モブキャストとコーエーテクモゲームスの大人の歴史SLG『モバノブ』発表会をレポート…1カ月で会員数50万人、『モバプロ』超えを目指す!
モブキャスト<3664>とコーエーテクモゲームスは、4月10日、コーエーテクモゲームス本社で両社が共同開発した、携帯合戦シミュレーションゲーム『モバノブ』の制作発表会を開催した(ゲームの概要については関連記事を参照のこと)。
まず、モブキャスト代表取締役社長の藪 考樹氏が登壇し、4年目を迎えた「mobcast」プラットフォームの最近の動きを説明した。同社では、今年3月にプラットフォームのリニューアルを行った。リニューアルでは、30代を中心とした負けず嫌いの男性をターゲットとし、「SVS(Social Victory Space)」に基づいたモバイルゲームプラットフォームに変更したという。
では、「SVS」とはなにか。これはモブキャストが独自に考案した概念で、人と人とが競い合うことを楽しむことを意味し、戦略性の高いゲームを提供するとともに、ユーザー同士が情報交換を活発に行なった楽しめるプラットフォームを目指しているとのこと。
今回提供する『モバノブ』についても、プラットフォームの刷新後、共同開発タイトル第1弾であり、SVSの要素がふんだんに盛り込まれていると語った。そして、日本有数のゲームメーカーであるコーエーテクモゲームスと組めたことに感謝しつつ、ゲームについては「想像以上の仕上がりで、非常に期待している」と自信を示した。
続いて、コーエーテクモゲームスのシブサワ・コウこと襟川陽一氏が登壇した。襟川氏は、30年にわたって『三国志』や『信長の野望』など様々なゲーム開発に携わってきたが、『モバノブ』は新しいタイトル展開であり、ワクワクしていると期待しつつ、コーエーテクモゲームスが今後、どのような形でゲーム業界で活躍していこうとしているか、ひとつの指標として案内できるのではないかと話した。
続いて、タイトル名が発表され、司会から両氏に対していくつかの質問が出された。最初にタッグを組んだ経緯については、藪氏は、「コーエーテクモゲームスと一緒に作りたいと考えており、開発・経営メンバーが期待していた。理由も何もなく一緒にやらせてもらえて感無量」と明かした。
続いて襟川氏は、2014年は『信長の野望』が31年目でもあり、新しいことをやりたいと考えていたという。そうしたなか、『モバサカ』や『モバプロ』の優れたゲームシステムとコラボレーションを行えば、面白いタイトルができるかもしれないと常々考えていたところ、藪氏からコラボの提案があったと述べた。
次に『モバノブ』に期待していることについて聞かれ、襟川氏は、「SVS」を『信長の野望』に組み込むことで、新しい面白さを作り上げていけることとし、藪氏は『信長の野望』のファンが「mobcast」の対象とするユーザーに近く、本作を通じてプラットフォームの会員の拡大につなげていきたい、と期待を示した。
最後にメッセージとして、藪氏は「ゲームは非常に戦略性が高く、ユーザー同士がコミュニケーションを取って情報交換をして楽しむ要素がふんだんに盛り込まれています。ぜひお楽しみいただければと思います。」と語った。襟川氏は「『信長の野望』は様々なジャンルで展開してきました。その展開の一つとして、アプリとして初めて『信長の野望』を出すことになります。ファンの方々にはSVSとの融合による『信長の野望』の新しい面白さを体験してもらいたいと思います。」とコメントした。
続いてコーエーテクモゲームスの藤田一己プロデューサー、そして、安土桃山資料館から借りた甲冑に身を包んだ、モブキャストの中山法夫プロデューサーが登壇し、ゲームの紹介を行った。
中山氏は、SVSを『モバサカ』や『モバプロ』などスポーツゲームに展開してきたが、今回、スポーツゲームにとらわれず、『信長の野望』とタッグを組むことで、これまでと違った大人の歴史ゲームができるのではないかと考えたという。そこで生まれたコンセプトは、「1日5分の操作で、知恵を絞って戦略性を競い合う携帯合戦シミュレーションゲーム」。
中山氏は、これについて、操作自体は1日5分だが、他の23時間55分は次の試合に向けて戦略を練るような遊び方を意味していると説明した。『信長の野望』でも、ゲームで遊んでいない時間、国づくりや編成、合戦など戦略を練る人が少なくなかったと思うが、本作でもそれを狙ったのだ。
ゲームの特徴をまとめると以下のようになる。
(1)武将が300人以上登場
『信長の野望』に登場する武将は300人を優に超えており、武将の選択に苦労したそうだ。
(2)100種類以上の陣形
『モバプロ』のオーダーカードに相当する機能で、陣の形だけでなく、騎馬や鉄砲の配置なども行うことができる。
(3)リアルタイムに武将が成長・衰退すること
これは非常にユニークな要素で、武将は10週間の中でカードが成長し、ピークアウトするようになっている。早熟・普通・晩成など様々なタイプがあり、武将の個性を考えながら編成する必要がある。他社にはないシステムだが、知恵と戦略を積み重ねていくゲーム性になっているとのこと。
では具体例を見ていこう。織田信長と真田幸村、明智光秀のケースだが、それぞれデッキコストや属性とともに、統率・攻撃・防御・知略・政治といったパラメーター、特技が設定されている。これらは一般的なゲームでも見られるものだが、右下の書かれている成長曲線が本作ならではの特徴だ。これが武将の成長・衰退を示している。
織田信長は、3週目にピークに達したら7週まで高い水準で推移し、7週目から衰退する。
真田幸村は5週にピークに達したら8週まで維持し、9週から急速に能力が落ちる設定となっている。
明智光秀は4週にピークに達したら、7週まで維持し、8週から落ち始める。
(4)1日5回、自動的に合戦
朝9時からスタートし、12時、15時、18時、21時に自動的に行われる。ユーザーは合戦に手を出すことができない。遊び方として、例えば、夜のうちに練った戦略は翌朝に設定し、昼休み中に結果を見て、陣形や編成の修正を行って、15時以降の合戦に備える、といったことができる。
(5)石高を上げて城を攻略、天下統一
カードでデッキを組んで勝ち負けを競う、一般的なカードゲームやバトルゲームでは見られない要素といえる。天下統一は、信長に天下を取らせるという『信長の野望』のコンセプトであるため、どうしても外せない要素と判断したそうだ。他のゲームにはない要素のため、調整も非常に難航したようだ。現在も調整を続けているという。
(6)ゲームのサイクル
①戦国大名の一人となって武将を登用し、ライバルと合戦を繰り広げる。
②戦績に応じて石高が獲得できる。
③その石高に応じて城を攻めることが領地を拡大する。そして天下統一を目指すことができる。
(7)運営後もイベントを行う
ユーザーを2つの勢力にわけて「天下二分の関が原」を行うほか、ユーザー同士で同盟を組んでの連合戦、地域対抗統一戦など様々な協力イベントを行う。『モバサカ』での日韓戦なども行われており、その要素が用いられている。
―――: プラットフォームは、PCブラウザ版とモバイル版のデータは連動するのか? 一人のユーザーが同じデータをデバイスを変えて遊ぶことは可能なのか?
藤田氏: データ連動はしていない。ただし、データベースが同じであるため、PC版とスマートフォン版のユーザーが対戦することはある。
―――: 会員数の目標を教えてほしい。
中山氏: 事前登録数の目標は20万人。『モバプロ』がリリース後、半年で100万人を超えたことがあるので、これを超えたい。1カ月後には50万人を目指したい。
―――: SVSの機能について教えてほしい。
藪氏: 大きく3つの要素がある。1つは、ポータル上にあるサービスで、ゲームに費やした時間やお金を何らかの形で資産として残し、他のユーザーに羨ましがられるようにするため、ゲームでの戦歴を半永久的にマイページ上に表示するようにした。「勝負資産」とよんでいる。2つ目は、ブラウザ・ネイティブを問わず、コミュニケーションが取れる「Quu(キュー)」を使って競い合ってもらえる機能。そして3つ目は、ユーザーが国境を超えた戦いが一番熱いと思い、日韓戦をはじめとした世界対戦が楽しめる要素が導入されていることだ。
―――:コーエーテクモがモブキャストと組んだ意義と、『信長の野望』のIP展開における位置づけは。
襟川氏:モブキャストのSVSというシステムと、『信長の野望』の持つ国盗りの面白さを組み合わせることで、新しい面白さを追求するというチャレンジができることだ。それに対して、ユーザーがどう受け入れられるのか楽しみ。現在も調整を続けているが、非常に手応えを感じており、さらにブラッシュアップを行っていくので楽しみにしてほしい。
『信長の野望』のIP展開については、プラットフォームやジャンル、ハードウェアなど、様々な展開を図ってきた。今回のモブキャストとのコラボレーションはそのひとつ。『信長の野望』の世界をさらに広げていき、より多くのユーザーに楽しんでもらいたい。
(C)mobcast inc./コーエーテクモゲームス All rights reserved.
まず、モブキャスト代表取締役社長の藪 考樹氏が登壇し、4年目を迎えた「mobcast」プラットフォームの最近の動きを説明した。同社では、今年3月にプラットフォームのリニューアルを行った。リニューアルでは、30代を中心とした負けず嫌いの男性をターゲットとし、「SVS(Social Victory Space)」に基づいたモバイルゲームプラットフォームに変更したという。
では、「SVS」とはなにか。これはモブキャストが独自に考案した概念で、人と人とが競い合うことを楽しむことを意味し、戦略性の高いゲームを提供するとともに、ユーザー同士が情報交換を活発に行なった楽しめるプラットフォームを目指しているとのこと。
今回提供する『モバノブ』についても、プラットフォームの刷新後、共同開発タイトル第1弾であり、SVSの要素がふんだんに盛り込まれていると語った。そして、日本有数のゲームメーカーであるコーエーテクモゲームスと組めたことに感謝しつつ、ゲームについては「想像以上の仕上がりで、非常に期待している」と自信を示した。
続いて、コーエーテクモゲームスのシブサワ・コウこと襟川陽一氏が登壇した。襟川氏は、30年にわたって『三国志』や『信長の野望』など様々なゲーム開発に携わってきたが、『モバノブ』は新しいタイトル展開であり、ワクワクしていると期待しつつ、コーエーテクモゲームスが今後、どのような形でゲーム業界で活躍していこうとしているか、ひとつの指標として案内できるのではないかと話した。
続いて、タイトル名が発表され、司会から両氏に対していくつかの質問が出された。最初にタッグを組んだ経緯については、藪氏は、「コーエーテクモゲームスと一緒に作りたいと考えており、開発・経営メンバーが期待していた。理由も何もなく一緒にやらせてもらえて感無量」と明かした。
続いて襟川氏は、2014年は『信長の野望』が31年目でもあり、新しいことをやりたいと考えていたという。そうしたなか、『モバサカ』や『モバプロ』の優れたゲームシステムとコラボレーションを行えば、面白いタイトルができるかもしれないと常々考えていたところ、藪氏からコラボの提案があったと述べた。
次に『モバノブ』に期待していることについて聞かれ、襟川氏は、「SVS」を『信長の野望』に組み込むことで、新しい面白さを作り上げていけることとし、藪氏は『信長の野望』のファンが「mobcast」の対象とするユーザーに近く、本作を通じてプラットフォームの会員の拡大につなげていきたい、と期待を示した。
最後にメッセージとして、藪氏は「ゲームは非常に戦略性が高く、ユーザー同士がコミュニケーションを取って情報交換をして楽しむ要素がふんだんに盛り込まれています。ぜひお楽しみいただければと思います。」と語った。襟川氏は「『信長の野望』は様々なジャンルで展開してきました。その展開の一つとして、アプリとして初めて『信長の野望』を出すことになります。ファンの方々にはSVSとの融合による『信長の野望』の新しい面白さを体験してもらいたいと思います。」とコメントした。
■SVSと『信長の野望』の融合で一味違う大人のシミュレーションゲームに
続いてコーエーテクモゲームスの藤田一己プロデューサー、そして、安土桃山資料館から借りた甲冑に身を包んだ、モブキャストの中山法夫プロデューサーが登壇し、ゲームの紹介を行った。
【藤田氏と中山氏】
中山氏は、SVSを『モバサカ』や『モバプロ』などスポーツゲームに展開してきたが、今回、スポーツゲームにとらわれず、『信長の野望』とタッグを組むことで、これまでと違った大人の歴史ゲームができるのではないかと考えたという。そこで生まれたコンセプトは、「1日5分の操作で、知恵を絞って戦略性を競い合う携帯合戦シミュレーションゲーム」。
中山氏は、これについて、操作自体は1日5分だが、他の23時間55分は次の試合に向けて戦略を練るような遊び方を意味していると説明した。『信長の野望』でも、ゲームで遊んでいない時間、国づくりや編成、合戦など戦略を練る人が少なくなかったと思うが、本作でもそれを狙ったのだ。
ゲームの特徴をまとめると以下のようになる。
(1)武将が300人以上登場
『信長の野望』に登場する武将は300人を優に超えており、武将の選択に苦労したそうだ。
(2)100種類以上の陣形
『モバプロ』のオーダーカードに相当する機能で、陣の形だけでなく、騎馬や鉄砲の配置なども行うことができる。
(3)リアルタイムに武将が成長・衰退すること
これは非常にユニークな要素で、武将は10週間の中でカードが成長し、ピークアウトするようになっている。早熟・普通・晩成など様々なタイプがあり、武将の個性を考えながら編成する必要がある。他社にはないシステムだが、知恵と戦略を積み重ねていくゲーム性になっているとのこと。
では具体例を見ていこう。織田信長と真田幸村、明智光秀のケースだが、それぞれデッキコストや属性とともに、統率・攻撃・防御・知略・政治といったパラメーター、特技が設定されている。これらは一般的なゲームでも見られるものだが、右下の書かれている成長曲線が本作ならではの特徴だ。これが武将の成長・衰退を示している。
織田信長は、3週目にピークに達したら7週まで高い水準で推移し、7週目から衰退する。
真田幸村は5週にピークに達したら8週まで維持し、9週から急速に能力が落ちる設定となっている。
明智光秀は4週にピークに達したら、7週まで維持し、8週から落ち始める。
(4)1日5回、自動的に合戦
朝9時からスタートし、12時、15時、18時、21時に自動的に行われる。ユーザーは合戦に手を出すことができない。遊び方として、例えば、夜のうちに練った戦略は翌朝に設定し、昼休み中に結果を見て、陣形や編成の修正を行って、15時以降の合戦に備える、といったことができる。
(5)石高を上げて城を攻略、天下統一
カードでデッキを組んで勝ち負けを競う、一般的なカードゲームやバトルゲームでは見られない要素といえる。天下統一は、信長に天下を取らせるという『信長の野望』のコンセプトであるため、どうしても外せない要素と判断したそうだ。他のゲームにはない要素のため、調整も非常に難航したようだ。現在も調整を続けているという。
(6)ゲームのサイクル
①戦国大名の一人となって武将を登用し、ライバルと合戦を繰り広げる。
②戦績に応じて石高が獲得できる。
③その石高に応じて城を攻めることが領地を拡大する。そして天下統一を目指すことができる。
(7)運営後もイベントを行う
ユーザーを2つの勢力にわけて「天下二分の関が原」を行うほか、ユーザー同士で同盟を組んでの連合戦、地域対抗統一戦など様々な協力イベントを行う。『モバサカ』での日韓戦なども行われており、その要素が用いられている。
■最後に質疑応答
―――: プラットフォームは、PCブラウザ版とモバイル版のデータは連動するのか? 一人のユーザーが同じデータをデバイスを変えて遊ぶことは可能なのか?
藤田氏: データ連動はしていない。ただし、データベースが同じであるため、PC版とスマートフォン版のユーザーが対戦することはある。
―――: 会員数の目標を教えてほしい。
中山氏: 事前登録数の目標は20万人。『モバプロ』がリリース後、半年で100万人を超えたことがあるので、これを超えたい。1カ月後には50万人を目指したい。
―――: SVSの機能について教えてほしい。
藪氏: 大きく3つの要素がある。1つは、ポータル上にあるサービスで、ゲームに費やした時間やお金を何らかの形で資産として残し、他のユーザーに羨ましがられるようにするため、ゲームでの戦歴を半永久的にマイページ上に表示するようにした。「勝負資産」とよんでいる。2つ目は、ブラウザ・ネイティブを問わず、コミュニケーションが取れる「Quu(キュー)」を使って競い合ってもらえる機能。そして3つ目は、ユーザーが国境を超えた戦いが一番熱いと思い、日韓戦をはじめとした世界対戦が楽しめる要素が導入されていることだ。
―――:コーエーテクモがモブキャストと組んだ意義と、『信長の野望』のIP展開における位置づけは。
襟川氏:モブキャストのSVSというシステムと、『信長の野望』の持つ国盗りの面白さを組み合わせることで、新しい面白さを追求するというチャレンジができることだ。それに対して、ユーザーがどう受け入れられるのか楽しみ。現在も調整を続けているが、非常に手応えを感じており、さらにブラッシュアップを行っていくので楽しみにしてほしい。
『信長の野望』のIP展開については、プラットフォームやジャンル、ハードウェアなど、様々な展開を図ってきた。今回のモブキャストとのコラボレーションはそのひとつ。『信長の野望』の世界をさらに広げていき、より多くのユーザーに楽しんでもらいたい。
(C)mobcast inc./コーエーテクモゲームス All rights reserved.
会社情報
- 会社名
- 株式会社モブキャストホールディングス
- 設立
- 2004年3月
- 代表者
- 代表取締役CEO 藪 考樹
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高33億7100万円、営業損益4億2800万円の赤字、経常損益4億3600万円の赤字、最終損益3億8000万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3664
会社情報
- 会社名
- 株式会社コーエーテクモゲームス
- 設立
- 1978年7月
- 代表者
- 代表取締役会長(CEO) 襟川 陽一/代表取締役社長(COO) 鯉沼 久史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高681億700万円、経常利益341億6600万円、最終利益268億5200万円(2023年3月期)
- 上場区分
- 非上場