シリコンスタジオ、筑波大学の研究プロジェクトのシミュレーション環境として「Omniverse」を活用した3Dデジタルツインによる仮想空間を開発・提供

シリコンスタジオ<3907>は、筑波大学が実施する人協調型ロボット開発の研究プロジェクトで用いるシミュレーション環境として、NVIDIA Omniverse(オムニバース、以下「Omniverse」)を活用した3Dデジタルツインによる実寸大の仮想空間を開発・提供したことを発表した。

同社が開発した仮想空間は、現実空間に存在するロボットや居室などに取り付けられた各種センサーデータのほか、ロボットの動作のモーションキャプチャーデータなどをシミュレーター上の3Dモデルに反映させることにより、事前のシミュレーションを可能にするもの。筑波大学の研究プロジェクトにおいて、開発した人協調型ロボットの動作試験を行うために利用されている。

同社は、クラウド上のデータにアクセスしてOmniverseに取り込むため、独自のExtension(機能を拡張するためのプラグイン)もPythonスクリプトで開発、実装した。また、仮想空間で発生したロボットとほかのオブジェクトとの衝突結果をROS連携でOmniverse外に通知する仕組みも構築している。

仮想空間には、筑波大学の研究棟建屋のほか、歩道や障害者駐車スペースと車道を含む周辺、センター内部のエントランスやエレベーター、いくつかの居室、廊下などが含まれる。

3Dモデルは、高精度なレーザースキャナーによる点群データと一眼レフカメラによるフォトグラメトリをベースに制作した。同社テクニカルアーティスト(TA)が、現場の写真を参照しながら形状が正しくない箇所の修正、樹木に隠れた外壁などの測定されていない箇所の補足、ガラスの透過率の調整などの作業を施している。照明やエアコン、家具、家電製品など、一部の3Dモデルは既成のデータを活用して組み合わせ、仕上げた。また、制作した3DモデルはOmniverse上に配置し、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)に表示することで、ドアの開閉やエレベーターのボタン操作をすることもできるようにしている。

シリコンスタジオ株式会社
http://www.siliconstudio.co.jp

会社情報

会社名
シリコンスタジオ株式会社
設立
2000年1月
代表者
代表取締役社長 梶谷 眞一郎
決算期
11月
直近業績
売上高44億1400万円、営業利益1億4300万円、経常利益1億2300万円、最終利益8700万円(2024年11月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3907
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