CRI、インディーゲーム開発者支援のためサウンドミドルウェア「CRI ADX LE」を全世界提供開始…BitSummit Driftでデモ公開、講演も

CRI・ミドルウェア<3698>は、この日(7月18日)、日本国内で提供していた無償版のサウンドミドルウェア「CRI ADX LE(ADX LE)」をアップデートし、全世界向けに提供開始した。今後は、ブラウザゲームに対応するアップデートを2024年9月に予定している。インタラクティブ・ミュージックなどの多彩なサウンド表現が可能なADX LEを世界のインディーゲーム開発者に提供することで、インディーゲームにおけるサウンド演出の幅を広げたい、としている。

CRI ADX(ADX)とは、UnityやUnreal Engine5をはじめとしたゲーム開発環境のサウンド機能を拡張する、マルチプラットフォーム開発に最適な統合型サウンドミドルウェア。ADX LEは、ADXの全てのサウンド演出を無償で利用できるバージョンで、2013年のリリース以降、多くのインディーゲームで活用されている。

これまでADX LEは日本国内での利用に限定されてきたが、海外の開発者からも多くの利用希望が寄せられていた。今回、国境の垣根なく広がり続けているインディーゲーム開発コミュニティを支援するべく、ADX LEを全世界で利用可能とした。

■ブラウザ対応でインディーゲームから商業タイトルへの展開をさらに後押し

個人や少人数のチーム・企業によって開発されるインディーゲームは、全世界でその数を増やし続けている。低予算で制作される作品が多い一方、パブリッシャー企業の支援を受け、多くのプラットフォームに対応した商業タイトルに展開する作品も増えてきている。ADX、ADX LEを使用したタイトルは、共通の実装のままで、あらゆるプラットフォーム上で同じサウンド演出を行うことができる。

また9月にはブラウザゲームに対応するアップデートを予定している。これにより、ブラウザゲームとしてファーストリリースし、プラットフォームを拡大していく開発手法に対応できるようになる。ゲーム開発における「最初の一歩からその先まで」をトータルでサポートする。

■インディーゲームでも高品質なサウンド表現を当たり前に

CRIはこれまでもインディーゲームイベントに協賛してブース出展を行うなど、インディーゲームコミュニティに参加し開発者を支援してきた。

サウンドミドルウェアが当たり前に使える環境は、サウンド表現を押し上げ、音にこだわったバラエティ豊かなゲームの登場を後押しできると期待している。CRIはこれからもインディーゲームコミュニティの発展に貢献するとともに、サウンド演出の進化をADXでサポートする。そして「音と映像で社会を豊かに」という企業理念の下、世界中のあらゆる人々に驚きと楽しさ、感動を届けるお手伝いをしていく。

■BitSummit Driftで最新デモを公開

CRIは京都で開催される「BitSummit Drift」に出展する(小間番号BZ-07)。CRIのブースではADX LEをさまざまなプラットフォーム上で動作させるデモ展示を行う。また、ゲーム「PENNY BLOOD: HELLBOUND」のサウンドクリエーター弘田 佳孝氏を迎え、インタラクティブ・ミュージックの実装に関する講演を実施する。

【出展内容】
1.オープンソースゲームエンジン Godot Engine上の動作デモ
インディーゲームスタジオでの採用が急速に増えているゲームエンジン「Godot Engine」上でのADX LE組み込み動作デモを紹介する。
2.ADX LEのブラウザ対応デモ
ADX LEブラウザ対応の動作を確認できる。
3.手回しハンドル付き小型携帯ゲーム機PlaydateでのADX 動作デモ
2022年にPanic Inc.より発売した小型携帯ゲーム機Playdate上で、ADXが動作するデモアプリケーションを展示する。尖ったコンセプトでインディーゲームと相性の良いPlaydate上で、限られたスペックでも快適に動作するADXサウンド演出を体験してほしい。

【ブース内セッション】
日時:7月20日、21日11:00、15:00(全4回、約40～60分程度)
場所:BZ-07「CRI・ミドルウェア」ブース内
セッションタイトル:「PENNY BLOOD: HELLBOUND」におけるインタラクティブ・ミュージックの実用例
登壇者:弘田 佳孝氏(サウンドクリエーター)