Mantra、集英社が行うマンガの多言語サイマル配信の支援を開始 「ONE PIECE」と「SPY×FAMILY」最新話のベトナム語版を日本と同時に配信

マンガに特化したAI翻訳技術の研究開発を行うMantraは、本日(8月16日)、集英社が行うマンガの多言語サイマル配信の支援を開始した。

7月24日より「ONE PIECE」と「SPY×FAMILY」最新話のベトナム語版が「MANGA Plus by SHUEISHA」にて、日本での最新話更新と同時に配信されている。

■背景

マンガの翻訳では、作品の持つ独特の世界観を反映した高品質な翻訳と、翻訳版の読者が物語に没入できる美しい文字組み(写植)の両立が不可欠となる。加えて、複数言語で同時に最新話を公開するサイマル配信では、これらの複雑な作業を超短期間(一般には4~7日)で完了させる必要がある。これらのサイマル配信の難しさは、世界中のマンガファンが同時に最新話を楽しめる状況を実現する上での課題となってきた。

■新しい機械翻訳エンジンでベトナム語を含む多言語のマンガ翻訳に対応

同社のマンガ翻訳クラウドサービス「Mantra Engine」では、独自の機械翻訳技術とプロの翻訳者による修正・校閲を組み合わせ、日・英・中等の言語において高速・高品質な翻訳を実現している。一方、従来マンガの対訳データが少ない言語においては機械翻訳の品質が低いという問題があった。

これを受け、同社は先般のアップデートで「Mantra Engine」に大規模言語モデル(LLM)を統合した。このアップデートでは機械翻訳の正確性や一貫性が大幅に強化されるとともに、対訳データの少ない言語への翻訳品質も大幅に改善し、より多くの言語への作品展開が可能となった。今回のサイマル配信では、LLMを統合した「Mantra Engine」の利点を最大限に活かし、時間的制約が大きい状況下でのベトナム語翻訳を支援することとなった。

※翻訳の誤りを従来の10分の1程度(日本語から英語の翻訳で15.9%→1.6%)に削減。画像から抽出したキャラクターやストーリーの情報を考慮し、翻訳のスタイルやキャラクターの口調などの一貫性をより強化している。