Discordは、「Discord Social SDK」を通じて高品質なボイスチャット、クロスプラットフォームメッセージング、リンクドチャンネルなどの強力なゲーム内コミュニケーション機能をデベロッパー向けに提供開始したことを発表した。
今年初めにクローズドベータ版として提供されていたものが今回より商用利用が可能となり、Discordの高品質・安定した音声およびメッセージ機能をゲーム内に直接組み込むことができるようになった。これにより、プレイヤー同士のつながりが強化され、プレイ時間の延長やマルチプレイヤー体験の向上が期待できる。
対象となるゲームにSocial SDKを統合したデベロッパーは、ゲーム内コミュニケーションを強化し、プレイヤーの継続率を高める優れたソーシャル機能を利用できるようになる。Discordのデータによると、SDKを通じてアカウントを連携したプレイヤーは、ゲームへのアクセス頻度が高まり、アクティブなプレイ日数の増加につながっている。フレンドリストを統合することで、プレイヤーはゲーム内からスムーズにDiscord上のフレンドとつながることができ、ゲーム内で出会った仲間との会話をDiscord上でそのまま続けることも可能になる。これにより、チームを組んだり、つながりを維持したり、再びプレイに戻ったりすることが、これまで以上に簡単になる。
プレイヤー同士のつながりを円滑にし、エンゲージメントを高めることを目的として設計されたSocial SDKは、月間アクティブユーザー2億人以上を誇るDiscordの非常にアクティブなコミュニティに開発したゲームを届けることを可能にする。Discordのユーザーたちは、毎月合計19億時間以上をDiscord上でゲームに費やしている。
Discordは、ゲームで遊ぶ人のための「デジタルなリビングルーム」として機能しており、親しい友人やコミュニティが互いに影響を与える空間となっている。これは、従来のマーケティングや広告以上にプレイヤーの行動を後押しできると考えられる。Discordの内部データによると、Discord上のプレイヤーの40%以上が、友人の配信を視聴してから1時間以内に同じゲームをプレイしている。
この正式リリースにより、インディー系のデベロッパーから大手ゲームパブリッシャーまで、あらゆるデベロッパーが、Discordのグローバルコミュニティを支えている高品質な音声およびメッセージング基盤を自らのゲームに統合できるようになった。統合可能な機能には以下が含まれる。
・クロスプラットフォームチャット
プレイヤーは、Discordアカウントがなくても、デスクトップ、コンソール、モバイルを問わず、Discord上とゲーム内で会話を途切れさせずに続けることが可能。ユーザー間のダイレクトメッセージは、ゲームとDiscordの両方に表示され、プレイヤーはゲームを離れることなくDiscordのフレンドとやり取りできる。
・リンクドチャンネル
Discordアカウントを連携したプレイヤーは、ゲーム内のチャットチャンネルを、自分の選んだ特定のDiscordテキストチャンネルと接続できる。これにより、あらゆる規模のチームが、ゲームとDiscordの両方でメッセージが同期する共有スペースを持つことが可能だ。
・ボイスチャット
プレイヤーは、最高水準の音声チャットを利用できる。これは、Discordのボイスツールを支える技術によって実現されており、ビデオゲームコミュニケーションの新たな標準として高く評価されている。
▼Discord 共同創業者 兼 CTO スタニスラフ・ヴィシュネフスキー氏コメント
「DiscordのSocial SDKは、当社の音声およびメッセージング技術に、Discordの膨大でユニークなエンゲージメントを誇るユーザー層の力を組み合わせ、インディーチームからグローバルスタジオ制作のものまで、あらゆるゲームに直接組み込むことができます。私たちはこの10年以上にわたり、世界中の何百万ものDiscordプレイヤーやコミュニティのために、信頼性の高いソーシャルインフラを構築してきました。今や、デベロッパーは同じシームレスなコミュニケーション体験を自らのゲーム内に取り入れ、プレイヤーのエンゲージメントをより深め、プレイ時間を延ばすことが可能になります。DiscordのSocial SDKを使えば、プレイヤーはゲームをしながら友達と簡単に会話でき、操作もわかりやすく、どのプラットフォームでもスムーズにコミュニケーションが楽しめます」
■人気ゲームで広がる、新時代のソーシャルプレイ
今年初めのローンチ以来、Social SDKは多様で拡大し続けるマルチプラットフォーム開発者のエコシステムの中で急速に注目を集めている。Omeda Studios、Tencent Games、Marvel Rivalsといった初期パートナーはすでにゲーム内コミュニケーション機能を統合し、プレイヤー体験の向上に役立てている。さらに、Embark Studios、Dreamhaven、Halfbrick Studios、Digital Bandidosなどのパートナーも、Discordの機能を自社タイトルに導入すべく積極的に取り組んでいる。
▼Omeda Studios 共同創業者兼CEO ロビー・シン氏コメント
「DiscordのSocial SDKを『Predecessor』に導入したことは、プレイヤーにとってもビジネスにとっても大きな成功となりました。Social SDKは、ゲーム内で提供したいと思っていた音声チャットやテキストチャットといった機能を内蔵しており、プレイヤーが使い慣れているDiscordの機能をそのままゲーム内で利用できるようになりました。特にボイスチャットは注目の機能で、MOBAにおけるリアルタイムの戦略やチームワークに不可欠です。プレイヤーからは、ゲームがより魅力的で仲間とつながりやすく、そして楽しくなったと好評をいただいています。Social SDKの統合は、すでにより強固なゲーム内コミュニティの形成やプレイヤーの継続率向上に寄与しています」
▼Arena Breakout プロダクトマネージャー カーター・ション氏コメント
「Discord Social SDKの統合により、『Arena Breakout』のプレイヤー同士のつながりが向上し、クロスプラットフォームチャットやスクワッド招待がより手軽に感じられるようになりました。没入感のあるソーシャルファーストなゲームプレイという私たちのビジョンを支えるうえで非常に重要な役割を果たしています。Discordの協力的なアプローチにより、コミュニティのニーズに合わせた統合が可能となり、プレイヤーコミュニティに最適な強いエンゲージメントを実現しています」
■アップグレードされた機能
大規模なアップデートとテストを経て、Discordはまるでデベロッパーのゲーム専用かのようなチャット機能のアップグレードを導入した。
・アクティブなロビーのチャット履歴
プレイヤーはアクティブな(すでに参加者がいる)ロビーに参加した瞬間から、チャットの流れをすぐに把握できる。またまもなく、プレイヤーはゲームプレイの前後にチャット履歴を確認できるようになり、プレイセッションの間でもダイレクトメッセージを継続できるようになる。
・音声のカスタムエフェクト処理
カスタムエフェクト処理の導入により、デベロッパーはDiscordのボイス音声をfmodやWwiseなど、好みのサウンドミドルウェアを通して処理できるようになった。これにより、プレイヤーはより高品質な音声体験を得られ、お気に入りのゲームの世界にさらに深く没入することが可能になる。
・モバイルでの音声体験の向上
プレイヤーは、これまでと同様にDiscordの高品質なボイスチャットを利用できるだけでなく、音声の忠実度や接続性の向上により、モバイル環境でもより長時間安定した音声セッションを維持できるようになった。
・トラブルシューティング機能
SDKの商用リリースに伴い、Discordは音声に関する診断情報をデバッグ用に追加した。これにより、エンジニアはエコーキャンセルやノイズリダクションといった一般的な音声の問題について、より高い可視性を持って対応できるようになる。
これらの機能はデベロッパーに対して無償で提供されており、プレイヤーがDiscordアカウントを持っていなくても利用可能だ。デベロッパーは、Discord Developer Portal(ディスコード・デベロッパーポータル)を通じて、これらの機能の統合を開始できる。すべての機能にアクセスするには、基本的な要件を満たしたうえで、統合内容を審査に提出する必要がある。
会社情報
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- Discord