デジタルガレージ<4819>は、この日(6月4日)、多数のアプリのデジタルコンテンツをアプリ外で購入可能な、国内初のオンラインショッピングモールサービス「アプリペイ」の本格稼働を開始したことを明らかにした。先行して『グランドサマナーズ』『ひなこい』『乃木恋』『サクコイ』『戦国 A LIVE』『アリス・ギア・アイギス』が導入しているようだ。
このサービスにより、アプリ事業者はアプリ外課金決済の機能を「アプリペイ」内で簡単に構築でき、決済手数料の負担を大幅に軽減することができる。アプリユーザーは新たな決済手段の選択肢や、これまでにない特典を得ることができる。
今回の本格稼働により、まずは、ゲームアプリ事業者、ならびにゲームユーザーへ向けサービスを提供し、今後対象領域をゲーム以外にも拡大していく。
■サービス立ち上げの背景
デジタルプラットフォームが提供するスマホのアプリストアは、高い品質によるアプリ管理やセキュリティ、ユーザーの獲得や保護において重要な役割を担っている。
一方で、ユーザーのデジタルコンテンツの購入が事実上アプリ内に制限されていることで、デジタルプラットフォームを含む事業者間の競争が生まれにくく、アプリ事業者の収益圧迫に繋がっているほか、サービスのイノベーションが起きにくい状況にあるとの議論が高まっている。
これに対し、米国ではデジタルプラットフォームとアプリ事業者間の訴訟が起きており、EUにおいては、公正で開かれたデジタル市場を確保するための法律が施行されるなど、グローバルで社会情勢の変化が起きている。そして、日本でもこのたび「スマホソフトウェア競争促進法案」が衆議院本会議で可決され、今国会で成立する見通しとなるなど、市場競争の健全な発展に向け大きな転換期を迎えている。
決済とマーケティングの事業を展開している同社は、いち早くこの社会情勢の変化を捉え、グループ会社のDGフィナンシャルテクノロジーによる国内最大級の総合決済サービスを活用し、2023年より本件「アプリペイ」を一部ゲーム事業者に向け、サービス展開してきたという。
■今後の展開
「アプリペイ」は、オンラインショッピングモールに留まらず、アプリ事業者の自社ショップ構築や、国内の有力なアプリ事業者の海外展開の支援も手掛けていく。また、対象領域をゲームに限らず、コミックや動画配信へも拡大していくとともに、ユーザートラフィックを生みだすメディア機能の拡充を進めていく。
なお、DGグループは、社会や産業構造が大きく変化する中、幅広い事業者の事業成長へ貢献するため、決済とデータ、テクノロジーを融合したグループ戦略「DG FinTech Shift」を掲げている。本事業はそのグループ戦略の一環としての取組み。
gamebiz編集部としては、今後は決済手段の充実を期待したい。アプリストアで配信しない、いわゆる"野良アプリ"にも見られるが、決済手段がクレジットカードのみとなっていることが多く、カードを持たない人やカード番号を入れることに抵抗をある人がためらっているように見受けられるからだ。
■コメント
▼デジタルガレージ 代表取締役 兼 社長執行役員グループCEO 林 郁氏
欧米ではすでに進んでいるデジタル市場開放の流れが、日本にもようやく到来しようとしています。スマホのアプリにおける決済手段の開放により、様々な事業が活性化し、ユーザー体験の向上・企業経営効率の向上に大きく寄与すると考えています。当社は今後も、テクノロジーを通じて新たなサービスを生み出し、世の中に新たな価値を提供していきます。
▼デジタルガレージ 取締役 兼 専務執行役員 Chief Architect 伊藤 穰一氏
グローバル・デジタルプラットフォームは2000年代以降、イノベーションによって市場を築き、現代社会にとって不可欠な存在となりました。今後、スマホアプリの領域においてオープンな競争が促進されることで、さらなるイノベーションにつながることを期待しています。
■アプリペイ サービス概要
「アプリペイ」は、「決済システム」「WEBページ(CMS生成)」「カスタマーサポート」「マーケティング」の機能を提供する、多数のアプリのデジタルコンテンツをアプリ外で購入可能な国内初のオンラインショッピングモールサービス。
アプリ事業者は、本サービスによって、Webページ制作やシステム開発の手間とコストをかけることなく、アプリ外課金決済の仕組みを簡単に構築でき、決済手数料の負担を大幅に軽減することができる。
ユーザーは、「アプリペイ」に登録するだけで、クレジットカードをはじめとした複数の決済手段を利用することができ、様々なアプリの課金決済を簡単に行えるようになる。
