日本動画協会は、2021年のアニメ産業の市場規模について、前年比13.3%増の2兆7422億円と過去最高だったとする調査結果を発表した。アニメ産業は、2010年から2019年まで10年連続で市場規模の拡大を続けていたが、2020年はコロナ禍によって3.5%減となっており、パンデミックが続く2021年に注目が集まっていた。振り返るとわずか10年で倍増したことになる。その内訳は、配信市場は過去最高の1543億円(65.9%増)、商品化6631億円(14.0%増)、海外1兆3134億円(6.0%増)だった。
制作現場からは「制作受注の案件は相変わらず、増えつづけている」「昨年に続き「企画数>>>制作現場」という状況が続いており、制作費は上昇傾向。収益については 改善が見込まれる可能性が高い」といった声が届いたという。
しかし、コロナ前の成長基調に戻ったと思われる2021年のアニメ産業市場ではあるものの、少子高齢化の国内市場に加えて海外市場も2010年代中盤の勢いを失いつつあるようにも見えるという。全世界的に配信のピークが見えそうな予感にとらわれている状況下で今後の推移には、より注目が集まりそうだ。
なお、この調査の詳細については、11月11日に発売する「アニメ産業レポート2022」に掲載されている。さらに恒例となっている、執筆陣による記念セミナーは11月に予定しているそうだ。