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エイベックス<7860>は、11月28日、子会社エイベックス・デジタル(以下「ADG」)とNTTドコモとの合弁会社であるエイベックス通信放送(以下「ABC」)に係る合弁契約を解消し、ADGが保有するABCの全株式をNTTドコモに譲渡することを発表した。
なお、株式譲渡は2023年1月31日に行われる予定で、譲渡価額は51億2000万円の予定。ただし、2022年9月末時点で約55億3000万円あったABCからの預託金を、エイベックスは株式譲渡実行日までに全額ABCに返還する予定であり、連結貸借対照表上における現預金額に大きな変動は生じない見込みだとしている。
ABCは、2009年4月10日にエイベックスの子会社エイベックス・エンタテインメント(現「ADG」)とエヌ・ティ・ティ・ドコモ(現「NTTドコモ」)との間で設立された合弁会社であり、携帯電話を利用した映像配信ビジネスを共同展開し、モバイル向け動画コンテンツ市場のさらなる形成と活性化を図ることを目的として設立された。
ABCは、会員制携帯有料動画配信サービスである「BeeTV」を世界初の携帯専用放送局として提供を開始し、2015年4月よりサービスを開始した「dTV」は、2016年には国内映像配信サービスで初めて会員数500万人を突破するなど、広く映像配信サービスを提供してきた。
しかし、昨今の事業を取り巻く環境の急速な変化を受け、ADGおよびNTTドコモの今後のさらなる成長について慎重に協議を重ね検討した結果、この合弁関係を発展的に解消し、それぞれの成長戦略に基づき事業運営を行うことが、両社の企業価値最大化に寄与すると判断したという。
エイベックスにおいても、2022年5月に発表した新中期経営計画「avex vision 2027」で掲げたIP創出への注力と、プラットフォームなどマネタイズ領域の最適化への取り組みにおいて、経営資源の有効活用ができるものと判断するに至り、この譲渡により、合弁関係を解消することを決定した。これにより、ABCはエイベックスの連結範囲から除外される予定だ。
なお、この譲渡後もエイベックスおよびADGとNTTドコモは、別途業務委託に関する契約を締結し、合弁解消後においても一定期間ABCの運営業務を受託するとともに、その他の契約などを通じ、エイベックスグループとNTTドコモはコンテンツ調達などにおいて今後もパートナーとして、連携を継続していく予定だとしている。
また、この譲渡がエイベックスの2023年3月期の連結業績に与える影響は軽微であり、2022年11月10日発表の連結業績予想に変更はないという。
<異動する孫会社(特定子会社)の概要>
会社情報
- 会社名
- エイベックス株式会社
- 設立
- 1988年4月
- 代表者
- 代表取締役会長 松浦 勝人/代表取締役社長CEO 黒岩 克巳/代表取締役CFO 林 真司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1333億8700万円、営業利益16億3300万円、経常利益15億0600万円、最終利益9億8700万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7860