マイケルセイラー氏がマイクロストラテジーCEOを退任 ビットコインの減損が9億1700万ドル(1330億円)も路線は継続

アメリカのマイクロストラテジーは、8月2日(現地時間)、CEOのマイケルセイラー(Michael Saylor)氏の退任を発表した。セイラー氏は同社に留まり取締役会長および執行役員を務める。

マイクロストラテジーは、世界最大のビットコイン保有量があるとされる企業で、この戦略を主導していたのがセイラー氏だ。



▲Michael Saylor氏の公式Twitterプロフィール写真より。

ただし今回のCEO退任において、その戦略に影響はないようだ。同氏はビットコイン獲得戦略の監督を継続するとしている。

なお同社は同日2022年度の第2四半期の累計決算を発表、売上高1億2200万ドル(164億円)、売上総利益9600万ドル(129億円)、最終損失は10億6200万ドル(1435億円)という結果になった。

営業費用内を見ると、Digital asset impairment lossesとビットコインの減損が9億1700万ドル(1330億円)となっており、同戦略が大きな痛手となっている。なお同社のビットコイン保有数は12万9699*で、平均取得価格は3万664ドル(414万円)となっている。なお簿価では19億8800万ドル(2686億円)としている。


*2022年6月30日時点


CoinMarketCapより。ここ1年ほどのビットコインの価格の推移だ。2021年の11月に67000ドルをつけ、ダウントレンドに。2022年5月のTERRA/LUNAショックでクリプト市場が暴落。さらに6月10日の米CPIが市場予想を上回った影響で6月18日にはおよそ19000ドル近くまで下落した。その影響もあり、複数のクリプト企業でレイオフが発生した。

マイケルセイラー氏は、1965年2月生まれの57歳。奨学金でマサチューセッツ工科大学(MIT) に入学し、航空学と航空宇宙学を専攻していた。持病によりパイロットになることはできなかったものの、1989年に同氏とその共同設立者とともにマイクロストラテジーを企業している。

本人のTwitterを見ればその思い入れがわかるだろう。過去には「世界はビットコインのような分散型で安全な価値の保存手段を必要としている」といったコメントをしている。