IDC Japanは、3月30日、国内タブレット端末の2014年第4四半期(10~12月)、および2014年通年の出荷台数を発表した。
2014年第4四半期のタブレット端末の出荷台数は、前年同期比9.8%増の245万台となった。このプラス成長の主要因としては、個人市場では、アップル社の「iPadシリーズ」の出荷が好調であったこと、法人市場においては、教育市場向けを中心としてアンドロイドOS搭載、およびWindows OS搭載の需要が拡大し、それに伴い出荷台数が増加したことが挙げられる。
同四半期におけるベンダー別出荷台数シェアは、4G回線付き「iPadシリーズ」を中心として出荷台数を伸ばしているアップルが44.9%となり、第1位の座を堅守した。アップル同様、NTTドコモ向けを中心にLTE搭載タブレットの出荷台数を伸ばした富士通はシェア8.3%で第2位に、Windows OS搭載タブレットの出荷台数を増やした台湾エイスースがシェア5.9%で第3位となった。以下、NECレノボグループが第4位、ソニーが第5位となっている。
一方、2014年通年の国内タブレット端末の出荷台数は、前年比8.0%増の804万台となった。個人市場向け出荷台数は、アンドロイドOS搭載を中心としたタブレット端末の販売不振から減少傾向が続いたことで、前年比4.2%減の569万台となりました。その一方で、法人市場は教育市場向けを中心とした需要が拡大したことで出荷台数が増加し、前年比56.7%増の235万台となっている。
ベンダー別では、2014年第2四半期(4~6月)からNTTドコモ向けに「iPadシリーズ」の供給を開始し、その後も年間を通して安定した出荷を続けたアップルが、シェア44.3%で首位となっている。また、アンドロイドOS搭載を中心とした戦略から、Windows OS搭載の投入を並行させる製品戦略へと舵を切ったエイスースがシェア10.3%で第2位となった。以下順位は、富士通がシェア8.0%で第3位、ソニーがシェア6.5%で第4位に続いた。
今後の見通しに関して、IDC Japanのシニアマーケットアナリストである木村融人氏は「2015年前半、法人市場においては、教育分野でタブレット需要がさらに拡大していく可能性が高い。一方、個人市場は買い替え需要に改善の兆しが見えないため、出荷台数がさらに減少すると考えられる」と述べている。
なお、今回の発表について、IDCが発行した「Worldwide Quarterly Tablet Tracker」にその詳細がまとめられている。