セガサミーHD、3Q(4~12月)決算は売上高8%減、営業益20%減に 前期ヒットした「スマスロ北斗の拳」の反動減で 通期業績予想の修正を発表
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セガサミーホールディングス<6460>は、2月7日、2025年3月期の第3四半期累計(4~12月)の連結決算を発表、エンタテインメントコンテンツ事業における売上高、経常利益が大きく増加したものの、遊技機事業において前期ヒットした「スマスロ北斗の拳」の反動減の影響が大きく、前年同期比で減収、営業・経常減益となった。
なお、最終利益が増益となっているのは、フェニックスリゾート株式の譲渡により特別利益を計上したためとなる。
売上高3223億1600万円(前年同期比8.1%減)
営業利益437億600万円(同20.8%減)
経常利益494億1000万円(同13.9%減)
最終利益417億5600万円(同17.3%増)各セグメントごとの状況は以下のとおり。
①エンタテインメントコンテンツ事業 売上高2390億5000万円(前年同期比8.2%増)、経常利益375億6400万円(同88.7%増)
第2四半期に引き続きコンシューマ分野および映像分野が好調に推移したことから、前年同期比で増収増益となった。コンシューマ分野は、第3四半期に今期の主力新作タイトルを相次いで投入した。10月に発売した『メタファー:リファンタジオ』は、12月に米国ロサンゼルスにて開催された「The Game Awards 2024」において「BEST RPG」を含む3部門を受賞し、足元での販売は期初の想定を上回り推移している。また、10月に発売した『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』についても順調に販売本数を伸ばしており、2025年1月には全世界累計販売本数200万本を突破した。リピート販売も『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』(リマスター版)や『ユニコーンオーバーロード』などが牽引し、引き続き好調に推移した。
なお、3月に発売を予定していた『Football Manager 25』の開発中止を決定し、棚卸資産の評価減を行ったことから、第3四半期において損失を計上した。UI・グラフィックの刷新、新要素の追加など、定番継続シリーズにおける進化を目指し開発を進めていたが、3月の発売までに期待する製品品質を確保することが難しいと判断した。次回作に開発資産を引き継ぎ、より品質の高いタイトルの開発・提供に努めていく。
映像分野は、「ソニック」シリーズの映像作品、その他配分収入などが貢献し、引き続き好調に推移した。「ソニック」については、第3弾となる映画「ソニック × シャドウ TOKYO MISSION」が12月20日より全世界で順次公開され、全世界興行収入は過去最高となる4.6億ドルを突破している。こうした状況を受け、すでに第4弾が2027年3月に公開予定であることも発表した。映画第3弾の収益貢献は来期以降に顕在化することを想定しているが、今中期計画の主要テーマとして掲げるトランスメディア戦略の一つの形として、まずはソニックIPにおいて、ゲーム・映像・マーチャンダイズ等を通じた戦略的な展開を実現し、IPの成長・価値最大化を実現している。
AM&TOY分野は、プライズカテゴリーを中心に販売しておりますが、引き続き円安による原材料価格高騰の影響を受け、軟調に推移した。
今後については、コンシューマ分野において主力IPの一つである「龍が如く」のフルゲーム新作『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』を2月に発売するほか、フルゲームのリピート販売が堅調に推移することを見込んでいる。また、映像分野においては、引き続き「ソニック」シリーズの映像作品や、週刊少年ジャンプ(集英社刊)にて大人気連載中であり、当グループが制作する「SAKAMOTO DAYS」などによる収益を見込んでいる。
②遊技機事業 売上高765億2200万円(同35.6%減)、経常利益197億5600万円(同57.2%減)
前期ヒットした「スマスロ北斗の拳」の反動減により、前年同期比で減収減益となった。一方で、第2四半期に発売した、今期目玉タイトルの「e北斗の拳10」をはじめ複数タイトルの販売が想定を上回って推移したことから、期初の想定に対しては堅調に推移している。今後は、第4四半期にパチスロでは「回胴黙示録カイジ 狂宴」や「A-SLOT+ ディスクアップULTRAREMIX」を投入するほか、パチンコでは最新の規制見直しに対応し、よりパワーアップしたラッキートリガー機能搭載の「e蒼天の拳 羅龍」や「e真・北斗無双 第5章 ドデカSTART」など、複数のタイトルを投入する予定だ。
また、「e真・北斗無双 第5章 ドデカSTART」については「ドデカSTART」を搭載し、遊技効率を向上させていることが特徴であり、同様の機能を搭載した他社タイトルは市場において高い稼働実績を示していることから、本タイトルについてもホールの稼働に貢献することを期待している。これらのタイトル投入を通じて、2025年3月期は経常利益200億円を確保できる見込み。
なお、来期以降には、前作が好評を博した「北斗の拳 転生の章」および「甲鉄城のカバネリ」の次回作のほか、大ヒットアニメ「東京リベンジャーズ」や「リコリス・リコイル」とタイアップしたタイトルなどを投入予定。これらの取り組みを通じて、パチスロ・パチンコ「合算稼働シェア」の向上に努めていく。
③ゲーミング事業 売上高31億1800万円(同208.1%増)、経常利益9億5400万円(前年同期1億1600万円の赤字)
前年同期比で増収、経常利益段階で黒字化した。要因として、ゲーミング機器販売については、米国向けに2024年1月より導入を開始したビデオスロットマシンの新筐体「Genesis Atmos」対応の「Railroad Riches」が引き続き高稼働を記録し、市場からの高い評価を得て販売が好調に推移した。韓国の「パラダイスシティ」については、カジノにおいて引き続き日本人VIP客のドロップ額(チップ購入額)が高い水準を維持し、カジノ売上が2024年7~9月の四半期では開業以来最高値を記録するなど、好調に推移したことから持分法取込において利益貢献した。また、ホテル売上も稼働率が同四半期では開業以来最高値となる84.6%を記録するなど、好調に推移した。
※PARADISE SEGASAMMYは12月決算のため3ヵ月遅れで計上今後は、ゲーミング機器販売において、米国では「Railroad Riches」に続く新規タイトルとして「Super Burst - Cartin' Gold」を投入し、順調な立ち上がりを見せている。引き続き市場から高評価を得られるようなゲーミング機器を継続的に投入し、設置台数の増加や新規顧客の開拓、新たなライセンス取得等に取り組んでいく。「パラダイスシティ」については、引き続き好調な日本人VIP客を中心としたカジノ売上が牽引することにより、持分法取込において利益貢献を見込んでいる。
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■通期業績予想の修正を発表
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2025年3月期通期の連結業績予想については、第3四半期決算の発表と同時に予想の修正を実施しており、以下のとおり。
売上高4450億円→4250億円(増減率4.5%減、前期比9.4%減)
営業利益450億円→460億円(同2.2%増、同20.5%減)
経常利益480億円→515億円(同7.3%増、同13.8%減)
最終利益390億円→375億円(同3.8%減、同13.4%増)
※過去12四半期分の四半期業績推移のグラフを追加しました。
会社情報
- 会社名
- セガサミーホールディングス株式会社
- 設立
- 2004年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高4678億9600万円、営業利益568億3600万円、経常利益597億7800万円、最終利益330億5500万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 6460