーズから派生したモバイルゲームである

Portkey Gamesブランドで提供されており、このブランドはWarner Bros Entertainment(ワーナー・ ブラザース)社傘下のブランドである。

ストーリーはJ・K・ローリングのオリジナル作品をベースとした魔法世界が描かれており、第⼆次魔法戦争の数年後という設定になっている。プレイヤーはホグワーツ魔法魔術学校の新⼊⽣として、⼀流の魔術師を⽬指すことになる。

リリースまでの主な施策

 原作映画のシーンを存分に活用したプロモーションを実施。作品認知度は中国でも間違いなく高い土台はあるが、加えて正式授権を受けている大作であることの大きなアピールに繋がったと考えられる。

中国大手のTencentgamesが自社傘下のメディアを基軸に大きく展開を行うことと比較し、本作品開発のNetease社は傘下のアプリと自社サイトでの告知、及びライブ配信プラットホームを活用したプロモーションを軸に据え実施。

ゲーム情報メディア「Taptap」でも注目を集め、事前予約数は80万を超えていた。リリース後わずか数時間後にはフリーランキングのトップを獲得する結果となった。大手ライブ配信プラットホームDouyu(闘魚)ではリリース初期にも有名ライブ配信者を起用しての配信を実施したこともランキングに寄与したと想定される。

 

「移動」の概念を取り入れたカードバトルシステム

エネルギーを消費してカードを使用するという従来モードにキャラクターの移動概念を取り入れ、ゲームの操作性を多いに高めた。プレイヤーはカードの使い方を考慮する必要があるだけでなく、うまく移動して相手のカードスキルを避ける必要がある。


■主なゲームシステム、カードデッキについて


ゲームでは「バトルカード」と「パートナーカード」の2種類が提供されており、さらに、バトルカードは「召喚カード」と「呪文カード」に分かれている。また、機能によってコントロール系、ダメージ系、回復系に分かれている。



▲バトルカード

▲パートナーカード

 
様々な特性機能を持ったカードを組み合わせてカードデッキを構築し、バトルに臨む。





■バトルの流れ

バトル表現はリアルタイムのアクションカードゲーム。流れは以下の通りである。バトル開始時、カードデッキからランダムなバトルカード4枚が手札となる。バトルカードは1枚消費するたびに、新しいカードを1枚引くことができる。

バトルカードを使用するたび、カード費用と同じMPを消費する(MPは5秒ごとに1ポイント回復する)。重要ターゲットを撃破すると勝利となり、魔術師のHPが0になった時、敗北と見なす。

プレイヤーは以下の操作を行うことができる。
【バトルカード発動】:費用同等のMPを消費
【パートナーカード発動】:1回のバトルにつき、各パートナーカードは1回のみ発動でき、消費なし、リキャストタイムは20秒
【移動】:マップをタップして移動することができ、移動するたび、移動カードを1枚消費する。初期状態は50枚所有している。50以下の場合、5秒ごとに1枚獲得。


ハリー・ポッターの世界が楽しめるコンテンツが充実

 メインストーリーや、コアとなるカードバトルを取り巻くゲームコンテンツが充実。学校の授業を受けて学んだり、シリーズではおなじみの「クィディッチ」が楽しめるミニゲームも搭載されている。

・授業システム-呪文学
毎日2種類の授業が提供され、時間割に応じて変更する。
呪文学はバトルコンテンツであり、三人パーティのボス戦形式で行われる。授業ポイント、金貨と学院ボックスポイントを獲得できる。


・授業システム-占い授業

3人パーティモード。開始後、プレイヤーに1枚のイラストが配布され、15秒以内にそれと同じ内容を描き、3名のプレイヤーが交替で他人の書いた絵の内容を当てるというゲームである。

一致度と正解率に応じて授業ポイント、金貨と学院ボックスポイントを獲得できる。

 

・ダンスパーティー

リズムゲームとなっており、正確性によってスコアが清算される。イベント開催中、2回他のプレイヤーをダンスに誘うことができる。誘われる回数は制限なし。金貨と学院ボックスポイントを獲得できる

 
・クィディッチ

 アクションレースゲームで、制限時間内にスコアの高い方が勝利する。金貨、学院ボックスポイントを獲得できる。

 

その他にも多数のコンテンツが実装されており、概ねユーザーにも高評価を得ている。今後、名実共に日本での配信にも大きな期待が寄せられるタイトルとして注目しておきたい。

 

ゲーム内の提供アイテムの内容、課金サイクルについて詳しく知りたい人は調査もLIVEOPSISにて分析行っているので、詳細レポートご希望の場合は下記までご連絡ください。

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■執筆 <株式会社スパイスマート>
スマートフォンゲーム内運用に関する調査・分析を行うリサーチ事業とコンサルティング事業を展開しており、「LIVEOPSIS(ライブオプシス)」というサービス名称で各種ソリューションを提供。