Wright Flyer StudiosとKeyは、ドラマチックRPG『ヘブンバーンズレッド』のクローズドβテスト(CBT)を11月4日より開始している。
本作は、『AIR』『CLANNAD』『リトルバスターズ!』以来、15年ぶりにKey・麻枝准氏が手がける完全新作ゲーム。キャラクターデザインを担当するのは人気クリエイターのゆーげん氏、さらにNa-Ga氏、ふむゆん氏、まろやか氏といったKeyブランドに欠かせない面々がキャラクター原案を担当。主題歌・劇中歌は、やなぎなぎさんが担当している。
本稿では、そんな『ヘブンバーンズレッド』のCBTにて判明した本作の世界観やゲームシステム、実際にプレイしてみた所感をレビューとしてお届けしていく。
■人類を守る少女たちのシリアスでゆる~い(?)物語
舞台となるのは、謎の生命体「キャンサー」に襲われ、滅亡の危機に瀕した地球。唯一、キャンサーに対抗できる兵器として開発された「セラフ」を扱う部隊に、主人公の茅森月歌が入隊するところから物語は始まっていく。
▲セラフを操れる少女たちは、何かしらの才能を持っているといわれている。
▲軍隊とは呼ばれているものの、基地内は学園都市のような雰囲気となっている。
ゲームの主軸となる「メインストーリー」は、フィールドの探索とキャラとの会話、バトルパートで構成されている。
▲会話の途中には選択肢が出現することも。世界に滅亡が迫っているとは思えないほどゆるい答えも。
▲セラフ部隊の敵となるキャンサー。外宇宙から飛来し、地球上で繁殖を繰り返している、と推定されている。
バトルはコマンド選択式のターン制で、敵を全滅させることで勝利となる。各キャラは1段階目のゲージ(DP)を削り切ることでBREAK状態となり、1ターンダウンする。DPを0にした後はHPを削ることが可能で、攻撃を重ねるほど与えられるダメージが増加していく。ただし、敵のDPは時間経過で回復するため、DPを削り切った後は一気に攻撃を畳みかけたい。
▲味方は1人でもHPを削り切られてしまうとゲームオーバーとなってしまうため注意。DPは0にならない限りスキルなどで回復可能となっているので、常に管理ながら戦いたい。
パーティは6人1組となっており、攻撃を行う前衛3人、控えとなる後衛3人を毎ターン自由に入れ替えながら戦うこととなる。
また、各キャラはターンの始めにSPを2獲得することができ、これを消費してスキルを発動することができる。スキルには、HPにダメージを与える際に効果が高くなるものや、DPの回復、敵の注意を引き付けられるものなど、さまざまな種類が用意されている。
そのほか、HIT数に応じて画面右上のOVERDRIVEゲージが溜まっていき、これを発動することで攻撃力とSPが一気に高まり、ボーナスターンを得ることができる。OVERDRIVEゲージは3段階まで溜めることが可能で、溜めたゲージのターン数だけ味方が一方的に攻撃をすることができる。敵のDPを削り切ったときなど、優勢な状況で使用すれば勝利をより盤石なものにできるだろう。
続いては部隊の編制について紹介していく。6人1組となっているのは先に紹介した通りで、その中でも最も重要なのはそのキャラの役割を決める「スタイル」の選択だ。
敵のDPにダメージを与えることが得意な「BREAKER」、敵のHPにダメージを与えるのが得意な「ATTACKER」、味方を支援するのが得意な「BUFFER」、BREAK後にダメージ%を大幅に上昇させられる「BLASTER」、敵の行動を止めるなどの弱体効果を与えるのが得意な「DEBUFFER」、味方を回復するのが得意な「HEALER」、敵の攻撃を引き付ける役割の「DEFENDER」の7種類。これらのスタイルを部隊にバランス良く編成し、状況によって攻撃するキャラや順序を工夫していくことがバトルのポイントとなる。
▲また、各キャラにはそれぞれ「斬」「打」「突」の属性があり、敵の耐性によってダメージが通りやすくなったり通りにくくなったりする。
▲なお、キャラのスタイルはガチャで入手することができる。既に所持しているスタイルを再度入手した際には、キャラの最大レベルを引き上げるために必要な「ピース」を手に入れることができる。
さらに、部隊を強化していく方法として、バトル終了時の経験値入手や経験値アイテムを使用するなどしてレベルを上げられる。
スタイル強化でアイテムを消費すれば、パラメータを上昇させたりスキルのレベルを上げることができる。
そのほか、ショップで購入できる「ブースター」と「チップ」を装備すれば、さらにステータスを底上げすることが可能だ。装備できるチップの枚数はブースターの種類によって決まっており、性能の良いものほど多くのチップを装備することができる。
▲ブースターやチップの種類もさまざまで、近距離攻撃を行うスタイルにオススメのものや、ヒーラーにオススメのものなどがある。
また、メインストーリー進行中にはフリータイムがあり、そういった場面では仲間との交流を深めたり、アクティビティを発生させることが可能となっている。
▲クエストをクリアすることで仲間の絆レベルが上がっていく。絆レベルが上がることでさらなるスタイル強化が可能となり、部隊の戦力も上がるようになっている。
▲カフェテリアや噴水広場など、さまざまな施設を訪れることでアクティビティが発生する。訪れた場所によって「優しさ」や「器」といった「シックスセンス」が上がっていく。
そうして部隊を強化してメインストーリーを進めプロローグをクリアすると「ホーム」への移動が可能となる。ホームでは「ライフ」を消費することで各コンテンツを遊ぶことが可能。強力な装備が手に入る「時計塔」や「ダンジョン」のほか、フリータイムだけでは巡り切れなかった「交流」などを進めることもできる。
▲各コンテンツを解放するにはメインストーリーを進めるなど条件を満たす必要がある。また、ライフは毎朝4時に全回復する。
▲交流を進める条件としてシックスセンスに一定値が求められることもある。足りない場合はアクティビティを積極的に発生させよう。
▲なお、シックセンスはメインストーリー進行中に登場する選択肢でも伸ばすことができる。
「時計塔」、「ダンジョン」、「プリズムバトル」ではそれぞれ手に入るアクセサリーの種類が決まっている。
▲時計塔は、決められた条件でバトルに勝利することで先に進めるようになる。その道中ではDPを上げらる「ピアス」が手に入る。
▲ダンジョンでは敵の気配に応じて画面右下のレーダーの色が変化する。「中間ポイント」も設置されており、一度到達した地点まではショートカットもできるため無理せず少しずつ探索を進めていこう。ダンジョンの中では、攻撃に影響する「リング」や、SPなどに影響する「ネックレス」が手に入る。
▲強力なボス級キャンサーと戦える「プリズムバトル」では防御が上がる「ブレスレット」が手に入る。
ゲーム開始後はまずメインストーリーを進めていくことになるだろうが、本作のメインストーリーはかなりのボリュームが用意されており、進むほど敵も強くなっていくため、上記コンテンツに挑戦して部隊を強化する必要がある。
今回のCBTの段階で既に、物語を読み進めるだけでもたっぷりと時間をかけながら遊べる作品に仕上がっていることが分かった。今後、さらに難易度が高いコンテンツが登場することを考えると、部隊の強化も含め、コンシューマーゲームと遜色ないレベルでじっくりと腰を据えて遊べる作品に仕上がりそうだ。
序盤だけではまだ全隊員の背景や詳細も語られていないため、彼女たちがどのような事情を抱えてセラフに所属することになったのかといった経緯から、これからどのような試練が待ち受けているのかといった部分が明かされる日を楽しみに待ちたい。
(文 編集部:山岡広樹)
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