ベクター<2656>は、先に実施した2011年3月期の業績予想を下方修正したが、決算説明会資料の中で、大きく2つに分けて分析を行っている。
■利益が伸び悩んだ理由
まず、売上の増加に対して、利益が増加していない理由として、決済手数料率の高いモバイルオンラインゲームの売り上げ構成比率が上がったことが最も大きかったとしている。ベクターの規模だと、自社運営のオンラインゲームの決済手数料は売上の数%程度、高い決済手段でもせいぜい10%程度と思われる。ソーシャルゲームでは、プラットフォーム手数料込みで30%程度が多い。
また副次的な要因として、新規タイトルの投入に伴い、減価償却費や広告宣伝費が増加したことをがあげている。事業計画をつくる段階である程度見込んでいたと思われるが、有形固定資産の減価償却費は前年の2300万円から6200万円に、無形固定資産が8000万円から2億3400万円に増加した。
■下期に売上が失速した理由
次に、第4四半期に入って売上が失速した要因については、モバイルオンラインゲームの売上が大幅に減少したことや、ダウンロード型オンラインゲームの売上が計画ほど伸びなかったことをあげている。下方修正のリリースで明らかにしたように、東日本大震災によって、プロモーション活動が思うように行えなかったことが響いたようだ。
■2012年3月期の計画
2012年3月期の計画については検討中で、検討が終わり次第、開示されるとのこと。オープンβテスト中のオンラインRPG『Finding Neverland Online -聖境伝説-』の会員登録数が10万人を突破し、さらに同時接続者数も1万5000人を突破するなど、好調なスタートを切った。再度の飛躍が期待される。