サウジ・リサーチ&メディアグループ(SRMG)の子会社であるマンガアラビアは、日本法人「マンガインターナショナル」を設立すると発表した。この発表は、東京で開催した式典で行われ、サウジアラビアと日本の双方から出版社を含む関係機関、メディア関係者が出席した。この一歩は、国際市場への進出を目指す戦略の一環であり、日本の出版社とのパートナーシップや協定に続く歩みになるという。
マンガアラビアは「マンガアラビア(ユースおよびキッズ)」雑誌の印刷版およびデジタル版を発行している。同アプリのユーザー数は195ヵ国以上で800万人を超え、印刷版はアラブ世界の220ヵ所以上で毎月40万部以上が無償配布されている。またアラブ世界のクリエイターの育成にも注力しており、今までに170人以上の人材を輩出している。
SRMGの最高経営責任者(CEO)であるアルラーシド ジュマーナ氏は、このステップの重要性を強調し、「マンガ制作に携わる大手グローバル企業との提携や、国際市場への参入は、コンテンツ需要の高まりにより、大きなリターンをもたらす。また、教育環境の提供にもつながる」と述べている。また、「我々の事業拡大は、海賊版や知的財産権侵害の軽減、SRMGが掲げる地域性を重視したコンテンツ開発の強化、そして漫画という親しみやすい形でサウジアラビアやアラブの文化・伝統の発信につながる」と付け加えている。
マンガアラビアおよびマンガインターナショナルの代表であるブカーリ イサム氏は、「マンガアラビアはコンテンツ産業を通じ、日本や世界の出版社等とパートナーかシップを築いている。マンガインターナショナルでは、マンガアラビアの経験を活かし、日本の漫画の魅力をさらに多くの国々へ展開させていきたい」と述べている。また、マンガインターナショナルは、「多言語展開による更なる読者獲得を目指し、様々な漫画を制作・翻訳していく」と述べ、「このステップはマンガアラビアの戦略的ビジョンから生まれた」と付け加えた。
マンガアラビアは、これまでにもいくつかの漫画を英語・中国語・マレー語に翻訳しており、サウジアラビアの文芸出版翻訳機関と連携し、新たなファン層獲得を目指し、いくつかのサウジアラビアの小説を漫画にして紹介しており、マンガインターナショナルではこれらの業務を踏襲する、としている。