KADOKAWAグループのGeeXPlus社、海外インフルエンサー主導のアニメ製作事業を始動 第1弾はYouTuber"Gigguk"と『コードギアス 奪還のロゼ』監督による短編アニメ

GeeXPlus(ドワンゴの子会社/KADOKAWAグループ傘下)は、米国ロサンゼルスで開催中の北米最大級のアニメイベント「Anime Expo 2025」(7月3~6日)のパネルにて、アニメ・コンテンツ製作を手掛ける新規事業「GeeXProductions」を立ち上げたことを発表しました。
あわせて、同事業の第一弾となるコンテンツとして、短編アニメ映画『baan-大人の彊界-』(バーン-おとなのきょうかい-)、1クールアニメ『Soul Mart』(ソウルマート)など、計3作品の情報を公開しました。
■『baan-大人の彊界-』

Gigguk初のアニメ制作となる本作では、「Garnt Maneetapho(ガーント マニタポ)」名義で企画・原案を担当します。タイ人の両親のもとイギリスで育ち、タイでも暮らした彼自身の文化的アイデンティティや居場所をめぐる葛藤が物語のテーマとして描かれている。監督は『コードギアス 奪還のロゼ』『ウィッチブレイド』『刻々』などの監督としても知られる大橋誉志光が務め、音楽は『薬屋のひとりごと』や『メイドインアビス』を手掛けたKevin Penkinが担当。
本作は「Anime Expo 2025」のパネルにて制作陣が完成を発表し、今年8月の劇場上映会で本編を初公開した後、制作の舞台裏に迫ったドキュメンタリーとともにYouTubeにて一般公開される予定。
<作品概要>
■タイトル:『baan-大人の彊界-』(本編:17分)
■先行公開:2025年8月24日(日) 日本国内の劇場上映会にて(場所等の詳細は後日公開予定)
■一般公開:アニメ制作の舞台裏ドキュメンタリー長編とともにGigguk公式YouTubeにて公開
※詳細や公式グッズ販売についても同チャンネルにて順次公開予定
■言語:日本語版/英語吹き替え版(予定)
■企画・原案:Garnt Maneetapho(Gigguk)
■企画・製作:株式会社GeeXPlus
■監督:大橋誉志光
■音楽:Kevin Penkin
■主要キャスト:ダイチ役:石毛翔也、リン役:三川華月
■制作:studio daisy
■あらすじ:
日本と繋がれた異世界の国「ユーサニア」で、故郷を離れ自分の居場所を探す2人の主人公リンと大地。大地は過保護な両親のいる日本を離れ、自由な生活を求めてユーサニアへ向かう。リンは幼くして孤児となり、自立して生きる必要性を感じてユーサニアを離れるが…。
<Giggukコメント>
私の人生はアニメのおかげで計り知れないほどに変わりました。だからこそ「アニメを作る」というのは子供の頃からずっと思い描いてきた夢でもありました。
これまで私は多くの国に住み、様々な文化に触れてきました。タイ人の両親のもとイギリスで育った私は、「故郷」という概念を理解するのがいつも難しいと感じていました。そして成長して初めて、自分なりの答えを見つけたのです。
この短編アニメには、自分自身の「本当の故郷」を探し求めた経験と感情のすべてを込めています。
<監督:大橋誉志光コメント>
Garntという人間に興味が湧いたことと、ちょうど別の企画を終えたところだったので「ショート映画なら気軽にできそう」と思ったことが、本作の監督を引き受けた理由でした。
しかし実際作ってみたら、私が容赦なくリテークを出したこともあり、思いのほかヘビーな作業になりまして。もっと楽に作る方法もあったのですが、今自分たちができることを最大限つぎ込み、「studio daisy」の名刺にもなるようなとても良い作品にできたと思っています。
■『Soul Mart』

「KADOKAWA」「DillonGoo Studios」「GeeXPlus」の共同出資によるオリジナル1クールアニメ『Soul Mart』。原作・脚本・監督は、2014年に国際WEBアカデミー賞「最優秀アニメーションシリーズ賞」を受賞した3DCGアニメシリーズ『RWBY』の制作メンバーとしてアクションシーンなどを担当し、3Dアニメーター兼YouTuberとして130万人以上のYouTubeチャンネル登録者数を誇る「Dillon Goo」が務める。プロデューサーは、エミー賞を6度受賞し、映画『マダガスカル』や『ペンギンズ』で知られる「Chris Neuhahn」が担当。パイロット版は2025年11月頃、原作となるWeb漫画は2025年9月頃に公開予定。
<作品概要>
■タイトル:『Soul Mart』 (1クール版本編22分×12話。パイロット版22分×1本)
■配信方法:YouTube
・パイロット版:2025年11月公開予定(詳細は順次公開予定)
・1クール版:2027年公開予定
■言語:英語版/日本語吹き替え版(予定)
■原作・脚本・監督:Dillon Goo
■プロデューサー:Chris Neuhahn
■製作:株式会社GeeXPlus
■あらすじ:
謎のエナジードリンク「AWAKE.EXE」を飲んだ瞬間、キエルの人生は一変する。彼の手首に現れた呪われた刺青が死へのカウントダウンを刻み始めたとき、悪魔の存在を信じるスーパーのレジ打ちサリナが彼を救うきっかけとなる。
友情と裏切り、犠牲と覚醒。―魂を賭けた戦いが今、始まる。
<Dillon Gooコメント>
SNSやインターネットなどが発達した世の中では、常に評価されたりなにかに追われていると感じる人が多いと思います。そんな日常に苛立ちを覚える人に焦点を当て、「抗えるぞ!」というメッセージを伝えたくて今回脚本を作りました。
自分が会社員をしていた頃から「役員」とか「取締役」とかの肩書きって威圧的だなと感じてたんです。なので悪魔企業の役員たちと戦うキエルとサリナを見て、上司に怯えてたり権力に抗う人たちの力になるかもしれません。でもそんな真面目な話よりもまずはこの作品を楽しんでもらいたいです!
■『Otachan! Rabbit Season』

「Otaku-Vs(オタクヴィエス、GeeXPlus所属)」が制作し、200万回以上再生された人気回もあるオリジナルYouTubeアニメシリーズ『Otachan!』。「Anime Expo 2025」では、同シリーズ『Otachan! Rabbit Season』の最新話をプレミア上映にて初公開した。また、順次Otaku-Vs公式YouTubeチャンネルでも配信する。
「GeeXProductions」担当者コメント
私たちは、クリエイターおよびブランドパートナーに対し、さらなる価値を生み出す取り組みを続けてきました。その一環として、KADOKAWAグループの一員という強みを活かし、オリジナルアニメIPの創出に乗り出せることを大変嬉しく思います。これにより、企画から完成まで、より深くクリエイティブプロジェクトに関与できる体制が整います。
当社は、オーガニックなファンベースを持つインターネット発の優れたクリエイターと多数つながっており、アニメ業界の専門家との強固なネットワークも築いています。こうした強みを掛け合わせることで、クリエイターのアイデアをこれまでにない形で、業界と連携しながら実現することが可能になりました。
(GeeXPlusチーフオフィサー兼エグゼクティブプロデューサー Rick Gao)
会社情報
- 会社名
- 株式会社KADOKAWA
- 設立
- 1954年4月
- 代表者
- 代表執行役社長CEO 夏野 剛/代表執行役CHRO兼CLMO 山下 直久
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高2779億1500万円、営業利益166億5100万円、経常利益177億4200万円、最終利益73億9200万円(2025年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9468