2023年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
2022年は暗号資産の市場参加者と業界のプレーヤーにとって”Crypto Winter(暗号資産冬の時代)”の中での舵取りが求められた一年となりました。暗号資産をとりまく環境がグローバルに大きく揺れ動くなかで、日本国内においては、政府・与党・関係省庁でWeb3に関する議論が進み提言が公表されるなど、暗号資産やNFTを含むWeb3への理解と後押しが進んだ一年でもありました。
そのような中で、「新しい価値交換を、もっと身近に」をミッションに掲げる当社は、暗号資産交換業の事業基盤を固めることと並行して、取扱いタイトルの拡充などNFT事業により一層注力しながら、ビジョンである「デジタル経済圏のゲートウェイになる」ことを目指し新たに2つの事業を開始しました。
1つ目は、2022年1月に開始した「メタバース事業」です。新型コロナウイルスの感染拡大を契機に生活様式やコミュニケーション方法が変化する中、仮想空間でのコミュニケーションが世界的に注目を集めるようになりました。国内外で2022年の新語・流行語のアワードに「メタバース」がノミネートされるなど注目度の高さが窺える中、当社ではアーティストとファンとの交流や企業のコミュニティ育成といった「新しい価値交換」の場として活用してもらうことを目指し、ブロックチェーンを基盤とする3つのメタバースプラットフォームにそれぞれ「Oasis TOKYO」「Oasis KYOTO」「Oasis MARS」と名付けたメタバース都市を制作するプロジェクトを進行させています。中長期的に成長が期待されるメタバース領域において、当社は2023年も「新しい価値交換」のユースケースを生み出し、エコシステムを構築していきたいと考えています。
2つ目は、同じく2022年1月に開始したWeb3時代を牽引するスタートアップの支援プログラム「Coincheck Labs」です。1号案件として日本発のパブリックブロックチェーン「Astar Network」を手掛けるSTAKE TECHNOLOGIES PTE. LTD.への出資、2号案件としてNFTFiサービスであり、ブロックチェーンプラットフォーム「Cosmos」のLayer1ブロックチェーンプロトコルでもある「UnUniFi Protocol」に出資しました。2023年も「Coincheck Labs」によるスタートアップ支援・調査・投資を通じて、暗号資産ネイティブ・NFTネイティブなプロダクトの起業家、スタートアップ、コミュニティを支援し、日本のブロックチェーン・Web3エコシステムの成長に働きかけることで、業界全体の成長に貢献していきたいと考えています。
また、2022年は、エンジニア組織とプロダクトのさらなる強化を目的として3名の執行役員を新たに迎えました。当社創業メンバーでエンジニアの和田晃一良(現ファウンダー&アドバイザー)がつくったエンジニアリングファーストのカルチャーを承継しながら、「デジタル経済圏へのゲートウェイ」という提供価値を創出できる組織体制を整えて、事業を推進していきます。
当社が手掛けるNFTやステーブルコイン、メタバースといった事業領域は成長過程にあり、これから広く社会に根付いていく段階にあります。当社は誰もがこれらのサービスを安全かつ簡単に利用することができるよう、「デジタル経済圏のゲートウェイになる」ことを目指し、新しい価値交換の手段である暗号資産やNFTを取引できるサービスを提供していきます。また、セキュリティやインフラへの積極的な投資を行いながら顧客基盤を拡大し、提供サービスを増やすことで、2023年も国内のリーディングポジションを堅持していきます。
加えて、米国Thunder Bridge Capital Partners Ⅳ, Inc.との統合によるNASDAQ上場子会社への移行に向けた手続きを引き続き推進しながら、グローバルに事業を拡大し、国内外での新規事業の開発や最新技術への投資を加速させてまいります。
2023年もコインチェックを何卒よろしくお願い申し上げます。
コインチェック株式会社
代表取締役 社長執行役員
蓮尾 聡
会社情報
- 会社名
- コインチェック