『チ。 ―地球の運動について―』特別展が3月14日から開幕!地動説を巡る壮大な旅のすべてが集結

2025年3月14日より、日本科学未来館にて開催される 特別展「チ。 ―地球の運動について― 地球(いわ)が動く」。開催前日にはメディア向けの内覧会が行われ、ゲストを招いてのトークショーも実施された。トークショーには副館長の伊藤羊一氏をはじめ、アニメ『チ。 ―地球の運動について―』のキャスト陣や宇宙飛行士の野口聡一氏が登壇し、展示の魅力や見どころについて語った。

イベントの冒頭では、日本科学未来館 副館長の伊藤羊一氏が登壇し、本展の開催意義について語った。「日本科学未来館は “未来を作るプラットフォームになること” をテーマに掲げています。本展も、そのテーマに基づいたものです」と述べる。「先人たちが積み重ねてきた知恵をより身近に感じてもらいたい。そして、知ることの楽しさに触れてもらえたら」と期待を込めた。

続いて、アニメのキャスト陣から 速水奨さん(フベルト役)、小西克幸さん(オクジー役)、仁見紗綾さん(ヨレンタ役)、島袋美由利さん(ドゥラカ役) の4名が登壇。それぞれ、展示を観覧した感想を語った。

速水さんは「特別展に一歩踏み込むと アニメの世界に入り込めた」とコメント。天文学に関する知識も充実しており、「大人も子どもも等しく楽しめる内容になっています」と語る。さらに、展示されていたキャラクターの等身パネルを見て「(自身が演じる)フベルトはこんなに背が高いんだ」と驚いたエピソードも披露した。

小西さんは「原作やアニメを全部見ましたが、それでも天体の知識について、すべてを理解しているわけではありません」と正直な感想を語る。しかし、今回の展示を通して「天文学の知識がスッキリ理解できた」「見応えのある内容でした」と絶賛。

続いて仁見さんは「この展示は泣けます」と、シンプルな一言で感想を表現。アニメの出演を通じて物語を体感した仁見さんにとって、作品を振り返ることのできるこの展示は感極まるものがあったという。「目を凝らしてじっくり見てもらいたいです」とコメントし、細部までこだわり抜かれた展示内容に注目するよう呼びかけた。最後に島袋さんは、作品に登場するセリフが展示の随所に散りばめられていることに着目。「物語の思い出がよみがえる瞬間が多かった」と語る。感動を噛みしめながら展示を巡り、涙をこらえたほどだったという。

さらに、スペシャルゲストとして 宇宙飛行士・野口聡一氏 も登壇。すでに展示を見たという野口氏は「科学的な説明も含めて、素晴らしい展示」と絶賛した。「1回見ただけでは理解しきれない」と、その奥深さにも言及し、「何度も足を運んでじっくり楽しんでほしい」と来場者に呼びかけた。

また、本展が6月までの3ヶ月限定開催であることに触れ、「宇宙には上下がないので、6を逆さまにして9月まで開催してみては?」と冗談交じりに語り、会場を和ませる一幕もあった。

4つの章で巡る“地動説”の旅

ここからは、全4章に分かれた展示コーナーを巡りながら、その見どころを紹介していこう。展示のスタート地点は、「地動説との出会い」をテーマにしたエリア。ここでは、アニメ『チ。』の世界を巡りながら、作中で描かれた天文学の考え方を学べるようになっている。

まず目に入るのは、アニメの物語を振り返るパネルの数々。まもなく最終回を迎える本作のストーリーをもう一度確認するにはうってつけの展示と言えるだろう。
さらに、実際に触れることができる「アストロラーベ」(古代の天体観測用機器)が設置されており、天文学者たちがどのように星を観測していたのかを体感できる。

展示の最後には、アニメのワンシーンが切り取られたような空間。そして満天の星空が映し出される幻想的なエリアが登場。暗闇の中で光り輝く無数の星々を眺めながら、「天文学とは何か」「宇宙とは何か」といった問いを心の中で巡らせることができる。まさに、知的好奇心をくすぐる体験だ。

続く第2章では、地動説の証明に焦点を当てた展示が展開される。ここでは、実際の天文学の実験を通じて地動説を体験的に学べる内容となっている。
特に注目したいのは、金星の満ち欠けを再現した模型だ。天動説では「金星が満ちることはない」とされていたが、地動説では「金星は満ちて見える」と考えられていた。来場者は2種類の模型を使い、それぞれの視点からどちらが正しいのかを実際に確認できる。

展示も後半に入ると、地動説を社会に広めた技術についての解説が始まる。その中でも 特に重要な役割を果たしたのが「活版印刷」 だ。
当時、地動説は「異端」とされ、多くの学者が弾圧されたが、活版印刷技術によって書物が大量に複製され、一般の人々にも天文学の知識が広まるようになった。本エリアでは、実際に 活版印刷の活字を組み替えて印刷する工程を体験できる。

最後の章では、地動説の考えが現代の天文学や宇宙研究にどのように受け継がれてきたのかが紹介される。ここでは人工衛星をはじめ、「地動説が確立したその先」の世界を知ることができる。
そしてすべての展示を見終わると、本展オリジナルグッズが並ぶ販売エリアも用意されている。特に注目したいのは、「星座早見盤付きアクリルスタンド」など「チ。 ―地球の運動について―」のオリジナルグッズ。また、普段使いしやすいデザインのグッズも販売されており、幅広い層が楽しめるラインナップになっている。

特別展「チ。 ―地球の運動について― 地球(いわ)が動く」

会期:2025年3月14日(金)~6月1日(日)
場所:日本科学未来館 (東京都江東区青海2-3-6) 
休館日:火曜日(ただし、3/25、4/1、4/29、5/6は開館)
主催:日本科学未来館、特別展「チ。 ―地球の運動について―」製作委員会

🄫魚豊/小学館/チ。 ―地球の運動について―製作委員会