ゲーム株概況　エイチームがS高、NHNエンターテインメントとの資本業務提携を好感

12月9日の東京株式市場では全体相場の上昇で投資家の心理が前向きとなり、モバイルゲーム株は総じて上昇。とりわけ韓国のNHN Entertainment Corporation（NHNエンターテインメント）と資本業務提携を結び、合弁会社を設立すると発表した（関連記事）エイチーム<3662>株に買いが集まった。エイチームは買い気配のまま売買が成立せずに推移し、取引制限値幅の上限（ストップ高）となる前週末比500円（18.4％）高の3215円で取引を終えた。

■エイチームがストップ高、LINE関連銘柄も刺激

NHNエンターテインメントはエイチームの普通株式29万株（発行済み株式総数の3.02％）を取得し、両社は2014年1月をめどに折半出資で合弁会社を設立する。合弁会社は「LINE」や「Kakao Talk」などメッセンジャープラットフォーム向けを中心とするスマートフォンゲームを共同で企画・開発・運営することを目的とする。 今後、NHNエンターテインメントはエイチーム普通株式を持株比率5%程度まで追加取得する可能性があるという。

「LINE」や「Kakao Talk」向けゲームの配信による収益基盤の拡大や、NHNエンターテインメントによるエイチーム株の買い増しへの期待から、エイチーム株に買い注文が向かった。

なお、エイチームの時上昇を手掛かりに、アドウェイズ<2489>などLINE関連銘柄にも改めて注目が向かった。アドウェイズは21％高の2904円と今年の最高値をつけて、取引を終えた。
 

■ポールトゥウィン・ピットクルーHDが上昇、ザッパラスは下落

なお、モバイルゲーム周辺銘柄として注目したいのがポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス<3657>とザッパラス<3770>。決算内容と株価の反応が対照的だ。ネイティブゲームの複雑化でデバッグ・検証事業が増収増益と好調だったポールトゥウィン・ピットクルーHDは7％高。一方、スマートフォン向けサービスの成長で、フィーチャーフォン向けコンテンツの売上減少を補えず、大幅な減益決算となったザッパラス6％安の743円で取引を終えた。スマホ普及の波に乗れたかどうかに対する市場の目は厳しい。

■ケイブ、ミクシィはストップ高　『ハローキティのパズルチェイン』は累計50万DL突破

ケイブ<3760>、ミクシィ<2121>はストップ高で取引を終えた。ケイブの開発している『ハローキティのパズルチェイン』は累計50万ダウンロードを突破するなど、順調にユーザー層を拡大している（関連記事）。


以下、9日の主なゲーム企業の株価と騰落（単位は円）。

銘柄名	証券コード	終値	前日比	前日比率
ケイブ	3760	4,180	740	21.51%
ドリコム	3793	191,500	31,700	19.84%
エイチーム	3662	3,215	500	18.42%
アクセルマーク	3624	971	130	15.46%
ミクシィ	2121	7,560	1,000	15.24%
モブキャスト	3664	1,460	176	13.71%
エイティング	3785	2,140	209	10.82%
ｅｎｉｓｈ	3667	2,937	272	10.21%
クルーズ	2138	3,840	290	8.17%
オルトプラス	3672	5,440	390	7.72%
サイバーエージェント	4751	4,330	300	7.44%
コロプラ	3668	3,205	211	7.05%
アエリア	3758	1,390	91	7.01%
ネクソン	3659	1,030	54	5.53%
日本ファルコム	3723	1,038	43	4.32%
グリー	3632	989	40	4.21%
ＧＭＯインターネット	9449	1,317	49	3.86%
日本一ソフトウェア	3851	857	31	3.75%
バンダイナムコＨＤ	7832	2,072	73	3.65%
カプコン	9697	1,958	52	2.73%
コナミ	9766	2,579	66	2.63%
ディー・エヌ・エー	2432	2,116	53	2.57%
スクウェア・エニックスＨＤ	9684	1,798	32	1.81%
ＫＬａｂ	3656	739	10	1.37%
任天堂	7974	12,770	140	1.11%
ガンホ	3765	76,200	700	0.93%
コーエーテクモＨＤ	3635	1,255	5	0.40%
マーベラスＡＱＬ	7844	782	-1	-0.13%
セガサミーＨＤ	6460	2,757	-7	-0.25%
ボルテージ	3639	1,327	-22	-1.63%