AI Mage、アニメIPのライセンス監修業務を効率化する『AI Mage - 監修システム』β版をリリース 1.7億円の資金調達も

AI Mageは、独自開発したアニメ作品の理解に特化したAI「Anime General Intelligence」(AGI)を活用し、アニメIPのライセンス監修業務を効率化する『AI Mage - 監修システム』のβ版をリリースし、正式版提供開始に先駆け、先行してβ版を試せるパートナー企業を社数限定で募集している。また、ジェネシア・ベンチャーズ、Plug and Play Japan、Headline Japanを引受先とする第三者割当増資により1.7億円の資金調達を行ったことも合わせて発表した。

アニメIPを用いた商品化やゲーム化などの二次利用はアニメ産業の収益の大きな柱であるが、原作の世界観やキャラクター設定との整合性を確認する監修作業が不可欠となる。しかし、この監修業務は経験と記憶に頼る部分が大きく属人化しやすく、業務ツールが分断されているため、全体の業務効率低下やノウハウの分散が生じている。これが商品化のリードタイム長期化や監修業務のキャパシティ不足を引き起こし、ライセンス事業拡大のボトルネックであった。

『AI Mage - 監修システム』は、この課題を解決するために開発された。従来の様々な業務ツールに跨って行われていた監修物へのコメントや修正指示を、プロダクト上で完結できる。独自開発のAGIが参考資料の検索やパターン化された監修作業をアシストすることで、担当者の負荷を大幅に軽減する。主な機能は次の3点である。

・監修タスクの一元管理: 多様なファイル形式の監修物をまとめてアップロードし、プロダクト上で一元的にコメント等の監修タスクを実行・管理できる。
・AIによる参考資料の収集: 監修物をチェックする際に参照すべき過去の作中シーンや設定資料等を、AIが自動で検索し、提案する。
・レビューポイントの設定とAIによる一次監修: 監修時のチェック項目をレビューポイントとして事前に登録しておくことで、AIが一次監修を行う。レビューポイントはプロジェクトやチーム毎にカスタマイズ可能である。

 

AI Mageは、汎用モデルのAPIに頼るのではなく、東京大学松尾研究室出身の張を中心にAIエンジニアが参画し、独自モデルの開発やタスクに応じたAIの使い分けを日々研究開発している。AIによる判断が難しいタスクについては、UI/UX面の工夫により人間の判断をサポートする機能を実装している。本システムの開発は、複数の大手IPホルダーのパートナー企業の現場担当者からのフィードバックを得ながら進められてきた。

今回調達した資金は、AGIの開発および『監修システム』をはじめとした各種プロダクトのアップグレードに活用する。AGIを活用してIPホルダーによる海外ライセンス展開の機会拡大を目指す新たな事業モデルの検証を加速する方針である。これに伴い、ビジネス、プロダクト両面で事業の成長を担う新メンバーを積極的に採用する。今後は、β版利用パートナー企業からの意見に基づき、正式版リリースに向けたプロダクト改善のPDCAを加速していく。