トーセ<4728>は、第2四半期の決算説明資料を公開し、24年8月期 2月中間決算で赤字となった要因と対策について説明を記載した。その大きな要因の一つは、家庭用ゲームソフトの受託開発において、想定外の費用が発生したことだったが、同社によると、開発終盤において、顧客とともにゲームの品質向上を図るなか、開発要件の増加で作業が急増したという。
急増した作業の対価の支払いをすぐに受けることができれば問題なかったが、その点については顧客と調整できておらず、売上に増加につながっていないという。またゲームの品質向上に工数がとられてしまったため、他の開発案件の着手が遅延するなど売上に影響が出たという。利益面では、開発コストの大幅増と開発案件の着手遅延で機会損失が発生した。
同社では、追加作業に関して、対価の増加について、顧客との確認を十分に行わないまま実施してしまったことであるとし、開発のプロジェクトマネジメント標準の充実に加えて、プロジェクト管理ルールを強化・徹底する、としている。これはゲームなどの受託開発で起こりがちなトラブルの一つであるといえるかもしれない。
2つ目の要因は、スマートフォンゲームの開発中に大規模なサーバー増強が必要となり、一部手戻り(やり直し)も発生したとのこと。増強作業への対価はなく、運営サービスでの回収を目指していくという。進捗の遅れによる売上減と費用増という形で影響が出た。他のプロジェクトの着手が遅れる、といったことはなかったようだ。
対策として、そーシャルゲームの開発・運営に長く従事し、高い技術とノウハウを持つスタジオのメンバーがサポートに入って対応している、とした。
同社によると、中間決算における家庭用ゲームなどの受託開発の売上高は、前年同期比44.3%減の10億8700万円と大きく減少した。複数の大型案件の一部は徐々に開発が本格化したものの、想定外の問題が売上と利益にネガティブな影響を与えたことが見て取れる。同じくモバイルについては同15.7%減の7億5300万円だった。
会社情報
- 会社名
- 株式会社トーセ
- 設立
- 1979年11月
- 代表者
- 代表取締役会長 齋藤 茂/代表取締役社長 渡辺 康人
- 決算期
- 8月
- 直近業績
- 売上高46億1500万円、営業損益5億2200万円の赤字、経常損益5億100万円の赤字、最終損益2億6000万円の赤字(2024年8月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4728