【決算まとめ②】ゲーム関連企業36社の24年10~12月期は営業赤字が7社とコロナ禍以来の10社以下に 新作貢献のAimingが大幅黒字転換 ワンダープラネットは再び赤字に
主要モバイルゲーム企業の2024年10~12月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期の営業赤字計上企業についてを取り上げたい。
この四半期に営業赤字を計上した企業は、データ集計対象の36社中、7社となった。前四半期の12社から5社の減少で、10社を割り込んだのは2021年7~9月期以来、13四半期ぶりとなる。いわゆるコロナ禍のゲーム事業にとっては特需が発生していた時期であり、脱コロナ後の苦戦のトンネルの出口がようやく見えた状況だろうか。次の四半期の動向をじっくりと見極めたい。
なお、この四半期は8社が営業黒字転換を果たした一方で、新たに3社が営業赤字に転落した。黒字転換を果たしたのは、グリーHD<3632>とボルテージ<3639>、ドリコム<3793>、Aiming<3911>、アピリッツ<4174>、coly<4175>、バンク・オブ・イノベーション(BOI)<4393>、東京通信グループ<7359>という顔触れになる。
Aimingは、2024年9月3日に『2.5次元の誘惑(リリサ)天使たちのステージ』、同年10月2日に『銀河英雄伝説 Die Neue Saga』を配信開始しており、売上がQonQ(四半期推移)で44.4%の増収となったことに加え、リリース前で先行していた広告宣伝費が落ち着いたことが大幅な利益回復につながった状況だ。
また、グリーHDはゲーム事業が10月28日に3周年を迎えた『転生したらスライムだった件 魔王と竜の建国譚』(『まおりゅう』)が好調な推移を見せたことで増収増益となったことに加え、前四半期は投資事業が一過性の損失を計上していた反動による黒字化となる。同社は持ち株会社体制への移行や、ライブサービスゲーム事業の再編など大ナタも振るっており、次の四半期以降の動向も大いに注目される。
半面、この四半期で営業赤字に転落したのは、ネクソン<3659>とアカツキ<3932>、ワンダープラネット<4199>となっている。ワンダープラネットは、収支改善を目的とした複数タイトルの終了などが奏功し、前四半期は黒字を回復していたが、この四半期は新作『パンドランド」への投資先行に加え、複数の新作開発費用の計上が響き、再び赤字に落ち込んだ。安定した黒字化体制を構築するにはやや時間がかかる可能性もありそうだ。
会社情報
- 会社名
- グリーホールディングス株式会社
- 設立
- 2004年12月
- 代表者
- 代表取締役会長兼社長 田中 良和
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3632
会社情報
- 会社名
- 株式会社Aiming
- 設立
- 2011年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 椎葉 忠志
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高170億8600万円、営業損益5億5200万円の赤字、経常損益1億5000万円の赤字、最終損益3億4100万円の赤字(2024年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3911
会社情報
- 会社名
- ワンダープラネット株式会社
- 設立
- 2012年9月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 常川 友樹
- 決算期
- 8月
- 直近業績
- 売上高24億4900万円、営業利益1億2100万円、経常利益1億1300万円、最終利益9200万円(2024年8月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 4199