【決算レポ】Aiming、『ウィンヒロ』受託売上や『カゲマス』周年イベ寄与し第4四半期は黒字転換 体制変更の『DQタクト』も「かなり好調」

 

Aiming<3911>の2024年12月期 第4四半期(24年10~12月期)の連結決算は、売上高53億1200万円(前四半期比44.4%増)、営業利益7億5100万円(前四半期は5億5400万円の損失計上)、経常利益8億8100万円(同4億7800万円の損失計上)、最終利益6億3000万円(同3600万円の損失計上)と大幅増収・黒字転換を達成した。

・売上高:53億1200万円(同44.4%増)
・営業利益:7億5100万円(同5億5400万円の損失計上)
・経常利益:8億8100万円(同4億7800万円の損失計上)
・最終利益:6億3000万円(同3600万円の損失計上)

  

■『ウィンヒロ』の受託売上計上、『カゲマス』『DQタクト』も想定上回る

決算説明会で説明にあたった椎葉忠志社長は、「一番大きなところは『WIND BREAKER 不良たちの英雄譚(ウィンヒロ)』に関連した受託売上が計上されたこと」と説明した。ゲーム製作委員会の契約締結が完了したそうだ。

同社は、ゲームの製作委員会に出資しつつ、製作委員会から開発の委託を受けている側面があり、その売上がこの四半期に計上されたという。3月12日のリリースに向けて、契約締結に先行して開発が進行していたため、これまで開発を進めていた成果物の売上がまとまって計上された。

余談だが、アニメ業界では、製作委員会の契約締結は、アニメ放送終了後に行われるケースが珍しくない。ゲーム業界では(こちらがごく常識的なのだが)契約締結後に売上計上が認められるため、アニメ業界に入ったゲーム会社がこの"常識"の相違に戸惑ったり、契約前の支出を渋るためトラブルになったりする、とも聞く。

話を戻すと、既存タイトルも健闘した。『陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン(カゲマス)』2周年イベントが好調だったほか、想定より良い結果ではないと前置きしながら『2.5次元の誘惑(リリサ)天使たちのステージ(リリステ)』と『銀河英雄伝説 Die Neue Saga(ノイサガ)』の売上も計上されたと明かした。

 

主力タイトル『ドラゴンクエストタクト』も「かなり好調」だそうだ。『カゲマス』と同様、予測を上回る状況が続いているという。昨年の夏頃に開発・運営体制の変更を行い、徐々に効果が出て、第4四半期の売上は前年同期を上回ったという。「お客様に新しい楽しみを提供できているのではないか」とし、2025年も継続していく考え。

なお、『リリステ』や『ノイサガ』など、サービス開始後に「我々の予想よりも少し良くない結果になっている」とし、コスト適正化も行った。その結果、広告宣伝費だけでなく、プロジェクト規模の適正化などを行ったという。両タイトルともにユーザー獲得が想定に達していないが、『リリステ』については「赤字を垂れ流す状況ではなくなっている」とし、サービスを継続して利益創出を行っていく。

また、費用については、サービス開始した『リリステ』の開発過程で資産計上した部分について、将来の回収の見込みを照らし合わせて減損損失を売上原価に計上したという。同社では、開発中のゲームは費用計上しているが、サービスが確定したところから資産計上を行っているとのこと。

また、販売管理費については、広告宣伝費が減少した。これは主に前四半期では『リリステ』サービス開始後のプロモーション施策として、広告宣伝費を大きく使う場面があった。この四半期では、それが落ち着いた効果だという。

  

■2025年12月期第1四半期の見通し

2025年12月期第1四半期(25年1~3月)の業績は、売上高51億2700万円(前四半期比3.5%減)、営業利益11億6900万円(同55.8%増)、経常利益2億1000万円(同76.1%減)、最終利益1億1000万円(同82.4%減)を見込む。

・売上高:51億2700万円(同3.5%増)
・営業利益:11億6900万円(同55.8%増)
・経常利益:2億1000万円(同76.1%減)
・最終利益:1億1000万円(同82.4%減)

 

売上については、大きく伸びた前期の第4四半期と大きく変わらない水準を維持する見通し。『リリステ』や『ノイサガ』など既存タイトルの逓減や『カゲマス』などは2周年イベントの後で反動などが想定されるが、『ウィンヒロ』の受託売上やアニメ製作委員会のロイヤリティなどを計上する予定だ。

売上原価については、アニメ製作委員会の出資などもあるものの、前四半期に計上した『リリステ』の減損損失に相当するものがなくなるため、前四半期に比べて減る見通し。販売管理費については『カゲマス』の2周年などに関連した広告宣伝費が増えていたが、この四半期は抑える計画。これに増収効果が加わって、営業利益が大きく伸びる見通し。

経常利益については、営業利益との大きな乖離が発生するが、『ウィンヒロ』の製作委員会に関連するものとなる。製作委員会組成に伴い、売上が計上されると同時に、その先行コストも発生する。同社の製作委員会への出資比率は38.46%と持分法適用会社となるため、投資損失を営業外費用として計上する。これが乖離の原因となる。

株式会社Aiming
http://aiming-inc.com/
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会社情報

会社名
株式会社Aiming
設立
2011年5月
代表者
代表取締役社長 椎葉 忠志
決算期
12月
直近業績
売上高170億8600万円、営業損益5億5200万円の赤字、経常損益1億5000万円の赤字、最終損益3億4100万円の赤字(2024年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3911
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