アメリカの大手ゲーム会社ジンガ(Zynga Inc、以下Zynga)<NASDAQ:ZNGA>は、アメリカ現地時間1月30日(日本時間1月31日)、イギリスとアメリカに拠点を持つソーシャルゲーム開発会社のNaturalMotion社を買収した、と発表した。買収価格は、Nasdaqによれば、5億2700万ドル(約541億6000万円)以上とのこと。これに伴い、Zynga社は、従業員の15%を削減する、としている。
NaturalMotion社は、『Candy Crush Saga』のKingと同じイギリス生まれ
NaturalMotion社は、2001年2月に、オックスフォード大学出身者によって設立。現在、イギリスに3拠点(オックスフォード、ロンドン、ブライトン)、アメリカに1拠点(サンフランシスコ)の計4か所に拠点をもっており、同社の従業員数は約260人。
NaturalMotion社第1作はアメフトゲーム『Backbreaker Football』
NaturalMotion社は、2009年、同社としては初めてのゲーム『Backbreaker Football』をiOS向けにリリース。同社第1作の『Backbreaker Football』は、アメリカンフットボールを題材としたゲームで、2011年には500万ダウンロードを突破した。
大人気カーレースゲーム『CSR Racing』を開発
また、NaturalMotion社は、全世界で大人気のカーレースゲーム『CSR Racing』も開発している。
『CSR Racing』とは、ドラッグレースを題材にしたゲームアプリで、日産やBMW、フォード、シボレーなどの実在の自動車が登場する。タイヤやエンジン、ターボなど自分の車をアップグレードしながら、街の中で行われているドラッグレースに出場して勝利を重ねて最強のドラッグレーサーを目指す内容で、有料で良い車などが購入できる。
『CSR Racing』は、2012年6月にiOS版をリリースし、翌年2013年4月にAndroid版をリリース以降、ランキング上位の常連アプリとして一躍注目を浴びた。
全世界で大ヒットの『Clumsy Ninja』もリリース
さらに、NaturalMotion社は、全世界で大ヒットの癒し系育成ゲーム『Clumsy Ninja』も開発。
『Clumsy Ninja』とは、失踪した友人「キラ」を探すために修行に取り組む主人公を育成するゲームアプリだ。忍者を持ち上げたり、手足を引っ張ったり、くすぐったり、トランポリンやサンドバッグなどでトレーニングしたりしながら、様々な忍術を覚えさせて、一人前の忍者に鍛え上げていく内容となっている。アニメーション合成エンジン「euphoria」が使われている。
『Clumsy Ninja』は、2013年11月にiOS版をリリース。リリース後1週間で1000万ダウンロードを突破した。
Zynga社はモバイル市場での成長加速化へ
Zynga社は、今回のNaturalMotion社の買収により、ランキング1位をとるような主力タイトルの開発を促進させ、モバイルゲーム市場での成長を加速化させたい、としている。
また、Zynga社がアメリカ現地時間1月30日(日本時間1月31日)に発表した2013年度第4四半期の決算によると、売上高が1億7640万ドル(約181億1800万円)、最終損益は2520万ドル(約25億8800万円)。
同社は、2014年度第1四半期について、売上高が1億5500万ドル〜1億6500万ドル(約159億2000万円〜169億4700万円)、損益は5600万ドル〜4900万ドル(約57億5200万円〜50億3300万円)を見込んでいる。この数字には、NaturalMotion社も含まれており、NaturalMotion社の2014年度第1四半期の売上としては、7000万ドル〜8000万ドル(約71億9000万円〜82億1700万円)の売上を見込んでいる、と考えられる。
今回の買収に伴う、Zynga社とNaturalMotion社の相乗効果に関しては、下記図を参照していただきたい。
関連リンク
Zynga公式サイト
「Zynga Makes $527 Million Mobile Deal, Cuts Jobs --Update」(NASDAQ)
「Zynga Announces Fourth Quarter and 2013 Financial Results」(Zynga社発表決算資料)
NaturalMotion公式サイト
NaturalMotion(CrunchBase)
(C) Zynga
(C) NaturalMotion
会社情報
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- Zynga