エヌジェイHDが中期経営計画の修正を発表 ゲーム事業の27年6月期利益目標を6億円から5億円に下方修正 大型案件を厳選し収益性の改善を図る

エヌジェイホールディングスは<9421>、9月18日、2024年8月に公表した中期経営計画について、計画の修正と2年経過時点での進捗状況を発表した。ゲーム事業では、新規開発プロジェクトを厳選したことで大型案件の受注機会が減少していることなどを踏まえ、2027年6月期のセグメント利益目標を従来の6億円から5億円へ引き下げた。
一方、モバイル事業については利益目標を1億円から1.5億円へ引き上げ、連結営業利益の目標は従来通り4億円を維持している。
■ゲーム事業は「大型案件の厳選」で受注機会が減少
ゲーム事業では、中期経営計画の期間中に新規開発プロジェクトの選別を進めてきた。その結果、開発リスクの高い大型案件を厳選する一方、大型プロジェクトの受注機会が減少する状況となった。
2026年6月期には、外注を活用した大規模案件が第4四半期から縮小段階に入ったこともあり、2027年6月期はゲーム事業の売上高が減少する見通しとなっている。ただし、外注原価の削減などによって利益への影響を抑えるほか、新規開発案件について収益性の改善を進めることで、利益水準の引き上げを目指している。
ゲーム事業のセグメント利益は、2025年6月期の2億3600万円から2026年6月期には3億800万円まで増加した。2027年6月期については5億円を目標としており、最終年度に向けて利益成長を継続する考えだ。

■ゲーム運営サポートや海外対応の需要は堅調
開発案件の大型化が一服する一方、ゲーム運営サポートについては需要が堅調に推移している。特に、ゲームの海外展開に伴う翻訳などの海外対応業務への需要が伸びており、同社ではこうした運営サポート領域を成長機会の一つとして捉えているとのことだ。
新規開発についても、大型案件だけに依存するのではなく、小規模案件を含めた案件構成へと変化させながら、収益性を重視した事業運営を進める方針だという。
■AI活用でゲーム開発の生産性向上へ
ゲーム事業では、今後の成長に向けてAI技術の活用にも取り組んでいる。
具体的には、VLM(Vision Language Model)を利用したビジュアル表現チェックの自動化や、生成AIを活用したQA自動化などを進めている。また、AIを活用してプロトタイプ制作のサイクルを短縮し、ゲーム開発における生産性向上につなげる考えだ。
中期的には、こうしたAI活用による開発効率化に加えて、コア人材の育成や自社IPの創出にも取り組む方針だ。
■連結営業利益4億円の目標は維持
今回の中期経営計画の修正では、ゲーム事業の利益目標を引き下げる一方、モバイル事業の利益目標を引き上げた。

ゲーム事業では大型案件の受注機会が減少するものの、案件の選別や外注原価の削減、運営サポート領域の拡大によって収益性を高める。
さらに、AIを活用した開発効率化や自社IPの創出などを進めることで、ゲーム開発会社としての収益基盤の強化を目指す。
今回の中期経営計画の修正は、単純にゲーム事業の成長目標を引き下げるものではなく、大型案件の受注拡大を追う戦略から、案件選別やAI活用、運営サポートなどを通じて収益性を重視する方向へゲーム事業の軸足を移す動きとみることができそうだ。
会社情報
- 会社名
- 株式会社エヌジェイホールディングス(NJHD)
- 設立
- 1991年12月
- 代表者
- 代表取締役社長 福田 尚弘
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高96億9800万円、営業利益1億200万円、経常利益9600万円、最終利益2億7400万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 9421