CRI、ゼロ遅延再生技術「SonicSYNC」を全世界向けに提供開始 Bluetoothイヤフォンでもリズムゲームが遊びやすく



CRI・ミドルウェア<3698>は、7月5日、同社が提供するサウンドミドルウェア「CRI ADX2(以下ADX2)」の新機能「SonicSYNC(ソニックシンク)」を全世界向けへのリリースを発表した。

「SonicSYNC」は、音声再生時の遅延を限りなくゼロにし、楽器のような軽快な操作感を実現する技術だという。まずは、音の反応が重要となるスマートフォン向けリズムゲームへの普及を行い、さらに幅広いジャンルのゲームアプリに導入いただくことで、ユーザのプレイ体験を底上げし、新たなデファクトスタンダードになることを目指すとしている。


■すべてのアプリケーションのUXを劇的に改善し、国内、グローバル市場でシェアを拡大
「SonicSYNC」は、ゲームアプリのUXを格段に向上する。スマートフォンのように液晶ディスプレイをタッチするインターフェースでは、表示されている仮想的なボタンを押したときに、操作音を再生することで、ユーザーに押されたことを通知する。通常の再生方法では、このタッチしてからの操作音までの遅延時間が長いため、物理的なボタンに比べ鈍重な操作感になっている。「SonicSYNC」を使用することで、操作音が遅延なく再生され、すべてのアプリケーションで軽快な操作感を与えることができる。

CRIが支社を置く中国のゲーム市場は2020年度で6兆円規模となっており、売上高の7割をスマートフォンゲームアプリが占めている。2021年7月現在、中国市場におけるCRIWARE採用数は累計で500ライセンス以上を提供している。

「SonicSYNC」はゲームアプリの今までの常識を覆し、劇的にUXを改善することで、グローバル、特に中国市場において、数倍のライセンスの拡大を見込む。また国内においては、年間280以上のスマートフォンゲームに提供している。この「SonicSYNC」は、すべてのタイプのゲームのUXの向上に寄与できる。この汎用的な技術により、年間500タイトル以上に採用数が増加することを見込む。


■「SonicSYNC」はゼロ遅延再生技術はトヨタのかんばん方式
「SonicSYNC」はハードウェアと同期して即座に音声信号を生成することで、ソフトウェア処理の遅延時間をゼロにすることに成功した。従来の方式では、信号生成部は音声データを倉庫に貯め、音声出力部(サウンドハードウェア)は、倉庫から音声データを取り出し再生する。この方式では、倉庫に溜まる分の音声遅延が発生する。

これに対し「SonicSYNC」は、音声出力部からの要求されると、音声信号生成部が音声データを、倉庫に格納せずに即座に生成し引き渡する。これは、「トヨタのかんばん方式」と同じ考え方で、音声データの在庫を持たなくなり、遅延時間が無くなる。



上記のゼロ遅延再生技術によって、タップしてから音声が再生されるまでの遅延時間は、タップ検出などのハードウェアに起因する遅延のみとなり、タップしてから音が鳴るまでの遅延時間を約50ミリ秒にすることができました。グランドピアノの鍵盤を押してから音が出るまでの時間は40~60ミリ秒です。「SonicSYNC」は、スマートフォンのレスポンスを、グランドピアノと同等レベルまで短縮する。



「SonicSYNC」は、タイトーが配信するスマートフォン向け音楽ゲームアプリ『ディズニー ミュージックパレード』(以下、ミューパレ)で既に採用になっており、「SonicSYNC」による新たなプレイ体験はミューパレでいち早く体感できる。

リズムゲームのほか、アクションゲーム、パズルゲーム、FPS(ファースト・パーソン・シューティング)など、操作に合わせて音が鳴るあらゆるゲームにおいて、ユーザーの没入感をより高めるとともに、軽快な操作感覚が得られ、新たな演出の可能性を広げることができる。

また、今までプレイが困難とされていたBluetoothイヤフォン使用時でもリズムゲームが遊びやすくなり、普及が進むBluetoothイヤホンでのユーザー数の拡大にも貢献する。

※©Disney. Disney/Pixar. Published by TAITO

■「SonicSYNC」を搭載した最新SDKを法人向けに公開
本日公開した「SonicSYNC」搭載のサウンドミドルウェア「CRI ADX2」の最新版は、ネイティブ、Unity、Unreal Engine 4開発向けのiOS/Android版パッケージが対象です。
また、従来のADX2をご利用の方はライブラリを最新のものに差し替えるとデフォルトでSonicSYNCが有効になる。コード修正無しでSonicSYNCを利用できるので、気軽に試そう。

最新版ADX2のダウンロードは、テクニカルサポートサイトより法人アカウントでログインしよう。法人アカウントを持っていない場合、Webフォームより問い合わせができる。

無償版の「CRI ADX2 LE」については、後日アップデートで「SonicSYNC」を実装する。


 
株式会社CRI・ミドルウェア
http://www.cri-mw.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社CRI・ミドルウェア
設立
2001年8月
代表者
代表取締役会長 鈴木 正彦/代表取締役社長 押見 正雄
決算期
9月
直近業績
売上高28億4000万円、営業利益9700万円、経常利益1億3800万円、最終損益3億3900万円の赤字(2022年9月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3698
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