ユークス、27年1月期中間は営業益2.2倍の1億6500万円 アクアプラス連結に加え受託開発の採算改善も寄与

木村英彦 編集長
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ユークス<4334>は9月10日、2027年1月期中間期(2月~7月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比43.9%増の25億9200万円、営業利益は同224.6%増の1億6500万円、経常利益は同192.3%増の1億4400万円となり、大幅な増収増益となった。一方、最終利益は3200万円と同5.3%減少した。

 

同社は今期を、「受託開発事業の安定化の確立とIP収益比率向上による成長基盤構築期」と位置付けている。受託開発による安定収益を確保しながら、アクアプラスを含む自社IPの収益を積み上げる「ハイブリッド型」の収益構造への移行を進めている。

今回の中間決算は、まさにこの方向性が数字に表れ始めた内容となった。

 

■アクアプラス連結で売上高が大幅増 受託開発も1億4700万円増収

今回の増収を大きく押し上げたのが、8月に連結子会社となったアクアプラスだ。全社売上高は前年同期から7億9200万円増加したが、その内訳を見ると、受託開発が1億4700万円増加した一方、自社開発はアクアプラスの連結によって6億4500万円の新規寄与があった。

つまり、今回の増収はアクアプラスの連結効果だけによるものではない。既存の受託開発事業も増収となっており、「アクアプラスによる事業規模の拡大」と「既存事業の回復」が同時に進んだ格好だ。

アクアプラスでは5月に『うたわれるもの 白への道標』を発売したものの、販売本数は当初予想を下回った。一方、『WHITE ALBUM2』15周年関連イベントのグッズ販売などは好調に推移した。

 

■営業利益は2.2倍 受託開発の採算性改善も寄与

営業利益の改善についても、アクアプラスの連結だけでは説明できない。営業利益は前年同期の5100万円から1億6500万円へ、1億1400万円増加した。増益要因としては、アクアプラスの自社開発売上が加わったことに加え、受託開発の稼働率回復が挙げられている。

特にゲーム・XR分野では、プロジェクトが順調に進行して稼働率が計画を上回ったほか、開発効率の向上や外注費削減によって限界利益率が前年同期の78.0%から81.8%へ改善した。

一方で、アクアプラス関連では人件費や地代家賃、買収に伴うのれん償却などの費用も増加。『白への道標』のプロモーションに伴う広告宣伝費やゲーム販売に伴う原価も利益を押し下げている。それでも売上高の増加と受託開発の収益性改善が上回り、営業利益は大幅に伸長した。

なお、最終利益が減少したのは、本業の悪化によるものではない。中間期では税金費用の計算方法の影響もあり、法人税等が1億1146万円となったことが主因となっている。

 

■ゲーム・XRは好調 受注額は年間目標の72.8%まで進捗

受託開発では、ゲーム・XR分野が引き続き好調だ。上期のゲーム・XR売上高は13億7300万円で、年間予算に対する進捗率は48.4%。稼働率は計画を上回っており、開発効率の向上や外注費削減もあって、受託事業全体の収益性改善をけん引した。

実際、同社の受注額は中間期時点で年間目標の72.8%まで進捗している。会社側は受注額を将来の売上につながる先行指標として位置付けており、今期の稼働確保だけでなく、2028年1月期に立ち上がる案件やリピート・全部受託案件の獲得にも取り組んでいる。

ゲーム・XRでは、国内で企画提案を積極化するほか、海外ではXR関連案件を1件受注。米国IPホルダーとのゲーム案件の商談も進めている。

一方、遊技機分野の上期売上高は4億3200万円、年間予算進捗率は44.9%。プロジェクトの切り替えや立ち上げに伴って一時的に稼働率が低下したものの、足元では高稼働を維持しており、下期の改善を見込んでいる。

 

■自社IPは『白への道標』が計画未達も、新作・移植・イベントなど多面的に展開

自社開発事業の売上高は6億4500万円で、年間予算に対する進捗率は51.1%。IP収益比率は24.9%まで上昇したが、IP事業がすべて順調というわけではない。『うたわれるもの 白への道標』は計画未達となった。また、『うたわれるもの ロストフラグ』は2月にサービスを終了しており、今後の収益源を育てることが課題となる。

その一方で、『ジャスミン』『project kizuna』の開発を進めているほか、ユークスとアクアプラスによる新規IPゲームの共同企画にも取り組んでいる。既存IPについても、Nintendo Switch 2 やSteamなど他プラットフォームへの移植を進めており、イベント・グッズを含めた多面的な収益化を図る。

このほか、アクアプラス作品については、中国語圏・英語圏を中心に海外での認知拡大にも取り組む方針だ。

 

■「受託の安定収益+IP」の形をどこまで作れるか

今回の決算を全体として見ると、ユークスの事業構造は比較的シンプルだ。一つは、ゲーム・XRや遊技機などの受託開発によって安定した売上・利益を確保する事業。もう一つが、アクアプラスを含む自社IPをゲーム、移植、イベント、グッズ、海外展開などで収益化していく事業だ。

今回の中間期では、アクアプラスの連結によって自社開発売上が大きく増加しただけでなく、従来の受託開発でも稼働率と採算性が改善した。受託開発の受注額も年間目標の72.8%まで進んでおり、来期以降の案件獲得も進めている。

一方、IP事業では『白への道標』の計画未達や『ロストフラグ』のサービス終了といった課題も残る。そのため、新作開発だけに依存するのではなく、既存IPの移植、イベント・グッズ、海外展開などを組み合わせ、特定タイトルへの依存度を下げながら収益源を増やしていく考えだ。

ユークスは通期業績予想を据え置いており、売上高53億円、営業利益2億7500万円、経常利益2億9000万円、最終利益2億8000万円を見込んでいる。中間期の進捗率は売上高48.9%、営業利益60.0%、経常利益49.7%となっている。

アクアプラスの連結化でIP事業の規模を取り込みながら、従来からの受託開発では収益性を改善する――。今回の中間決算は、ユークスが掲げる「受託開発の安定収益を基盤にIP収益を積み上げる」という事業モデルが、具体的な数字として表れ始めた中間期だったと言えそうだ。

 

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株式会社ユークス
https://www.yukes.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ユークス
設立
1993年2月
代表者
代表取締役社長 谷口 行規
決算期
1月
直近業績
売上高42億8800万円、営業利益1億8100万円、経常利益1億8400万円、最終利益1億7600万円(2026年1月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4334
企業データを見る
株式会社アクアプラス
https://aquaplus.jp/

会社情報

会社名
株式会社アクアプラス
設立
1994年10月
代表者
代表取締役 下川 直哉
企業データを見る