TikTok For BusinessのアドネットワークPangleは、5月18日、ゲーム市場のインサイトと分析をおこなうNewzooと共同制作した最新レポート「ハイパーカジュアル:アジアと欧米市場の比較と分析」を公開した。
本レポートは、米国、イギリス、日本、韓国を中心とした欧米およびアジアのモバイルハイパーカジュアルゲーム市場について解析されており、ゲームディベロッパーやパブリッシャーにとって、欧米とアジア市場の主な違いの理解につながる情報も掲載されている。
本稿では、そんな「ハイパーカジュアル:アジアと欧米市場の比較と分析」から提供されている情報を一部紹介していく。ハイパーカジュアルゲームの動向や最近の収益モデルケースに迫ってみた。
IDFA以降でも競争が続くハイパーカジュアル…その傾向は?
ハイパーカジュアルゲームといえば、ここ数年では、グローバル配信やマーケティングの進歩により、多くの会社が参入してきている。
IDFAの影響もあり、その動きは落ち着くと思われたが、2021年においてもその競争は続いているそうだ。
レポートによると、2020年から2021年にかけて、ダウンロードTOP100タイトルにおけるハイパーカジュアルの割合は、安定した推移を見せているが、2021年のTOP100に見られるハイパーカジュアルゲーム36タイトルのうち、2020年時点でランキング入りを果たしているのは僅か8タイトルのみであった。
これは、今でも盛んにハイパーカジュアルゲームがリリースされており、その競争は今でも続いていると言える。
また、ランキングTOP入りを果たしているハイパーカジュアルゲームのサブジャンルにおいても変化があるようだ。
2020年ではパズルやシミュレーションジャンルのハイパーカジュアルゲームがダウンロードされていたが、2021年ではランナー・レーシングジャンルが多く占めるようになっていた。
この傾向は日本を含め、全ての地域で見られる傾向であり、今でもユーザーが様々なハイパーカジュアルゲームを遊んでいることがわかる。
▲米国と英国のハイパーカジュアルサブジャンル別ダウンロード数の分布(レポートより抜粋)。レポートでは、日本や韓国の分布も紹介されている。
他にも、レポートではランキング上位にいるハイパーカジュアルパブリッシャーについてもまとめられているので、気になる人はレポートより確認いただきたい。
シンプルなゲームデザインに加え、導入されていくメタ要素とライブオペレーション
そんな今でも盛んなハイパーカジュアルゲームであるが、ユーザー獲得やマネタイズ戦略はどのようになっているのか。
ハイパーカジュアルゲームのビジネスモデルとしては、”LTV>CPI”が基本モデルとなる。つまり、いかにインストール単価を抑えつつユーザー数を増やすか、いかにユーザー維持を行えるかが鍵となる。
ハイパーカジュアルゲームでは、アプリ内課金型のゲームと比べ、CPIは低い傾向にある。その分、参入障壁も低く、ユーザーは同時期に複数タイトルをプレイすることが多い。
したがって、クロスプロモーションを前提にハイパーカジュアルゲームは設計されることが多い。クロスプロモーションとは、ハイパーカジュアルゲームで表示される広告より別のタイトルのインストールも行われることを指す。
その為、数秒の広告でも理解できるようなシンプルなゲームメカニズムと普遍的なアートスタイルとテーマでゲームデザインされていることが多い。
また、シンプルなデザインながらも、その時のトレンドに基づくアートスタイルを採用しているハイパーカジュアルゲームも多く登場している。
2020年では映像作品の「イカゲーム」が世界的にも流行したが、「イカゲーム」をモチーフにした作品も登場していた。
このように、シンプルなデザインながらも、その時流に合わせたキャッチーなアートスタイルが昨今のハイパーカジュアルゲームの戦略として採用されているようだ。
▲レポートより抜粋。同じサブジャンルでも年々分かりやすさとキャッチーな表現が洗練されている傾向なのがわかる。
一方で、ハイパーカジュアルゲームでもRTV向上としてユーザー維持の観点も考えられるようになってきた。
これまでのハイパーカジュアルゲームといえば、ユーザー維持は苦戦する傾向にあったが、昨今では一つのハイパーカジュアルゲームを長く遊ぶユーザーも増えてきている。
例えば、Rollic社の『Tangle Master 3D』では、パズルゲームに加えてペット育成システムをというライトメタ要素を導入することで、ゲームを繰り返し遊ぶような工夫が取り入れられている。
また、他のゲームと同様に、IPやブランドとのコラボレーションを限定施策として行うライブオペレーションも、最近になって実施するタイトルも増えてきている。
Pangleではユーザー維持最適化ソリューションも用意されている。これまでの膨大なオーディエンスデータを活用したデータ学習により、ロイヤルユーザーの獲得を実現し、ユーザーのD1維持コストを30%削減した事例も紹介されている。
広がる収益化機会…他ジャンルからの新たな収益源も鍵
マネタイズにおいては、今なおゲーム内広告が大きな収益源であるようだ。その中でも、インタースティシャル動画広告が割合としても大きくなっている。
加えて、昨今では、他ジャンルゲームの広告も増えてきている。これまでは、ハイパーカジュアルゲーム内の広告では、同じくハイパーカジュアルゲームが多かった。(先に述べた、クロスプロモーションもその傾向より考えられた戦略だ)
レポートでは、ハイパーカジュアルゲームユーザーはその他のゲームも楽しんでいる傾向にあり、地域によってどのような広告を配信していくのかもマネタイズ戦略としてより重要視されてきていると言えよう。
▲資料では各国におけるハイパーカジュアルゲームユーザーがどの他ジャンルを遊んでいる傾向かも掲載されている。(ダウンロードできるレポートより一部加工して掲載しています)
他にもレポートでは、収益化モデルの事例や実際にハイパーカジュアルゲームをパブリッシングしている企業の収益化事例についてもまとめられている。気になる人は以下のページより資料をDLしてみてはいかがだろうか。
<Pangleとは>
Pangleは、アジア、中東、 ラテンアメリカで実績のあるTikTok For Businessのアドネットワークになり20以上の新興市場においてTikTok for Businessからの独占的な広告需要を受け、 提供されている。
あらゆる規模のアプリパブリッシャーは、 Pangleのパフォーマンスの高いアプリ内広告ソリューション を利用することで、アプリを成長させ、 広告収益を最大化することを実現できているそうだ。
広告主となるアプリ事業者は、 TikTok For Business広告プラットフォームで提供されているPangle の自動化された簡単な設定と統合されたキャンペーン管理ツールを 利用することで、 新興市場でのプレミアムアプリパブリッシャーのネットワークを通 じて、 大規模且つ拡張されたオーディエンスにリーチすることが可能となっている。
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