【海外市場調査】リリース後の同接数1位のヒット作!欧米版『LOST ARK』のリリース前から現在の状況までを振り返る(提供:LIVEOPSIS)vol.7
スマートフォンゲームの日々の運用とその効果をリサーチし、ゲーム関連企業へマーケティングデータを提供するSp!cemart(スパイスマート)。
同社のサービス「LIVEOPSIS(ライブオプシス)」では、ゲームアプリの運用情報はもちろん、他社のYoutubeやTwitterの運用情報なども分析することができ、毎月発行しているレポートを提供している。
また、中国をはじめとした海外のゲーム内イベントやランキング情報も閲覧でき、本連載記事ではスパイスマート協力のもと、海外市場のゲームアプリ動向を紹介する。
今回は欧米版がヒットした『LOST ARK』をピックアップする。
(以下、スパイスマートが提供するスマホゲーム分析/運営ソリューションル「LIVEOPSIS(ライブオプシス)」での調査内容を基に掲載)
『LOST ARK』は雄大なファンタジー世界で冒険を繰り広げていく、オンラインアクションMMORPG。
韓国Smilegateのゲーム開発子会社Smilegate RPGとTripod Studioが共同開発し、韓国で2019年2月、日本では2020年9月にリリースされた。
2022年2月に欧米向けのSteam版がリリースされると、瞬く間にユーザー数1位を記録し、世界的なヒット作となった。
Steam版は北米・南米・ヨーロッパで2022年2月11日にリリースされ、Amazon Gamesがパブリッシングを行っている。
クローズドβサービスを経て正式サービスを開始したが、リリース後の24時間でSteam内で同時接続者数1位を記録した。
欧米版が出るまでに、韓国で3年運用されていたため、コンテンツの豊富さ、ジョブやコンテンツのバランス調整が行き届いており、Steam版は最初からボリュームのあるタイトルとして登場した。
Steam版も韓国本国版と同様、次々とアップデートが行われている。
現在は新規レイド「夢幻軍団長アヴレシュド」の実装により、内容が一層充実し完成度が高まったことが、最近の上位を維持している要因の一つであるとみられる。
本作の特徴
【ストーリー】
物語の舞台は、美しい世界アークラシア。
アークラシアには使い手によりその力を光の力にも闇の力にも変えられる、大いなる力「アーク」が7つ存在している。
アークラシアの平和を守ることを使命として託された主人公は、世界の滅亡を企む悪魔軍団よりも早く「アーク」を見つけ出し、人々を悪魔の手から救うべく、大冒険を繰り広げる。
●1人のキャラクターが多数の敵を殲滅するハックアンドスラッシュ様式のゲームスタイルで、まるで大作系のアクション映画のような迫力あるプレイが可能
●見下ろし型(クォータビュー)の画面UI。LoLなどのMOBAゲーム同様の視点
●迫力のあるインゲームのストーリー演出
●ボスモンスターのレイドを中心にしたゲーム性
最近の主要アップデート
●ゲーム内財貨であるゴールドのインフレ対策として、ゴールドの獲得量を調節するとともに、サーチ機能で消費する財貨をクリスタルからゴールドに変更した。
(サーチ機能はダンジョンクリア時に報酬をもう一度もらえる機能で、これまでは現金で購入できる財貨クリスタルでのみ利用可能だった)
●新規大陸ローウェンの追加に伴い、「闘争の大地トゥルービーク」や、本作初の攻城戦コンテンツ「スタルガル攻城戦」などの大規模戦闘(PVP)コンテンツを本格的に導入した。
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▲実施のプレイ動画
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▲実施のプレイ動画
リリース前後の動向
▼Steam版 リリース前の動き
2021.07.29 | Founder’S Pack Content Showcase クローズドベータテストへの参加権、アバターアイテムが付属したパッケージが登場 |
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2021.09.02 | Lost Ark Team Announcement 公開 開発状況などを定期的に公開する場を設けることを告知 |
2021.10.27 2021.11.04 |
EI/NAのクローズドベータの詳細を発表 クローズドベータテスト開始 |
2021.11.11 | クローズドベータテスト終了 |
2021.12.10 | The Game Awards 2021でリリース日発表 |
2022.01.28 | リリース関連の詳細情報を公開 |
2022.02.09 | Release Notes 公開 |
2022.02.12 | 公式リリース |
【ゲーム発表について】
2021年12月に米ロサンゼルスで開催されたThe Game Awards 2021(以下TGA)において、新規トレーラー映像を公開するとともに、欧米をはじめとする主要グローバル地域での正式リリース日程を発表した。
北米をはじめヨーロッパ、南米、オーストラリアなどでリリース前から注目を集め、正式リリースに先立って販売された 「ファウンダーズパック」(アーリーアクセス権や様々なゲーム内アイテムが含まれる)の販売総数が150万本を超えた。
また、アーリーアクセスにより、リリース前日の時点で約53万人の同時接続者数を記録した。
▼リリース関連の発表
2021.11.04~11.11 | 大規模なCBTを実施し、現地ユーザーより好評を得る |
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2021.12.09 | TGAにて新規トレーラー映像を公開、主要グローバル地域での正式リリース日程を発表 |
▼リリース後の動き
【販売実績など】
2月12日にSteamを通じて世界約160カ国で正式リリースされると、わずか48時間で最高同時接続者数が132万人を超えた。
これは、2017年8月に韓国KRAFTONの「PUBG: BATTLEGROUNDS」が打ち立てた記録である約325万人に次ぐ、歴代2位の記録となった。
Smilegate RPGによると、リリース後5日連続でSteam同時接続者数1位を記録したという。
また、欧米市場の新規プレイヤー数は、リリース後3日間で470万人に達した。
▲『LOST ARK』のユーザー状況。
【イベント】
公式イベントはまだ実施されていないが、リリース直後に特定のサーバーで問題があったことに対するお詫びとして小規模なイベント「Player Grants: Lost Ark Launch Week Recap」を実施し、プレゼントや報酬を配布した。
2022.02.19~ 03.01 |
リリース記念プレゼントの配布 |
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2022.02.19~ 03.01 |
ロイヤルクリスタルとアイテムセットの報酬を配布 |
▲ 「Player Grants: Lost Ark Launch Week Recap」のメイン画像
【Patch Notes】
2022年2月22日にアップデートを行った。
●通貨取引所のロイヤルクリスタル払い戻し問題の改善
●ロード画面の翻訳ミスの修正
●リリースイベントで、アイテムレベル1420のRapport Chestが誤ってDay 15ログイン報酬と表示される問題を修正
●Crystalline Auraの修正
●マッチメイキングの問題の改善
コミュニティの反応
metacriticにおけるユーザー評価を要約して以下にまとめてみた。
良い点
◆完成度の高いハイクオリティなグラフィック
◆圧倒的なアクション性と打撃感
◆多様なスキルを活用できる
◆ユーザーに寄り添った運営方針
悪い点
◆一部のサーバーで問題がある
◆音声とテキストが一致していない
▲Metacriticでの評価
▼ゲームの放送状況
【ストリーミングの人気度】
Twitchでは、本作関連放送の最高同時接続者数が127万人に上り、タイトル別ランキングで1位を記録した。
また、リリース初週に計11万2千もの本作関連チャンネルが開設され、累計視聴時間は5,990万時間を超えた。
▲ Twitchの本作カテゴリ。
【人気ストリーマー】
本作関連の放送を行っているストリーマーは、主に自身のプレイやハイライト動画などを配信している。
WoWなどの配信で人気のAsmodgoldなどが配信したことで、Twichに限らず配信コミュニティ関連は盛り上がりを見せている。
『LOST ARK』は韓国でリリースされ、その後日本でリリースされている。
残念ながら現状の日本ではPCのみでのMMO RPGの市場が小さかったのと、いわゆるクォータービューの視点のゲームが最近のゲームプレイヤー受け入れられにくかったことで、やや低迷している印象だ。
逆に欧米ではMMO RPG市場は複数タイトルが盛り上がっている状況で、更にLoLなどのクォータービューの視点のゲームも人気がある。(北米版の『LOST ARK』ではPvPコンテンツが盛り上がっているようだ)その状況下で、これまでの運用で得られたフィードバックを細かく取り入れた形でのリリースとなった欧米版は、コアなユーザーたちに熱狂的に受け入れられたのではないかと思われる。
欧米での人気にともなって日本での盛り返しがあるのか、今後の動きが楽しみなタイトルである。
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■執筆 <株式会社スパイスマート>
スマートフォンゲーム内運用に関する調査・分析を行うリサーチ事業とコンサルティング事業を展開しており、「LIVEOPSIS(ライブオプシス)」というサービス名称で各種ソリューションを提供。