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【CEDEC2013】ダウンロード数を伸ばす秘訣がここに…世界最大のリワード広告ネットワークの日本支社長・神田氏がアプリの“成功法”を語る

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2013年8月21日~23日に、パシフィコ横浜(神奈川県)で国内最大のゲーム開発者向けカンファレンス「コンピュータ・エンターテインメント・デベロッパーズ・カンファレンス 2013」(以下、CEDEC 2013)が開催。

CEDECとは、コンピュータエンターテインメント業界内外の有識者が開発者に新たな知見をもたらす基調講演と特別招待セッションが行われるほか、多種多様なワークショップ、ゲーム開発やビジネスに関して公募を中心とした発表の場。

開催3日目に行われたタップジョイ・ジャパン株式会社の代表取締役・神田裕介氏の講演では、日本を含むグローバルにおけるアプリのプロモーションと集客方法、そしてマネタイズ手段の助言があった。

驚異的なスピードで変化を遂げていくスマートフォンアプリ市場において、世界最大のリワード広告ネットワークの日本支社長が“成功法”を語る。企業に属するアプリ開発者はもちろんのこと、個人開発者は“なお必見”の講演を、本稿ではお伝えしていこう。

 

世界190ヵ国以上で利用されている「Tapjoy」とは?

リワード広告ネットワーク企業「Tapjoy」。“リワード広告”とは、簡単に言うとiPhoneやAndroidのゲームアプリなどの中で、他のアプリを紹介する仕組みのことを指す。

これらの広告を介して、ユーザーが他のアプリをダウンロードしたり、会員登録などを行ったりすることで、該当ゲームアプリの仮想通貨などを得ることができる。また、パブリッシャーは自社アプリの収益に、同じく広告主も自社アプリのダウンロード数アップにも繋がっていくのだ。

こうした仕組みを一番最初に構築して、ビジネスにしたのが「Tapjoy」。

今回講演を行った神田氏は、現在「Tapjoy」日本支社の代表取締役を務めている。なお、タップジョイ・ジャパンでは、海外のオマケ付き広告(リワード広告)と区別してオファー広告と呼称して事業を展開している。

 

■ 「Tapjoy」概要

【設立】2007年

【本社】アメリカ(サンフランシスコ)

【オフィス】ロンドン・上海・ソウル・東京など世界14拠点

【資本金】7,050万USドル(約70.5億円)

・タップジョイのシステムを遊んでいるユーザーがいる世界190ヵ国

・SDK搭載した端末が動いた数は累計10億台

・月間アクティブユーザ1.1億人

 

現在のアプリストアにおける売上ランキング(トップセールス)の半数以上が「Tapjoy」の広告機能を利用して収益を上げている。

利用方法は、まず「Tapjoy」のサイト上でSDK(ソフトウェア開発キット)をダウンロードしてアプリに組み込む。続いて管理画面(Dashboard)へのアプリ登録、そしてSDK組み込み済のアプリを配信開始させる。あとは「Tapjoy」から広告収入が振り込まれるといった極めて簡単な流れだ。

広告出稿も単価は約10円からで、数万円の予算(クレジットカード支払い)で世界中から数千ユーザーを獲得できる。同社の儲けは広告主から広告費を受け取り、それらを媒体側のアプリにレベニューシェア(パートナー提携)をして、その一部を収入として得ている。

今回の講演を通して、自身も「Tapjoy」の営業活動をしなければならないと話す反面、「アプリ開発において、爆発的に成功する人が出てくるように、お手伝いがしたい」と神田氏は純粋に語る。また、同氏はエンジニア出身ということもあってか、開発者に対して「役に立ちたい」という想いは、“ひとしお”なのが伝わってきた。

 

「日本で生まれたデベロッパーは幸せです」

続いて神田氏は、スマートフォンアプリ市場について、様々な数字とグラフで紹介してくれた。

まずは、世界における2013年第2四半期のスマートフォンの出荷台数。わずか3ヵ月で、Androidは約1億9000万台、iPhoneは3000万台となった。この数字について神田氏は「ゲームのプラットフォームと見た場合、いまだかつてない数字。これを世界中の人が使用しているのが最大のポイントである」と続けた。

聞いているように、開発者としては全世界にアプローチが出来るため、様々な思想・施策が沸いて出てくるだろう。しかし、マーケットが広すぎる反面、いざ他国でアプリを公開する際に躊躇する瞬間も出てくるはず。

 

 

「ぶっちゃけ申し上げますと、英語・日本語・韓国語に対応していれば十分です」と話す神田氏が見せてくれたグラフには、世界における2013年7月のアプリストア内の売上規模が出された。圧倒的な数値を誇るのはアメリカ、次いで日本、そしてAndroidで伸びしろのある韓国が付けた。

我々日本人は、当然アプリを開発する際は、はじめに日本語版を作成する。そして英語も世界共通語のため、まあ……勉強していれば、なんとかなる。ということは、言ってしまえば英語と日本語で開発してしまえば、世界のアプリ市場の約8割に対応しているといっても過言ではないのだ。

また、Androidに関しては、韓国マーケットも無視できない。企業に属している方であれば、恐らく周りを見渡せば韓国語ができるデベロッパーも居ることだろう。あとはインターネット上の翻訳機を通して、ネイティブの方に見てもらえれば、無鉄砲かもしれないが、じつはそこそこ言語対応が出来てしまう事実。神田氏はしみじみと「日本で生まれたデベロッパーの方は幸せなんです」と語った。

しかし、本当に3ヵ国だけでいいのかという疑念を持つ方のために、同氏はアジア地域を中心に各国の人口とスマートフォン普及率の数値を提示してくれた。

 

■ 東アジア

・韓国(人口:4900万人/普及率:68%)

・中国(人口:13億人/普及率:66%)

・台湾(人口:2300万人/普及率:51%)

・シンガポール(人口:500万人/普及率:72%)

・香港(人口:700万人/普及率:63%)

■ 東南アジア

・タイ(人口:6900万人/普及率:50%)

・マレーシア(人口:2900万人/普及率:28%)

・インドネシア(人口:2億4000万人/普及率:19%)

・フィリピン(人口:9400万人/普及率:25%)

・ベトナム(人口:8900万人/普及率:30%)

■ その他、オセアニア

・インド(人口:12億4000万人/普及率:10%)

・オーストラリア(人口:2300万人/普及率:52%)

・ニュージーランド(人口:440万人/普及率:44%)

 

やはり目につくのは東アジア地域。なかでもシンガポールは高い普及率を誇る。しかし、「オーストラリアとニュージーランドも見逃せません」と続けた神田氏。一見、羊のほうが多そうな地域かと思うが、じつは対応言語が英語のうえに、なおかつ所得も高いため、アプローチをかける国のひとつに数えられるようだ。

また、面白いことにそのまま日本語のアプリを、アジア地域のアプリストアで配信しても意外とダウンロード数が稼げるとのこと。「言語が分からなくともグラフィックなどの好みが、日本人と似ているのかもしれないですね」と神田氏は分析した。

さて、アプリを日本でリリースした後は、次に攻めるはアメリカのマーケットである。ここでアメリカ市場で展開する前に知っておきたい、米国のスマートフォンを持つユーザーデータを提示してくれた。“スマホ先進国”と言われている同国ということもあり、頭打ちの状態だと危惧されそうだが、じつは2016年に約2億人までに到達すると言われている。

さらにアメリカでは、PCタブレットの展開も重要視しなければならない。米国のタブレットユーザー数は2016年には1億5000万人までに及び、現状アメリカのPCタブレット上のアプリ売上は、韓国のアプリ全体の売上以上となっている。ことアメリカ市場を考えたとき、PCタブレット向けの対応は必須であることが分かる。

そして、これまでパソコンやテレビ、その他メディアに使われていた広告費が、次々とモバイルの広告費に流入されている事実。2013年度の米国市場のモバイル広告予算は4200億円強と言われているが、これが2014年度になると6300億円に達する見通しになるようだ。

神田氏が提示してくれた各種数値とデータ。これらで紐解いていくモバイル市場の未来は、想像以上に大きな舵取りが必要とされる。しかし、明確な航路はすでに同氏がかねてから伝えているように「モバイル広告を使って、マネタイズをしない手はない!」…という一点に限ることだ。

 

勝ち馬は「Free to Play」のゲーム!

それでは、具体的にどのようにして利益に繋げればいいのか。同氏は、第一にアプリの料金形態にて「Free to Play」(基本無料・アイテム課金制)が絶対的な収益方法であると告げた。やはり大多数が手にしているデバイス上で、アプリに対して数百円ものお金を払ってもらう価値を見出すのは、なかなか難しいものがあるようだ。

仮に「Free to Play」を採用したとは言えど、仮想通貨(課金)でアイテムを購入してもらうための導線を確保しておくことも重要であると続けた。「基本無料のアプリで課金をするユーザーは、全体のせいぜい2~4%程度のため、絶妙なゲームバランスを構築しなければならない」と神田氏。難しすぎたらリタイアしてしまい、簡単すぎたら課金は行われず利益に繋がらないものだ……。

そこで「Tapjoy」などのリワード広告を取り込んでいるアプリでは、多少難しくゲームを作るのも手であろうと同氏は語る。行き詰まった際には、当然課金を行い追加アイテムを購入する機会が増える。対して課金したくない人は、広告アクションを行うことで無料で追加アイテム・仮想通貨がもらえるのだ。

大切なのは、お金を払いたくない人に課金アイテムを使う機会を与えてあげることだろう。実際にアイテムを使用することで、強い敵も容易に倒せることに気づくと、次第にお金を払うことに対しての嫌悪感も薄れていくものだ。

 

▲APP『にゃんこ大戦争』を例にした「Tapjoy」の広告の流れ。みなさん無料でネコカン(仮想通貨)が欲しいため「ゲットする」タップ後、右画像による広告を通して各企業のアプリで会員登録などのアクションを行っていく。

 

 

ダウンロード数を伸ばす秘訣はコレだ!

これまでモバイル市場の詳細なデータをはじめ、マネタイズに関する流れなど、様々な助言を施していただいたが、どれほど収益を上げるための前準備を整えていようが「まずは開発者自助努力が必要」と神田氏。ゲームが面白くなければ、どこにも繋がらないものである。

ここからは、多種多様なアプリを見てきた神田氏が分析する、「ユーザーに継続して遊んでもらうための道のり」をお伝えしていこう。

先に結論から話すと、目標としてはチュートリアル完了率が70%以上に達していれば、このアプリはほぼ間違いなくヒットすると同氏は語る。

そもそも内容が充実した「Free to Play」のアプリには、ゲームを理解してもらうためにチュートリアルが用意されている。ちなみにゲームを起動してからわずか30秒以内でチュートリアルに到達していないと、アプリを閉じてしまうので注意が必要とのこと。また、親切過ぎるチュートリアルは、時間がかかりすぎてユーザーを疲弊させてしまう原因にも繋がるため、5分以内に終了するのが望ましいようだ。

そのほか、ダウンロードファイルサイズの最適化(50MBs)や明確なアプリの使い方・遊び方の説明など細かいところではあるが、じつは緻密に繋がっており、どこかでユーザーがドロップアウトしてしまう原因を作ってしまうとのこと。

また、スマートフォンやPCタブレットでゲーム(アプリ)を開発する利点は、コンソールと異なり流通を自身で行えることにある。物流会社などを介さずに、年会費を払えばオンラインストアでアプリが公開できるのだが「公開して終わりではありません。とくにエンジニアの方々は、どうしてもマーケティングの部分を軽視しがち」だと語った。

アプリを公開したがダウンロード数が伸びない……。じつは、これが最後の難解のようだ。では、結論を急いで恐縮なのだが、一番効果のあるマーケティングとは、いったいどのようなものなのか。

 

アプリストアに選ばれる条件に迫る

「自分たちの仕事を否定してしまうのですが<アプリストアのおすすめ>に取り上げられることです」と語る神田氏。ハードルは高いが、急速に伸び上がる方法において、これ以上のものはないだろう。さて、疑問を投げかけてばかりだが、“どうすれば”、そこに、採用してもらえるのか……だ。

これが今日(こんにち)におけるデベロッパーのみなさんの最大の悩みであり疑問であるようだ。「じつは、ある一定の要素がゲームに盛り込んであると、ピックアップされやすいというのは経験則的にあります」と神田氏は語る。それが下記の要素にあたる。

■ アプリストアのおすすめに選ばれやすいゲーム要素

・IPの認知度

・過去のヒット作の実績

・配信国数や対応言語数

・対応端末(OSバージョン)

・端末機能の対応Device Tech Supported

(Retinaディスプレイ、ジャイロスコープなど)

・アプリの説明内容や特徴が明確に説明できているか

・ユーザーレビュー/レーティング

・Google Playにおけるアプリ紹介ビデオの有無

 

IPの認知度や実績などは、個人開発者にとっては難しい要素とはなるが、「端末機能の対応Device Tech Supported」はデバイスやOS機能のアピールにもなるため、ストア側からの視点としてはフックしやすい内容のひとつなのであろう。

そのほかのマーケティングとしては、オンライン広告を出すことにある。ソーシャルメディアやアドネットワーク、レビューサイトなどそれぞれ「帯に短したすきに長し」といった具合。そこで注目されるのが、ゲームアプリを遊ぶユーザーをターゲットした本テーマにも据えている「リワード広告」だ。

“チュートリアルを遊ぶと該当アプリの仮想通貨がもらえる”など、多種多様なきっかけ作りがあるものの、なかでも今アメリカにおいて急激な成長を遂げているリワード広告が「“20~30秒ほど”のゲームのプロモーションビデオを閲覧するだけで仮想通貨がもらえる」形態である。

「デパ地下の試食コーナーと同じです。とりあえず、ちょっとだけ食べさせる。気に入れば買いますよね」とユニークかつ明確なたとえでビデオ広告について言葉を添えた神田氏。ここで今回「Tapjoy」のなかで実際に大きなユーザー数の獲得に結びついた、ビデオ広告の例を紹介してくれた。それが下記の作品である。

 

■ 『Trial Xtreme 3』ビデオ広告

 


 

 

ゲーム内のプレイ映像を編集するだけということもあり、個人開発者でも問題なく用意できる内容だ。シンプルかつ短い内容ではあるが、短時間で明確なゲームの魅力が伝わることには間違いない。実際にビデオを閲覧した後、そのままアプリをダウンロードするユーザーが後を絶たない実績を耳にすると、思わず納得してしまうものだ。

こうしてアプリ開発における利便性の高い充実した講演は幕を閉じた。最後に神田氏は「“Tapjoy”は無料のサービスです。アカウント登録していただければ、誰でもいつでも使えるサービスのため、気軽にお使いいただければと思います」という言葉で講演を締めた。

それでも「いやぁ……とても全部は話尽くせません(笑)」とまだまだ成功法に結びつく多種多様なアクションを、受講者に伝えたそうな名残惜しい雰囲気が印象的であった。

 

■ 関連サイト

「Tapjoy」日本公式サイト

 

 

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