ドリコム、1Q(4~6月)決算は『ウィズダフネ』の貢献などで売上高倍増 不採算の新作タイトルの影響で赤字計上…減損損失で17億円の最終赤字に

  • ドリコム<3793>は、7月29日、2026年3月期の第1四半期(4~6月)の連結決算を発表、『Wizardry Variants Daphne』や長期運用タイトルの寄与で売上高は倍増したものの、不採算タイトルの影響が大きく赤字計上となった。

    なお、最終赤字が大きく膨らんでいるのは、売上高が想定を下回って損失を計上している新作ゲームアプリに関連する資産の減損処理を実施し、特別損失としてソフトウエアの減損損失15億6300万円を計上したため、となる。

    売上高44億6600万円(前年同期比110.4%増)
    営業損益8100万円の赤字(前年同期6700万円の赤字)
    経常損益1億700万円の赤字(同8800万円の赤字)
    最終損益17億9900万円の赤字(同1億5300万円の赤字)

    セグメントごとの状況は以下のとおり。

    ①ゲーム事業 売上高43億2700万円(前年同期比112.7%増)、セグメント利益1億2200万円(同51.6%減)
    モバイルゲームタイトルを11本運用しており、 前期第3四半期にリリースした自社配信タイトル『Wizardry Variants Daphne』および運用中の複数のタイトルから収益を獲得している。一方で、前期末にリリースしたモバイルゲームタイトルにおいて、売上高が想定を下回る推移となったことから、将来収益の再評価を行い、資額の回収可能性を算定した結果、このゲームアプリに関連する資産を減損処理することとした。

    売上高は、一部の運用タイトルが前期を下回る推移となったが、『Wizardry Variants Daphne』の貢献により前年同期比で増加した。利益については、自社配信タイトルの売上増加に伴う変動費(支払手数料等)の増加や、新規タイトルのリリースに伴う固定費(ソフトウェア償却費、広告宣伝費等)の増加により前年同期比で減少した。

    引き続き運用中タイトルの安定的な収益の維持・ 最大化に努めるほか、新規モバイルゲームのパイプラインの検討を進めていく。また、PC・コンソール向け新規タイトルの開発による事業ノウハウの獲得、自社IPの保有を目指していく。

    ②コンテンツ事業 売上高1億5500万円(同70.7%増)、セグメント損益2億400万円の赤字(前期3億2200万円の赤字)
    IPの保有、育成、収益化を目的として出版事業とアニメ事業、MD(マーチャン ダイジング)事業に取り組む中、ライトノベルレーベル「DREノベルス」とコミックレーベル「DREコミックス」から毎月刊行を実施している。また、同社の有するインターネットサービスの知見と先進的なテクノ ロジーを活用した新たなサービス開発や、SNSを活用したファンマーケティング支援サービスなどを提供している。

    売上高は、2023年秋から「DREコミックス」の刊行を開始しており、電子版コミックスを中心に収益が増大、シリーズ累計30万部を超える人気作品を複数輩出できていることなどにより、前年同期比で増加した。利益については、出版 、アニメ、MDや生成AIの活用などの新規事業領域への投資を行っており費用先行が継続しているが、損失額が前年同期比で減少した。

    出版事業において作品数積み上げによる販売数増加、損失額の縮小に努めるほか、中期的に目指す姿の実現に向け今後も投資を実施していく。

  • ■通期業績予想を下方修正

  • 2026年3⽉期通期の連結業績予想については、第1四半期決算の発表と同時に下方修正を実施しており、以下のとおり。

    売上高200億円→175億円(増減率12.5%減、前期比38.3%増)
    営業利益10億円→5億円(同50.0%減、同346.4%増)
    経常利益9億5000万円→4億円(同57.9%減、同650.4%増)
    最終損益5億円の黒字→13億円の赤字

  • ※過去12四半期分の四半期業績推移のグラフを追加しました。

株式会社ドリコム
http://www.drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高126億5500万円、営業利益1億1200万円、経常利益5300万円、最終損益10億3500万円の赤字(2025年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
企業データを見る