9月1日、『アナザーエデン 時空を超える猫』(以下、『アナザーエデン』)初のオフィシャルライブ「Faraway from Time」を、プロキオン・スタジオ主催・企画にて、吉祥寺 CLUB SEATAで開催した。当日は15時開始の昼の部、18時30分開始の夜の部の2公演を実施。本公演では、『アナザーエデン』の楽曲を作曲した、プロキオン・スタジオの作曲家である土屋俊輔氏、マリアム・アボンナサー氏が自らアレンジを行い、ロックやアイリッシュアレンジで新たに再現している。
▲1公演あたり約350名のファンが会場に集った。本稿では、15時より行われた昼の部の内容をレポートしていく。
演奏を担当したのは、太田光宏氏率いる個性派揃いのメンバーが集まったバンド「トキノワスレモノ」。こちらのバンドメンバーは、実際にレコーディングを行ったメンバーが中心に据えられているとのこと。
【「トキノワスレモノ」バンドメンバー紹介】
・Guitar & Bandmaster/太田光宏氏
・Guitar/佐々木直也氏(空想委員会)
・Bass/AKIRA氏
・Drums/本橋昭宏氏
・Violin/壷井彰久氏
・Tin Whistle, Low Whistle & Uilleann Pipes/野口明生
・Keyboard/マリアム・アボンナサー
初めてのオフィシャルライブに来場者からの期待感が高まる中、開幕曲に選ばれたのは本作のメインテーマでもある「Another Eden ~時空を超える猫~」。「殺されし時よ、人よ」、「闇の帳 + はじまりの朝」というようにゲームのシナリオ進行に沿う形で次々と生演奏が披露された。続く「緑の村 バルオキー」では、来場者から手拍子も巻き起こり、開始間もない序盤からあっという間に会場は楽しい雰囲気に包まれた。
▲壷井氏のヴァイオリンや野口氏のティン・ホイッスルなどが入ることで、一層『アナザーエデン』が持つケルト音楽らしい雰囲気が引き出される。複数の楽器を使いこなす野口氏からは、暗転の中、曲に合わせて楽器を変えていくのが大変だというこぼれ話も聞けた。
演奏の合間には、バンドマスターの太田氏が「よくここまで曲数を連ねてきたものだ」とコメント。これだけ多くの曲が収録されていながら、全てを生演奏で録音している点が『アナザーエデン』の楽曲にファンを増やしている要因ではないかと分析した。
▲『アナザーエデン』と言えばやはり外せないのはバトル曲。現代の通常バトルで流れる「Chaotic Recognizer」ではそれまでの落ち着いた空気をガラッと変え、演者と来場者が一体となって拳を高く突き上げるようなシーンも見られた。
また、各楽曲は冒頭でも紹介した通り本公演用のアレンジが加えられており、ここでしか聴けないパートも随所に盛り込まれていた。エレキギターとヴァイオリンのセッションや、ベースのソロパートなど、ライブならではの演出はファンにとって非常に喜ばしいポイントだ。
▲AKIRA氏のベースは、プロキオン・スタジオ代表で『クロノ・トリガー』や『ゼノギアス』などの楽曲を手掛けたことでも知られる光田康典氏から譲り受けたものとの話も。
さらに、ライブが中盤に差し掛かったところで土屋氏が登壇。加えて、『アナザーエデン』の前プロデューサーである高大輔氏がサプライズ登場した。
▲大人気ロックバンドB'zの稲葉浩志さんがライブで見せる掛け声を物真似する高氏。小粋なトークでライブを盛り上げたほか、この後に披露された「ゆかいな時間」ではタンバリンで演奏にも参加した。
▲メンバー紹介の際には、この日、誕生日を迎えたという佐々木氏をお祝いする場面も。バンドメンバーによる演奏にのせて、来場者たちから「Happy Birthday」の素敵な歌声が贈られた。
終始盛り上がりが絶えないライブもいよいよ大詰めへ。「時の闇に喰われし者~忘れじの光メドレー」を演奏し終えたバンドメンバーは一旦、舞台を後にした。1年~半年ほど前から準備されてきたという本公演も遂に幕締めかと思われたが、来場者からのアンコールに応えてメンバーが再登場。『アナザーエデン オリジナル・サウンドトラック2』より「ホライ~夢を視る郷~」(※夜の部では「闇に仇なす傍に立つ者」)を披露した。
▲メンバー全員が本公演を記念して制作されたグッズTシャツを着て再登場。
ライブの最後には、オープニング楽曲にもなったメインテーマの「Another Eden ~時空を超える猫~」を再披露。約2時間に渡るライブでアンコールを含め全26曲を演奏した。セットリストは物語の進行に合わせた構成となっており、まさに自分が体験した物語を追憶しながら聴ける内容となっていた。今回のライブが大好評だったことや、9月5日には『アナザーエデン オリジナル・サウンドトラック2』も発売されるという点から、トキノワスレモノの今後の展開にも期待したい。
▲終演後には土屋氏と高氏とも再登場し、バンドメンバーや来場者と含め全員で記念撮影を行った。
【セットリスト】
01.Another Eden ~時空を超える猫~
02.殺されし時よ、人よ
03.闇の帳 + はじまりの朝
04.緑の村 バルオキー
05.風薫る大地
06.Chaotic Recognizer
07.時の忘れ物亭
08.海をなくした貝殻
09.Ambivalent Mirage
10.Perpetual Stranger
11.這い寄る死~Hungry Structures メドレー
12.Dream Weaver
13.ゆかいな時間
14.石のまどろみ
15.なつかしい笑みに包まれて
16.Decent Destructors
17.Brilliant Streamer
18.時層回廊~Paradoxical Dreamers メドレー
19.死のきざはしにて
20.ラウラ・ドーム
21.魔獣城~ジオ・アンギラスメドレー
22.星を継ぐもの
23.楽園を解放するために
24.時の闇に喰われし者~忘れじの光メドレー
アンコール
01[昼の部].ホライ~夢を視る郷~
01[夜の部].闇に仇なす傍に立つ者
02.Another Eden ~時空を超える猫~
(取材・文 編集部:山岡広樹)
■『アナザーエデン 時空を超える猫』
(c) Wright Flyer Studios
© Procyon Studio Co.,Ltd.
会社情報
- 会社名
- 株式会社WFS
- 設立
- 2014年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 柳原 陽太