サイバーエージェント<4751>は、この日(6月26日)、AI事業本部において、AIを活用し漫画などの海外展開に向けたローカライズを支援する専門組織「AIローカライズセンター」を2024年6月に新設したことを発表した。
これまでが取り組んできたインターネット広告の知見を活かし、漫画やアニメ、ゲームなどの海外展開における国や地域の文化や特性を考慮したデジタルマーケティングの戦略策定および実行支援を行うとともに、多言語対応や文脈理解のAI研究を強化し各配信国や地域に合わせたローカライズ支援に取り組んでいく。
AI研究では同社がこれまで取り組んできた高度な自然言語処理技術を応用し、擬音語や擬態語などのオノマトぺといった日本語作品ならではの特殊な表現や意味・文脈理解の研究をはじめ、作品の配信対象となる国や地域の文化・慣習、宗教や法律、表現規制を考慮した最適な表現方法と原作の一貫性を保つためのルール制定作業や翻訳業務などへのAI活用を視野に入れている。
原作者はもちろん作品に携わる翻訳者や写植者、編集者など全てのクリエイターの作業をサポートするAI技術の研究に尽力したい、としている。
世界から注目を集める漫画やアニメをはじめとした日本コンテンツの海外展開においては、翻訳のプロジェクトチームによる徹底的なキャラクターや文脈の理解、原作の一貫性を担保するためのルール制定、写植作業者(レタラー)による文字入れや作画修正、ネイティブによる翻訳チェックといった膨大な翻訳工程が必要であるとともに、原作者の意図や原作の世界観を損なわずに、展開先であるその国の文化や特性も考慮してローカライズしていくことが重要。
さらに、各国の文章読み順への最適化や縦読みフォーマットへの変更および、最適なオンラインプラットフォームでの販売方法の検討など、販売チャネルの多様化に伴う関係各所との権利調整やプロモーション企画など、海外特有のデジタルマーケティング戦略の策定と実行が必要となっている。
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751