東証、第2四半期決算で立会時間中に開示した会社は33.7%に 延伸以前の23.9%を上回る 情報開示の「質」を変える動きも

 

東京証券取引所の取引時間が11月5日から15時から15時30分に延伸となったが、上場企業の決算発表の時間に変化はあったのか。これまで立会終了直後の15時台に開示する会社が多かったが、これまでと同じく立会終了後のままにした会社が引き続き多かったのか。あるいは立会時間中及び昼休み中(以下、立会時間中)に発表する会社が増えたのか。市場関係者の間でも注目が集まっていた。

これに関して、東京証券取引所が第2四半期の決算短信の開示時刻の動向を調査し、対象となった企業1657社のうち、33.7%にあたる558社が立会時間中(昼休み中も含む)に開示したとのこと。

これだけだと比較対象がないのでわからないが、延伸前の11月4日以前の数字を見ると、立会終了時間(15時)前に開示する会社は23.9%にとどまっていた。立会中に発表する会社の割合が増えたことになる。昨年の第2四半期の決算発表ではどうだったかというと、立会時間中は21.0%、立会終了後は79.0%であり、立会時間中に開示する割合が顕著に増えたことになる。

 

立会時間終了後の開示になると、投資家にとっては決算発表をじっくりと分析できるメリットがあるものの、上場企業にあってはタイムリーな開示が求められている側面がある。上場企業にあってはどのタイミングで開示するのか好ましいのか。業績変化の背景や考え方なども明示する説明資料を同時に開示するなど情報の質も変える動きが出ており、当面、上場企業は試行錯誤することになりそうだ。