ぐるなび、外食産業苦戦で22年3月期の決算は減収 固定費削減で営業損失は縮小 オフィスの見直しも



ぐるなび<2440>は、5月11日、2022年3月通期の連結業績を発表、同社のサービスの対象である外食産業は、断続的な営業時間短縮や酒類提供制限等による売上の低迷に原材料価格の高騰等も加わり、厳しい状況が続き減収した。一方で固定費削減・業務効率化等に営業損失、経常損失は縮小した。

・売上高:128億5200万円(前年同期比20.6%減)
・営業損失:47億8600万円(前の期は74億2300万円)
・経常損失:46億9200万円(前の期は72億6900万円)
・最終損失:57億6800万円(前の期は97億0400万円)




■飲食店販促サービス
外食産業は、新型コロナウイルス感染症の影響の事業環境を背景に、特に上期において飲食店からの受注や消費者によ
るネット予約利用が低水準で推移したことから売上高が前期を下回った。


■プロモーション
プロモーションについては、農林水産省からの「Go To Eatキャンペーン事業」の運営受託収入と「ぐるなびFOODMALL」の運営費用補助収入がそれぞれ縮小、解消したことを主因に前期を下回った。


■関連事業
関連事業については、主に業績回復までの間の収益確保と雇用維持を目的とする楽天グループからの業務受託収入を計上したことにより前期を上回った。

2023年3月期の業績見通しは、

・売上高:128億円(前年同期比0.4%減)
・営業損失:32億5000万円(前の期は47億8600万円)
・経常損失:32億2500万円(前の期は46億9200円)
・最終損失:33億円(前の期は57億6800万円)


■2023年3月期の見通し
2023年3月期に関しては、ワクチン接種の進展等により新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会経済活動 の両立が図られ、外食市場においては個人消費が一定程度回復することが期待される。

その一方、新たな変異株の出現 等による感染再拡大や、ウクライナ情勢に起因するエネルギーや原材料価格の高騰等による飲食店経営の圧迫も 懸念される等、その先行きは不透明な状況にある。

そのため、不透明な事業環境に左右されることなく着実に黒字転換を実現し財務の安定化を図ると同時 に、中長期視点での成長を牽引する新たなサービス・事業を構築すべく、次期については、徹底した選択と集中、 資本業務提携先をはじめとする外部企業との連携強化を推進する。

具体的には、飲食店支援事業においては、ネット予約サービスの強化による送客力向上、外部企業との営業・ 商品連携による経営支援の拡充等により加盟満足度を向上し着実な売上回復を図る。

加えて、モバイルオー ダーサービスと食材仕入れ支援を将来に向けた新たな成長ドライバーと位置付け、先行投資を実施していく。

また、プロモーションにおいては企業・官公庁向けプロモーション支援を、関連事業においては店舗開発事 業を中心に、飲食店以外の収益源獲得を収益性に配慮しつつ推進する。

他方、上記以外のサービス・事業 については、収益性等に鑑み、縮小・休止・終了。 また、体制面においては外部企業への出向を拡大し収益を確保すると同時に将来に向けた雇用の維持を図る。また、オフィスの見直しや業務委託の縮小等も進めることで、固定費のより一層の低減も進める。