DeNA決算説明会 任天堂との協業順調 MiitomoとMy Nintendoが戦略の要 『スーパーガンダムロワイヤル』は順調、『ONE PIECE』新作に期待


ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、11月11日、2016年3月期第2四半期累計(4~9月期)の決算を発表するとともに、東京都内にあるDeNA本社で証券アナリスト・機関投資家向けの決算説明会を開催した。発表した第2四半期累計(4~9月期)の連結決算(IFRS)は、売上収益748億円(前年同期比4.2%増)、営業利益113億円(同24.0%減)、税引前利益120億円(同24.3%減)、最終利益67億円(同26.7%減)となった。

決算説明会に臨んだ守安功社長(写真)は、市場及びゲーム業界で注目を集めた任天堂<7974>とのスマートフォンゲームをめぐる協業について、従来発表からの変更があった点を説明しつつ、「Miitomo」と「My Nintendo」のサービス内容と戦略的な狙いを説明した。「協業自体は順調に進んでおり、中長期視点で大きく成長させていきたい」とコメントし、新規事業と並んで来期以降の収益貢献に期待を示した。また一部で報じられた球場運営会社の買収については、球場と球団運営を一体で行うメリットがあると指摘しつつ、関係者と協議を進めている状況あると述べるにとどめた。


 
■第2四半期はQonQで営業益84.5%増

まず、前の四半期(4~6月期)を振り返っていこう。売上収益377億円(前四半期比[QonQ]4%増)、営業利益40億円(同13%減)と増収減益だった。主力のゲーム事業では、アプリマーケット経由のコイン消費が伸びたが、ブラウザゲームのコイン消費の減少を補うことができなかった。ただ、プロ野球シーズンが開幕し、横浜DeNAベイスターズの収益が寄与し、全体としてはQonQではプラスとなった。

第2四半期(7~9月期)をみると、売上収益371億円(前四半期比1.4%減)、営業利益74億円(同84.5%増)と減収となったものの、営業利益を大きく伸ばした。2015年7月1日付でBtoB向けマーケットプレイス事業をオークファンに譲渡したことに加え、DeNA WESTでの体制変更やポートフォリオの見直しに伴う費用が計上されなかったことが主な要因だった。
 

セグメント別にみると、まず、主力のゲーム事業では、国内アプリマーケット経由のコイン消費が順調に推移し、過去最高の160億円を記録し、海外での落ち込みを補った。また国内のコイン消費をフォーカスすると、内製のゲームが順調に推移したほか、Cygamesの『グランブルーファンタジー』がブラウザ・アプリ双方でのコイン消費が好調に推移した。この結果、コイン消費は、前四半期比で31億円の増加となった。
 

EC関連については、BtoB向けマーケットプレイス事業(四半期売上高2億円)を売却したことにより、売上収益が減少した。オンライン航空券の競争力が高まっており、トラベルの取り扱いが増えているとのこと。前年同比23%の増加となった。
 

費用については、人件費や減価償却費がそれぞれQonQで15%、10%の減少となった一方、販促費・広告費を22%増の31億円増やしたこともあり、総額としては変わらなかった。前述のDeNA WESTのリストラ費用がこの四半期は計上されなかったこと、「DeNA BtoB market」事業を譲渡したことで「その他・費用」が前四半期28億円のマイナスから6億円のプラスに転じた。
 


 
■ゲーム事業の戦略…『スーパーガンダムロワイヤル』が好調

続いて今後の戦略を説明した。同社が今後の成長イメージとして示したのが、下のグラフだ。国内既存(ゲーム・EC)事業の安定した推移の上に、赤字の海外ゲーム事業の収支改善、任天堂との協業などによる上乗せ、そして、新事業育成による新たな柱の創出で利益を2016年度・2017年度に上乗せしていくというビジョンになっている。
 

国内ゲーム事業は、ヒット率の高いIPを活用したタイトルを中心にしたタイトルを展開しつつ、オリジナルタイトルも適宜出していく考えだ。『ファイナルファンタジーレコードキーパー』についてはリリースから1年たっても高いパフォーマンスを継続しているという。また、バンダイナムコエンターテイメントとの協業タイトル『スーパーガンダムロワイヤル』も順調に立ち上がり、主力アプリになりつつあるという。また『ONE PIECE サウザンドストーム』も2016年の早いタイミングで出す予定。「かなり大型タイトルになると期待している」。
 


会場からはリリース計画について質問が出た。執行役員 経営企画本部長の小林賢治氏は、「年間10本をリリースする予定だが、その半分がIPタイトルとなる。ただし、タイトルが4分割ペースで出る訳ではない。リリースしないと判断するケースもあるので、最終的には若干差が出るかもしれない」と回答した。

海外のゲーム事業については、欧米は赤字幅は4億円に下げて、新規タイトルをトライしヒットを狙う状況にあるという。また、前回の決算説明会で意欲的に展開するとした中国展開だが、前期の第4四半期にヒットが出て、これから期待できるとのことでタイトルを増やしたが、期待を下回ったとのこと。ただ、下期は大型タイトルを複数仕込んでおり、売上を維持・拡大を狙う。
 
 
▲このほか、新規事業。「MERY」のMAU(月次アクティブユーザー数)は2000万人を突破し、収益化に近いタイミングに来ているという。個人間のカーシェア「エディカ」やロボットタクシーは実証実験など各種取り組みが進んでいるとのこと。


 
■任天堂との協業…「Miitomo」と「My Nintendo」の展開

続いて、任天堂との協業について時間を割いて説明した。今回の協業は大きく2つに分かれており、ひとつめは任天堂IPを利用したゲームアプリを共同開発・運営、ふたつめはするもので、任天堂の新メンバーズサービスの共同開発となる。戦略としては、「Miitomo」と「My Nintendo」が重要な位置づけになると考えているそうだ。

戦略的な役割については、「My Nintendo」は、デバイスを超えたニンテンドー体験の橋わたしになる、任天堂の今後戦略の中枢を担うサービスとなる。ここでの課題は、アクティブな利用者を増やすことだが、これを実現するため、ユーザー一人一人に「Mii」をつくってもらい、フレンド関係を構築してもらうことが重要と指摘した。これを促進するアプリとして「Miitomo」がある。

また、「Miitomo」については、すでに世界ですでにMiiが2億体作られるなど、世界中から受け入れられている。コミュニケーション主体なので万人受けすると期待しているという。コミュニケーション性の強いサービスは、24時間いつでもアクセスできる、そして、デバイスの普及から多くの友達につながれるるため、スマートデバイスの真価を発揮するサービスという。「Miitomo」が拡大すると、「My Nintendo」の会員基盤が拡大し、新規タイトルを投入すると大きな集客効果が発生すると見込んでいる。

なお、「Miitomo」については、一部でTwitterやLINEなどのコミュニケーションアプリの一種との報道もあったが、守安氏はこうした見方を否定した。「あくまでも遊びとしてのコミュニケーション要素を楽しむものであり、エンターテイメント性の強いサービスとなる。ツールとしてのコミュニケーションサービスとは一線を画するものだ」とコメントした。守安氏自身もテスト版に触ったが、「任天堂さんらしい手触りになっている」と感じたという。収益についてはレベニューシェアとなる予定だが、3月リリースとなるため、2016年3月期の業績への寄与は限定的となる。フレンドの構築に関してMobageでのノウハウを活かしていく考えだ。
 

今後の見通しについては、年内に投入するとアナウンスしていたが、年度内(2016年3月)に再設定した。その後、その次の期には5本を提供する。また、IPは設けず選択することはこれまでのアナウンスから変更はない。収益化の考え方については、「Miitomo」はF2Pタイトルとなる。まず、洋服アバターの販売から開始し、リリース後に様々なサービスやマネタイズポイントを作っていく予定だ。その他は、ゲーム性主体でマネタイズ手法を考えていく。

また、両社の役割分担については以前から変更はないとのこと。フロントエンドは任天堂が担当し、バックエンドの開発と分析はDeNAが担当することになる。密に連携しながら開発していき、ローンチ後も共同で行う。バックエンドの役割(運営・分析など)が増えるが、フロントエンドもアップデートなども行うので、運営開始後も両社一体となって展開していく行っていくという。
 


 
■第3四半期は減収減益となる見通し

第3四半期累計(10~12月期)の連結は、売上収益333億円(前四半期比10%減)、営業利益30億円(同59%減)と減収減益となる見通し。季節性の大きいスポーツ事業の影響が出てくることに加え、第2四半期に売却した「DeNA BtoB market」の利益が計上されなくなるため、と説明している。一時的な要因や季節要因を除くと微減となる見通し。
 
 
(編集部 木村英彦)
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
https://dena.com/jp/

会社情報

会社名
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
設立
1999年3月
代表者
代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
決算期
3月
直近業績
売上収益1308億6800万円、営業利益114億6200万円、税引前利益294億1900万円、最終利益305億3200万円(2022年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2432
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