【先行レビュー】『ヴァンガード ディアデイズ2』は新規層のカードファイト入門に最適 ヴァンガード発売初期の2012年環境を再現した“ヴィンテージファイト”で休眠復帰ユーザーも注目の内容に
ブシロード<7803>は1月30日よりNintendo Switch/Steam向けソフト『ヴァンガード ディアデイズ2』を発売する。
『ヴァンガード ディアデイズ2』は、前作にあたる『ヴァンガード ディアデイズ』のさまざまな箇所でアップデートされた作品。自宅で1人でも『カードファイト!! ヴァンガード』を楽しめる内容だ。本稿では本作の先行試遊レポートをお届けしていく。
■ビギナー向けのストーリーモードとコア向けのファイトモードを搭載
ストーリーモードでは、前作から引き続き登場する原案・伊藤彰先生によるゲームオリジナルキャラクター「一導寺ユキ(CV.西尾夕香)」に加え、新キャラクター「導咲オトワ(CV.MoeMi)」が活躍する完全オリジナルストーリーが展開。ストーリーモードは、ヴァンガードの大型大会“V-Nation”での優勝を目指し、各所で発生するファイトを勝ち抜きつつ物語を進めていく。
テレビアニメ『カードファイト!! ヴァンガード Divinez』からKis-My-Ft2の宮田俊哉氏が演じる明導アキナと、Snow Manの佐久間大介氏が演じる廻間ミチルもゲームに登場しており、専用ストーリーが用意されている。
本作はリアル以外でも対戦を楽しみたいコアユーザーはもちろん、チュートリアル機能も充実しているので、アニメをきっかけに参入したライトユーザーにもオススメ。ここではファイト中にキャラクターが持つ特殊スキルが発動させることができ、普段のファイトとは異なる試合を味わえる。
大筋のファイトルールは変わらないため、キャラクターたちが織り成すストーリーを楽しみつつ、ゲームの進め方を身に付けるカードゲーム入門に適したモードと言えるだろう。スキルがちょうど良いハンデのような役割を果たしているのもポイントだ。
オンライン対戦機能ではランクマッチも搭載されているので、コアユーザーが白熱したファイトを楽しむことも可能。対戦モードではAIとの対戦もできるので、初心者もストーリーでルールを覚えつつカードを集め、AI戦でファイトに慣れていき、その後に対人戦と段階を踏んでゲームをプレイできる。
操作に関しては、Nintendo Switch版であればコントローラー。Steam版であればキーボードとコントローラーの好きな方でプレイできる。カードゲームのデジタル版となると、気になる部分はカード操作感だが、そこに関しては全くストレスを感じなかった。カードの処理はスムーズかつ、ワンボタンでカードが自動で指定場所に移動してくれる。
設定をすれば各タイミングで「本当にプレイして良いですか?」の最終確認を決定できたり、演出の有無を調整できたりするので、スピード感を重視したいユーザー、ファイト中の演出を味わいたいユーザーのどちらのニーズにも応えられる仕様となっている。
演出面については、ファイト中の各所で選択したキャラクターの声が入ったり、特定のカードをプレイすると登場演出が発生したりと豊富な演出が用意されている。
プレイマットやカードスリーブも前作のものに加えて新規のものも増えており、気分に合わせてキャラクターやカスタマイズを楽しめる。これらはデッキごとに設定可能で、細かいシステムの利便性も非常に高く感じた。
■近年のカードだけでなく約14年前の環境で遊べる“ヴィンテージファイト”も
収録カードは前作収録カード加えて、それ以降にリリースされたカード群が加わっており、リリース段階では『リリカルモナステリオ ほしがきらきらっ!』までの発売カードを収録(※一部カードは除く)しており、それらを自由に使用してカードファイトを楽しめる。
カードプールはリアルの『カードファイト!! ヴァンガード』から約半年前の状態となっており、リリース後はDLCを通してカードが追加されていく。
一部コラボカードなどは収録されないとのことだが、これが逆に実際の過去に築かれた環境とは異なる環境を生み出す要因となる可能性もある。
事実、過去にはコラボカードを使ったデッキが猛威を振るっていた時期があるので、その頃に埋もれてしまっていたデッキが本作で日の目を見るということもありえる。ユーザーの研究次第では、ゲーム独自の環境を楽しめるかもしれない。
カードはファイトでポイントを集めてショップでパックを購入して集めていく。パック以外にも、実際に販売されていた構築済みデッキが販売されており、それを買ってデッキを丸ごと購入することも可能。
余剰したカードは生成ポイントに変換され、それを使って足りないカードを生成できる。この生成ポイントは課金によっても獲得できるので、ゲームスタート時から早速環境で活躍していた完成形のデッキを使うことも可能だ。
パックからは稀にホロ仕様のカードが出ることがあり、デッキのレアリティをこだわることも可能。使うデッキすべてのカードをホロ仕様にするためにパックを開けたり、純粋にコレクションとして収集したり、デジタルカードでありながら収集欲をそそる要素もある。
また、本作は近年のカード環境だけでなく過去の環境もプレイできる“ヴィンテージファイト”を搭載している。プレイできる範囲は2011年発売のブースターパック『騎士王降臨』から、2012年発売のエクストラブースター『歌姫の饗宴』まで。当時ヴァンガードを遊んでいたプレイヤーが懐かしいデッキを使って遊べる点も本作の大きな魅力と言える。
試遊では“マジェスティ・ロードブラスター”や“ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド”など、当時に猛威を振るっていたデッキを触ることができた。筆者は当時のユーザーの1人だが、もう二度と体験できないと思っていた対戦を味わえるのは感動という他ない。恐らく、当時遊んでいたユーザーであれば皆同じ感想を抱くのではないだろうか。
もちろん、ルールも最新のルールとは異なっており、ライドデッキやエネルギーなどは存在せず、当時のユーザーを悩ませたライド事故なども発生する。逆に過去のルールやカードで遊んだことが無いユーザーにとっても、新鮮なファイトを味わえるモードと言えるだろう。
ストーリーの主人公の設定が“過去にヴァンガードをプレイしておりとあるきっかけで復帰した”という内容だったり、“ヴィンテージファイト”で過去の環境を遊べたり、休眠ユーザーに刺さる要素は満載。“ヴィンテージファイト”目的で購入して、本作を通じて最近のカードに触れて、そのままリアルにも復帰……という流れも多くなりそうだ。
ブシロードは発売後にはさまざまなイベントを予定しており、オフラインでの交流会などを企画しているとのこと。カードの追加で継続的にプレイでき、イベントにも参加のチャンスがあるとなれば、コンシューマータイトル1本としての遊びの幅を大きく超えていると言える。
既存ユーザーが家でファイトを楽しむのはもちろん、初心者や子供などリアルカードを集める前段階のユーザーに向けての入門口としても、休眠ユーザー復帰のきっかけにもなり得る本作。
“ヴィンテージファイト”は10年以上前の環境の再現とのことで、当時遊んでいたユーザーが結婚して子供を持って2世代で楽しむ……ということもあるかもしれない。『カードファイト!! ヴァンガード』面白さを凝縮した内容で、このコンテンツに興味を持っているさまざまな層にオススメしたい作品だ。
■『カードファイト!! ヴァンガード ディアデイズ2』
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(C)VANGUARD DivinezCharacter Design(C)2021 -2024CLAMP・ST
(C)VANGUARD Dear DaysCharacter Design(C)Akira ITOU
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブシロード
- 設立
- 2007年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 木谷 高明
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高462億6200万円、営業利益8億8200万円、経常利益18億9800万円、最終利益8億400万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7803