JCBIのSSI・DID部会とBCCC、自己主権型アイデンティティの社会実装をテーマとした共同研究を開始

ジャパン・コンテンツ・ブロックチェーン・イニシアティブ(JCBI)のSSI・DID部会と、ブロックチェーン推進協会(BCCC)は、自己主権型アイデンティティの社会実装をテーマとした共同研究を開始すると発表した。

近年、自己主権型アイデンティティ(SSI)という考え方が提唱され、インターネット上の各サービスを利用するためのID情報(アカウント情報)のコントロール権を生活者自身が持つことで、ひとつのID情報で異なる企業のさまざまなアプリケーションやプラットフォームを自由に行き来できるようになることが期待されている。

また、その自己主権型アイデンティティの社会実装に必要となる“生活者が自分の情報を自ら証明し、権利を享受できるID"を実現するための関連プロトコル技術の開発も盛んに行われている。

そして、新たなプロトコル技術の普及に向けて、国際的なさまざまな団体が国際標準化に向けてさまざまな規格について議論を始めている。

例えば、その規格の1つとして、ブロックチェーン技術によって実装できるウォレット機能を活用して生活者が自分の属性や資格等を自ら証明できる分散型ID(DID)があるが、分散型IDでは、自己主権型で自らの情報を証明することができるが、権利行使については分散型になっていないケースも存在する。

そこで、権利行使を分散型で行使するための規格として、ブロックチェーン技術によって実装できるスマートコントラクト(特定の条件が満たした場合に、決められたプログラム処理が自動的に実行する)機能を活用して、特定の属性や資格を持つことを証明できれば、それに応じて特別なサービスを受けたり、特典も貰えたりするといった権利が自動的に執行するプログラマブルID(PID)という規格に注目が集まっている。

共同研究では、加盟企業がさまざまな領域の先端技術を有するブロックチェーン推進協会と、SSI・DIDについて国内外の情報を幅広く収集、体系化しているJCBI SSI・DID部会で、このプログラマブルIDにフォーカスして、自己主権型アイデンティティの社会実装を目指して、さまざまな調査、議論、実験を行うと共に、国際標準化に向けて、研究成果を国際標準化団体等に対して情報発信する、としている。