「ウルトラマン」はアジアでのロイヤリティ収入が3倍に急拡大 訴訟終了で積極的な海外展開が可能に グローバルIP企業への転換、飛躍を図るフィールズ

木村英彦 編集長
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フィールズ<2767>傘下の円谷プロダクションの業績が好調だ。フィールズは、3月22日、子会社である円谷プロの2022年3月期の業績について、営業利益12億5000万円 (前の比232.8%増)、経常利益12億2000万円(同223.4%増)、最終利益9億2000万円(同472.7%増)と大幅な増益で着地する見通しと明らかにしたのだ(売上高については非開示となっている)。

好調を支えるのは、主力IPの「ウルトラマン」シリーズだ。アジア地域において「ウルトラマン」シリーズのロイヤリティ収入が約3倍になるなど大きく伸長しているほか、北米市場で日本IPのマーチャンダイジングが好調に推移しているという。

バンダイナムコグループが四半期ごとに開示している「ウルトラマン」の国内玩具とグループ全体の売上高の推移でも顕著に見て取れる。グループ全体の売上が第3四半期(2021年10~12月)で開示以来の最高水準となり、そして、国内玩具も過去2番目の売上を記録した。

 

外部から見ていると、「ウルトラマン」は、海外での収益がここにきて急に伸びたように見えるが、グローバルビジネスに関しては事業展開の障害となっていたユーエムとの約20年にわたって行われてきた訴訟問題が2018年4月に解決したことが大きいという。

訴訟の内容については概要のみにとどめるが、ユーエムが1996年に元社長の円谷皐氏が亡くなった後、ユーエムが「ウルトラマン」のグローバルライセンスを保有すると主張し訴訟を起こした。これに対し円谷プロも反訴したが、ユーエムの根拠としていたライセンス契約書が偽造と認定され、円谷プロが勝訴し、損害賠償も認められた。

フィールズによると、「ウルトラマン」シリーズは、中国を中心とするアジアではもともと高い人気を集めているという下地はあったのだが、これ以降、バンダイナムコグループや現地パートナーとともに「種まき」を行っており、ここにきて大きな成果につながってきたそうだ。

また、映像作品も子供向けの玩具やグッズの宣伝媒体という位置づけだったが、映像作品単体で収益化できる取り組みも行っている。『ULTRAMAN』がその一つだが、庵野秀明氏が企画・脚本を手掛け、5月13日に公開する予定の『シン・ウルトラマン』についても大きな期待を寄せている。

フィールズは、ここ数年、パチンコやパチスロ関連の企業ではなく、IPの開発・保有と運用というIPホルダーへの転換を図ってきた。「円谷フィールズホールディングス」への社名変更は、その改革が新しい段階に入ったことを示す。悪化していた業績もいよいよ回復。NFTやメタバース市場の拡大でグローバルIP企業へと飛躍を図る。

 
【フィールズの業績推移(単位:百万円)】

 - 売上高 営業利益 経常利益 最終利益
2017年3月期 76,668 ▲5,374 9,068 12,483
2018年3月期 61,055 5,738 5,204 7,691
2019年3月期 50,755 5,738 5,204 7,691
2020年3月期 66,587 713 939 490
2021年3月期 38,796 2,241 2,032 3,452
2022年3月期E - 3,240 3,430 2,370

※▲は赤字を示す

円谷フィールズホールディングス株式会社
https://www.tsuburaya-fields.co.jp/

会社情報

会社名
円谷フィールズホールディングス株式会社
設立
1988年6月
代表者
代表取締役社長 グループ最高経営責任者 山本 英俊
決算期
3月
上場区分
東証プライム
証券コード
2767
企業データを見る
円谷プロダクション

会社情報

会社名
円谷プロダクション
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