モバイルゲーム企業大手13社の25年10-12月決算まとめ 増収増益はサイバーエージェントとアカツキ、ドリコム ガンホーは18年ぶりの営業赤字

 

主要なモバイルゲーム企業の2025年10-12月のゲーム事業の決算を振り返っていきたい。上場モバイルゲーム会社を見ると、スポーツ事業や広告事業、メディア事業、出版事業、ブロックチェーン事業など、事業の多角化を進めている会社が少なくないため、今回もゲーム関連事業の売上高と営業利益をピックアップした(※単一セグメントの場合は全社業績を使っている)。四半期売上高15億円以上の企業に絞った。集計した結果、営業増益または黒字転換を達成したのは13社中3社にとどまった。ドリコム<3793>とアカツキ<3932>、サイバーエージェント<4751>だった。

 

この中でも目覚ましい活躍を見せたのは、サイバーエージェントだった。『SDガンダム ジージェネレーション エターナル』と『Shadowverse: Worlds Beyond』に加えて、海外売上が同3.6倍の141億円と大きく伸びた。『ウマ娘 プリティーダービー』英語版を中心に、『Shadowverse: Worlds Beyond』と『呪術廻戦ファントムパレード』が好調だったという。「これまで弱かった海外市場でもしっかりと収益を上げられるようになってきた」(山内社長)。

ドリコムも1周年施策を打ち出した『Wizardry Variants Daphne』が引き続き業績拡大をけん引した。一般的にモバイルゲームでは、リリース直後や大型周年イベント時に売上がピークを迎えやすいが、内藤裕紀社長は、「リリースから1年を経過しても売上が伸長している点は、非常にポジティブだ」と評価しており、今後は中長期での収益積み上げを重視する構えだ。

アカツキも復調した。売上高が前年同期比61.6%増の52億2500万円、営業利益が15億4500万円(前年同期の実績は15億5100万円の損失計上)と大幅増収・黒字転換を達成した。第2四半期にリリースした『怪獣8号 THE GAME』が初めて四半期決算にフル寄与したことに加えて、事業ポートフォリオの見直し、既存タイトル運営の効率化により、費用が大幅に減少したため、と説明している。

他方、減益・赤字転落組を見ると、ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>の赤字は衝撃的であった。実に18年ぶりの営業赤字になるとのことだった。主力の『パズル&ドラゴンズ』や『Ragnarok』関連タイトルの減収が響いた。業務委託や広告宣伝費などの抑制を行ったものの、減収の影響をカバーできなかったという。

DeNAも大幅な減益となった。『Pokémon TCG Pocket(ポケポケ)』が引き続き業績を牽引したが、周年イベントを迎えたとはいえ、前年に比べると売上、利益ともに大きく落ち込んだ。リリース当初の爆発的な人気ぶりの反動が出た格好だ。MAUの推移を見ると、2025年3月期通期決算の時点では約5100万人、2026年3月期第1四半期では約3900万人、第2四半期では約3000万人と急減したが、第3四半期においては約2800万人と減少幅はやや落ち着いたようにみえる。

MIXI<2121>は、主力タイトル『モンスターストライク』のMAU減少が影響したことに加えて、地上波アニメ放映に伴う一時的な広告宣伝費増加により、2桁の減収減益を余儀なくされた。ARPUは増加したものの、新規ユーザー定着に課題が残っているという。長期運営により操作性が複雑化した点を課題と捉え、UI/UXの刷新によるMAU回復を目指しているという。

グリーHD<3632>も大幅な減益となった。既存タイトルの減収に加えて、超大型IPのライブサービスゲームを複数本開発中で、投資を継続したことが主な要因だ。同社では、投資しながらも黒字を確保している点をポジティブに捉えているという。今期はコンシューマーゲームのリリースを予定しており、決算発表の翌日に『アナザーエデン ビギンズ』の発表を行った。27年以降の大型IPライブサービス案件も進行中だという。

KLab<3656>は、既存タイトルの『BLEACH Brave Souls』と『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』の減収に加えて、2026年リリース予定の新作タイトル『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』とTVアニメ「僕のヒーローアカデミア」のIPを活用したタイトルの新作開発を行ったことが響いた。

コロプラ<3668>は赤字幅が大きく減った。主力のエンターテインメント事業は、新作タイトルのリリースがなく、既存タイトル中心の運営となったことで減収となったものの、広告宣伝費などの抑制により赤字幅は縮小したとのこと。

Aiming<3911>は5四半期ぶりの赤字となった。大幅な減収となったが、前年のこの時期は『WIND BREAKER』関連の開発受託売上が一括計上されていた特殊要因があったという。プラットフォーム手数料や広告宣伝費など販売管理費の抑制を行ったが、減収要因によって久々の赤字となった。

アエリア<3758>は減収・赤字転落だった。コンテンツおよびグッズ販売の売上は回復傾向にあるものの、実績が想定を若干下回ったことにより、売上高の減少および営業損失計上となった、としている。

マイネット<3928>は、セカンダリー領域における運用タイトルの漸減が続いているものの、24ヶ月ぶりの新規タイトルの獲得に成功した。26年2月から収益に寄与する見通し。新領域である人材マッチングや開発ソリューションについても案件獲得が進んでおり、今後の収益獲得が見込まれるとのこと。

最後にバンク・オブ・イノベーション<4393>は減収減益だった。『メメントモリ』がリリース3周年を迎えたものの、前四半期では増収となったが、前年同期では減収となった。新作タイトルの開発を行っており、先行費用が発生していることも減益要因となった。

モバイルゲーム企業は、運用型のゲームの収益に占める比率が大きい。アップデートやイベント、キャンペーンなどの運用施策により長期間にわたって収益獲得が可能ではあるものの、その間、新作タイトルを出さない限り、経年による売上減にさらされることになる。明暗が分かれたのは新作を出せたかどうか、そしてのヒットタイトルを生み出せたかどうかによる。

また、ドリコムのように「ウィザードリィ」の権利を取得して、オンラインゲームゲームとしてだけでなく、ノベライズやコミカライズ、アニメ化、コンソールゲーム化のライセンス供与など多角的に展開し、「IP」として運用することで収益を伸ばしているケースもある。コロナ禍前後から「IP」ビジネスに乗り出すモバイルゲーム企業が増えたが、先行投資が一巡し、徐々に成果を出してくる企業も増えてくるのではないか。

株式会社サイバーエージェント
http://www.cyberagent.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社サイバーエージェント
設立
1998年3月
代表者
代表取締役会長 藤田 晋/代表取締役社長 山内 隆裕
決算期
9月
直近業績
売上高8740億3000万円、営業利益717億0200万円、経常利益717億4300万円、最終利益316億6700万円(2025年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
4751
企業データを見る
株式会社ドリコム
http://www.drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高126億5500万円、営業利益1億1200万円、経常利益5300万円、最終損益10億3500万円の赤字(2025年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
企業データを見る
株式会社アカツキ
https://aktsk.jp/

会社情報

会社名
株式会社アカツキ
設立
2010年6月
代表者
代表取締役CEO 香田 哲朗
決算期
3月
直近業績
売上高236億5200万円、営業利益39億1500万円、経常利益42億3300万円、最終利益16億4600万円(2025年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3932
企業データを見る