
トーセ<4728>は、2026年8月期 第3四半期決算説明会の質疑応答で、ゲーム事業の利益悪化について、海外クライアント向け家庭用ゲームソフト開発プロジェクトの一時停止が大きく影響したことを改めて説明した。現在は新規案件の獲得を進めているものの、失われた稼働を当期中にすべて埋めることは難しいとの認識を示した。
まず、第3四半期決算を振り返ると、営業利益が大幅な減益となった。海外クライアント向け大型開発プロジェクトがクライアント側の方針変更により2026年2月末から一時停止となり、3月以降は一部の開発リソースに稼働の空きが発生したことが主な要因だった。
・売上高:48億2200万円(0.8%減)
・営業利益:2億8000万円(44.8%減)
・経常利益:3億2200万円(35.9%減)
・最終利益:2億円(61.0%増)
■海外大型案件の停止で想定以上の稼働減
同社によると、第3四半期に海外クライアント向けコンソールゲーム開発プロジェクトが再開時期未定のまま一時停止となり、開発スタッフの稼働が急減した。
人件費については継続的なベースアップなどにより前年同期比で数%増加しているほか、第2四半期まで品質向上のため外注費も増加していた。こうした固定費・変動費は事業計画に沿った投資だったが、想定外のプロジェクト停止により固定費を吸収できる売上を確保できなくなったという。
また、前年同期はレベニューシェア収入が一時的に大きく伸びていた反動も利益を押し下げた。同社は、レベニューシェア減少は前年のキャンペーン効果の反動であり、運営タイトルの課金状況や販売動向が急激に悪化したわけではないと説明している。
■新規案件で穴埋め図るも当期中の回復は困難
停止したプロジェクトで空いた開発リソースについては、新規案件への配置を進めるほか、既存案件の内製化、研修や研究開発にも充てている。
2026年8月期に新たに受注した2件の大型プロジェクトについても、今後の成長をけん引する案件と位置付けるが、本格稼働は2027年8月期以降となる見込み。このため、一時停止した大型案件の売上を2026年8月期中に補うことは難しいとしている。
同社は現在も中小規模案件を含め受注を積み上げており、第4四半期および2027年8月期に向けて適正な稼働水準の確保を目指す。
■補償は受けず、契約条件見直しへ
今回のプロジェクト停止について、クライアントから補償金などは受けていないことも明らかにした。
同社は、今後の取引では開発工程が急きょキャンセルされた場合に一定の補償を求められる契約条件を盛り込むことを検討している。会社側は、同様の事態が発生した際の交渉余地を広げ、自社でコントロールできない要因による業績への影響を抑えたい考えだ。
■2027年8月期は「前半は収益が伸びにくい可能性」
2027年8月期については、現在進行中の大型案件完了後に取り組む次の大型案件の商談も進んでおり、中長期的には安定した業績を想定しているという。
一方で、これまで業績を支えてきた大型案件が終盤を迎える一方、新規案件は立ち上げフェーズとなるため、企画・構想段階では開発効率が十分に上がらないことから、2027年8月期前半は収益性が高まりにくい可能性があるとの見方も示した。
■Switch 2向け開発相談は継続
Nintendo Switch 2への対応については、現在開発中の主要タイトルの多くがNintendo Switch 2、PlayStation 5、Xbox Series X|S、PC(Steam)向けのマルチプラットフォームとなっていると説明。2026年発売予定タイトルにもSwitch 2対応作品が含まれるという。
また、Switch 2の好調な販売を背景に、リマスター作品、新規タイトルともに開発相談が継続的に寄せられていることも明らかにした。
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会社情報
- 会社名
- 株式会社トーセ
- 設立
- 1979年11月
- 代表者
- 代表取締役会長兼CEO 齋藤 茂/代表取締役社長兼COO 渡辺 康人
- 決算期
- 8月
- 直近業績
- 売上高66億3600万円、営業利益6億8900万円、経常利益6億7700万円、最終利益2億5000万円(2025年8月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4728
