開発者の平均年収(世界)は1500万円? PythonやJavaScriptとの親和性が高い? 無料でゲームを作りながら学べる? ブロックチェーンの開発言語「Solidity」とは

2021年のNFTフィーバーや、海外ではゲームをプレイすることで家を建てたユーザーが誕生するなどブロックチェーンを利用したエンターテインメントが大きな注目を浴び、2022年はいよいよAAA級のゲームやサービスの登場が期待されている。

そんな中、ブロックチェーンひいては、ブロックチェーンゲームを開発する際にはどのような言語で開発されているのか。本稿ではブロックチェーンの開発における事実上のスタンダートとされるSolidityについてお伝えする。


■年収、開発歴などSolidityの現状は?

Solidityはスマートコントラクトを扱えるオブジェクト指向の言語だ。Ethereum Virtual Machine(EVM=イーサリアム・ヴァーチャルマシーン)の操作を目的に作られているという。EVM互換があることによって、イーサリアム上で開発したアプリの移植が容易になるわけだ。イーサリアムの開発ツールやライブラリが利用できるのも心強いところ。

余談にはなるがゲームという面では、2月に公開になったOasysが手掛けるゲームに特化したパブリックブロックチェーン「Oasys」もEVM互換となっている。同チェーンにはdouble jump.tokyo、CryptoGamesがアプリの展開を発表。またgumi Cryptosやバンダイナムコ研究所がバリデータとして参加することを発表している。

※バリデータとは、ブロックチェーンのネットワークに接続し、チェーン上の取引が正しいかを検証するノード(コンピューター端末)またはその運営者のこと。

またSolidity公式サイトのBLOGでは同言語を活用する開発者の利用状況を明らかにしている。

※2021年の調査。73か国の開発者から435件の回答による。2022年2月に結果公開。



例えば回答者の20%が米国に居住しており、インド(9%)、ドイツ(4%)と続いているという。特にインドはイーサリアムのレイヤー2ソリューションである「Polygon」がスタートした地域でもある。

また同調査結果の中では、Solidityの開発歴において56.1%が1年未満という調査結果となった。アンケート回答者の割合ではあるものの、まだ同言語での開発経験が浅い人が多いという結果になった。



では金銭面についても見てみよう。アメリカのリクルートサービスZipRecruiterによれば、Solidityのエンジニアの年収は世界平均で134,512ドル(1586万円)程だという。



ブロックチェーンの可能性や現在のサービスの普及度と今後の期待を考えれば、ますますその需要は高くなると見られる。

ZipRecruiterより
https://www.ziprecruiter.com/Salaries/Solidity-Salary

なお日本の採用では、年収 500万円 ~ 800万円、600万円〜1200万円というレンジでの募集が見受けられた。


■ゲームを作ってSolidityを学べる「CryptoZombies」が無料で公開中

さて、そんなSolidityを学べる「CryptoZombies」というサービスがある。同サービスはイーサリアム上でゲームを開発する方法を学ぶ、無料のブラウザサービスだ。Solidity初心者向けで、誰でもできる基本からはじめる、としている。


▲日本語を始め様々な言語に対応していることがわかる。サービスの提供はLoom Networkが行っている。同社はイーサリアムサイドチェーン上で稼働する大規模なアプリケーションプラットフォームを開発している。無料の理由として「多くの開発者が既存の枠組みから飛び出して大規模なDAppを開発してほしいと願っています。ゲームは、ブロックチェーンが革命を起こす一つだと確信しています。」と同社は説明している。





▲レッスン1では、ゾンビファクトリーを作り、ゾンビ軍団を立ち上げるところから始まる。各ゾンビたちはランダムなDNAを持ち、ユニークな外見をしている。レッスンが進むと(週毎にレッスンを追加)、他の人のゾンビと戦う機能の開発など、様々な機能を開発していく。

レッスン1の内容は以下の通り。

1. ゾンビファクトリーの作成
2. ゾンビが人間を襲う
3. Solidityの高度なコンセプト
4. ゾンビのバトルシステム
5. ERC721とクリプト収集物
6.アプリのフロントエンドとWeb3.js

なお筆者の友人のエンジニア曰く「PythonかJavaScriptが触れる人ならば、Solidityは親和性も高い」とのことだ。今後さらに大きく展開されるであろうブロックチェーン技術、これを機に触れてみよう。


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