バンダイナムコHD、23年3月期決算は営業益7.2%減の1164億円 仕掛品の評価損でゲーム減益響く トイホビーやIPプロデュース、アミューズメント好調
バンダイナムコホールディングス<7832>は、5月10日、2023年3月期の連結決算を発表し、売上高9900億8900万円(前の期比11.3%増)、営業利益1164億7200万円(同7.2%減)、経常利益1280億0600万円(同4.2%減)、最終利益903億4500万円(同2.6%減)だった。
・売上高:9900億8900万円(同11.3%増)
・営業利益:1164億7200万円(同7.2%減)
・経常利益:1280億0600万円(同4.2%減)
・最終利益:903億4500万円(同2.6%減)
環境変化へのスピーディな対応に加え、主要IPのメディア展開と商品・サービスの連動を強力に行う等、ファンと広く、深く、複雑につながるための様々な施策を推進した。また、各地域や各事業が連携しALL BANDAI NAMCOで一体となった取組みを強化した。
その結果、国内外において、デジタル事業におけるネットワークコンテンツの主力タイトルや家庭用ゲームのリピート販売、トイホビー事業のハイターゲット層(大人層)向け商品やカード商材等の利益率の高い商品・サービスの販売が業績に貢献した。
また、行動制限の緩和が進んだことにより、IPプロデュース事業におけるライブイベントやアミューズメント事業における施設の集客等が好調に推移した。
一方でデジタル事業においては、国内外で競争が激化するマーケット環境を踏まえ、クオリティを重視したタイトルの提供を目的とし、タイトルの開発状況やビジネスプランをより厳しく見直した結果、一部仕掛品の評価損等を計上した。このほか、円安による外貨建取引に関わる為替差益を営業外収益に計上した。
セグメント別の状況は以下のとおり。
■デジタル事業
・売上高:3856億8100万円(同2.0%増)
・営業利益:493億3900万円(同29.1%減)
家庭用ゲームにおいて、前の期に発売したワールドワイド向け大型タイトル「ELDEN RING(エルデンリング)」等の既存タイトルのリピート販売が海外を中心に好調に推移したほか、前期に発売した複数の新作タイトルの販売が安定的に推移した。
ネットワークコンテンツにおいては、「DRAGON BALL」シリーズや「ONE PIECE」等の主力タイトルや前の期にサービスを開始したタイトルがIPのメディア展開との連動やユーザーに向けた継続的な施策により好調に推移した。
なお、利益面においては前の期と比較して、家庭用ゲームにおけるタイトル編成の違いに加え、プロダクトミックスの変化が影響した。
また、同事業においては、国内外で競争が激化するマーケット環境を踏まえ、クオリティを重視したタイトルの提供を目的とし、タイトルの開発状況やビジネスプランをより厳しく見直した結果、一部仕掛品の評価損等約130億円を計上した。
■トイホビー事業
・売上高:4474億9100万円(同19.8%増)
・営業利益:595億3800万円(同13.8%増)
トイホビー事業については、円安の進行に伴う原材料価格や燃料価格の上昇の影響を受けたが、事業全体では好調カテゴリーやグローバル展開の拡大、生産体制の強化等をはかったことにより好調に推移した。
具体的には、「ガンダムシリーズ」のプラモデルやコレクターズフィギュア、キャラクターくじ等のハイターゲット層(大人層)向けの商品が、販売・マーケティングや商品ラインナップの強化等により、国内外において引き続き好調に推移した。
それらに加え、「ONE PIECE」のトレーディングカードゲームや「ガンダムシリーズ」のデジタルカード等のカード商材、「キャラパキ」等の菓子商材、カプセルトイ等が人気となった。
なお、同事業においては第4四半期に在庫の評価損等を計上した。
■IPプロデュース事業
・売上高:817億4800万円(同2.2%増)
・営業利益:106億4500万円(同20.5%増)
IP創出強化を目的に、組織体制の変更を行い、映像・音楽・ライブイベント等に関するリソースやノウハウの集約を実施した。この新体制のもと、IPに関する映像作品の製作、映像・音楽パッケージソフトの販売、映像配信、ライブイベントの開催やライセンスビジネス等を行った。
その結果、「ガンダムシリーズ」や「ラブライブ!シリーズ」、「転生したらスライムだった件」、「ブルーロック」等の映像作品に関わる配信、ライセンスビジネス等が好調に推移した。
また、国内における行動制限の緩和が進んだことにより、ライブイベントや「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」のビジネスが前年同期を上回った。
■アミューズメント事業
・売上高:1046億0200万円(同27.0%増)
・営業利益:60億3800万円(同49.0%増)
新型コロナウイルス感染拡大による一部地域での施設休業や、燃料価格の上昇による光熱費上昇等の影響を受けたものの、国内アミューズメント施設の既存店売上高が前期比で114.9%となった。
また、「バンダイナムコ Cross Store」や「ガシャポンのデパート」のようなグループの商品・サービスと連携した施設展開を積極的に行った。
さらには、新製品の「CLENA3」等業務用ゲーム機の販売が好調に推移した。今後もアミューズメント事業においては、グループの商品・サービスと連携した施設展開等のバンダイナムコならではの取組みを推進するとともに、引き続き効率化に取り組む。
■その他事業
・売上高:313億1300万円(同13.2%増)
・営業利益:11億6500万円(同235.9%増)
グループ各社へ向けた物流事業、その他管理業務等を行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでいる。
■2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の業績は、売上高1兆円(前期比1.0%増)、営業利益1250億円(同7.3%増)、経常利益1290億円(同0.8%増)、最終利益910億円(同0.7%増)、EPS137.87円を見込む。
・売上高:1兆円(同1.0%増)
・営業利益:1250億円(同7.3%増)
・経常利益:1290億円(同0.8%増)
・最終利益:910億円(同0.7%増)
・EPS:137.87円
業績推移のグラフは以下のとおり。
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンダイナムコホールディングス
- 設立
- 2005年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 川口 勝
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1兆502億1000万円、営業利益906億8200万円、経常利益1041億6400万円、最終利益1014億9300万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7832