Algomatic、『AlgoGames 翻訳』で翻訳メモリAPI統合機能を提供開始…翻訳資産をAI翻訳の品質基盤として活用へ

Algomaticは、AIとプロ翻訳家の協働による新世代の翻訳サービス『AlgoGames 翻訳』において、ゲーム翻訳AIエンジンと翻訳メモリのアーキテクチャ統合を実現する翻訳メモリAPI統合機能の提供を開始した。

 

■機能詳細:あいまい一致を文脈で再構築

本機能の中核は、あいまい一致(Fuzzy Match)に対するLLMの文脈理解を活用した翻訳生成にある。従来、あいまい一致の処理は差分箇所の機械的な置換が中心で、最終的な品質担保は翻訳者による目視確認を前提としており、一致率は補助的な指標に留まっていた。

新機能では、LLMが翻訳メモリから取得したあいまい一致を「参照訳」として読み込み、文構造、トーン、用語選択といった既存訳の判断を保持しながら、差分のみを文脈に基づいて再構築する。これにより、例えば80%一致のセグメントであっても、人間の翻訳者が既存訳をベースに必要箇所だけを調整するプロセスをLLMが再現できる。単なる差分置換ではなく、過去訳の意図を踏まえた生成を行うことで、シリーズ作品や追加コンテンツにおいても過去作との表現統一を維持しながら自然な翻訳を実現する。

 

 

■『memoQ』連携とその他の特長

アーキテクチャとして、業界標準の翻訳支援ツールである『memoQ』のサーバー上にある翻訳メモリをAPI経由で直接参照する設計を採用している。これにより、翻訳メモリを外部データとして変換・取り込むことなく、既存の管理環境と整合性を保ったままリアルタイムに活用できる構造とした。エクスポートされたTMXファイルにも対応する。

その他の特長として、翻訳メモリ上の完全一致(100% Match)セグメントは自動的に流用して翻訳対象から除外する機能や、一括処理の最適化により数万セグメント規模を超える大規模プロジェクトへの対応を挙げている。また、顧客の翻訳メモリおよび翻訳データをLLMの学習に用いない非学習ポリシーを設けている。

本機能の導入にあたっては、新たなシステム構築やデータ移行は不要で、既存の翻訳メモリを共有することで利用開始できる。

 

■新機能開発の背景と課題

ゲームローカライズの現場では、長年にわたり翻訳メモリ(TM)が表現の一貫性と品質を支える基盤として機能してきた。TMは過去の翻訳データをセグメント単位で蓄積・検索し、完全一致や一定の一致率に基づいて再利用することで、シリーズ作品や継続運用タイトルにおける表現の統制を実現している。

一方、LLM(大規模言語モデル)を活用したAI翻訳は、文脈理解や自然な生成能力において高い性能を持つが、従来の運用では翻訳メモリとAI翻訳はアーキテクチャ上統合されず、独立した処理系として並列的に利用されてきた。一般的な翻訳ワークフローでは、まずTMを適用し、一致しないセグメントに対してAI翻訳を実行する構造であったため、AIは過去の翻訳資産を知識として参照せずに生成を行っていた。このアーキテクチャ上の構造的な分断が、翻訳資産と生成AIの潜在能力を十分に掛け合わせられていない要因であり、『AlgoGames 翻訳』はこれを解消するために本API統合機能を開発した、としている。

▼AlgoGames 翻訳
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