【レポート】『KOF98 IF』リリース発表会でえなこさん・南あみさんが公式コスプレイヤーに就任 CenturyUU勝部氏が語る「日本のIP×中国開発×ブラウザ」の勝ち筋

CenturyUUは、9月1日、東京某所にて、ブラウザゲーム『KOF98 IF(King of Fighters'98 Infinite Fighting)』のリリース記者発表会を開催した。

本作は、SNKの『THE KING OF FIGHTERS '98』を題材とした6vs6ターン制カードデッキRPG。8月31日より、ディー・エヌ・エー(DeNA)の協力のもとMobage/Yahoo!モバゲーで先行配信が始まっている。草薙京、八神庵、不知火舞、麻宮アテナ、オロチなどおなじみのファイターが登場し、好きな6人でドリームチームを編成して戦うのが基本の遊びだ。

発表会にはCenturyUU代表取締役の勝部駿氏、DeNAの荒久田敏紘氏、開発を手掛ける中国のスタジオ・ゲームハート代表のJEFF氏が登壇。さらにスペシャルゲストとして、公式コスプレイヤーに就任したえなこさん、南あみさんが姿を見せた。本稿ではその模様をレポートしていく。

「電車が10分遅れたときに取り出せるゲーム」 CenturyUUがブラウザにこだわる理由

冒頭に登壇した勝部氏は、まず前日の無事なリリースを報告したうえで、本作には「ブラウザで動くこと」「日本のIPと中国の開発の掛け算であること」という2つの特徴があると切り出した。

CenturyUUは2020年の設立。当初は北京本社を持つ中国企業の日本法人という、当時よくあった形態でスタートしたという。しかしコロナ禍を経てモバイルアプリ市場の競争と開発コストが高騰していくなかで、同社は別の戦い方を模索。2022年3月に経営陣が全株式を取得してMBOを実施し、その頃からブラウザゲームに注目し始めたと勝部氏は振り返る。

背景にあるのは、モバイルゲームの「重さ」への問題意識だ。勝部氏は、かつて『崩壊3rd』の画面をスマートフォンで見たときの衝撃を挙げ、家庭用と変わらない映像体験がモバイルで得られること自体は素晴らしいと前置きする。その一方で、最初にキャラクターを作り終えるまでに30分や1時間を要するタイトルも珍しくない現状に、本当にいまのユーザーの生活に合った遊び方なのかという疑問を投げかけた。

そこで再評価されたのがブラウザゲームだ。HTML5の普及によりUnityで制作したゲームもブラウザ上で動くようになり、表現力そのものが底上げされてきた。友人が5分遅れる、電車が10分遅延している——そんな隙間にすっと取り出せるゲームはどの時代にも必要であり、それこそがブラウザゲームの価値である、というのが勝部氏の主張である。同社が今後手掛ける多くの作品もブラウザであり続けるとした。

▲CenturyUU代表取締役の勝部駿氏。

日本のIPは「セラミックコンデンサー」 稲盛和夫氏の経営判断に学んだ発想

もう1つの軸である「日本のIP×中国の開発」については、勝部氏自身のキャリアが原体験になっているという。

2005年に中国・上海の復旦大学に入学し、2009年に卒業後はファーウェイに入社。29歳で同社最年少の事業部長に就任し、そこで担当したのが京セラだった。勝部氏は、稲盛和夫名誉会長がスマートフォン時代の到来を前に、携帯電話の完成品製造から撤退し、セラミックコンデンサーや電子部品といった製造処方が問われる領域で世界と戦うと意思決定した点に着目する。勝てない畑ではなく勝てる畑を選ぶ——その判断は、いまやどのメーカーの端末にも京セラの部品が入っているという形で結実した。

同じことがゲームの世界にも言えるのではないか、というのが勝部氏の見立てだ。日本のゲームの技術力が世界最先端を走り続けていると胸を張れる状況ではない、と厳しい認識を示す一方で、コンテンツの世界における「セラミックコンデンサー」に相当するものが日本にはある。それが原作であり、IPだという。

なぜ日本のIPは強いのか。勝部氏はこれを高校野球にたとえた。3年で全選手が入れ替わるのに強豪校が強豪であり続けるのは、そこに文化と土壌があるからだ。ドラゴンボールやONE PIECEで育ち、IPや物語がどう生まれてきたかを見続けてきた——その蓄積が日本人のなかにあり、世界と戦うべき原資になる、という論だ。

対する中国・海外の開発力については、そのスピードを評価する。3年かけて開発すれば3年分だけ時代に遅れる映像・ゲーム産業において、企画から立ち上げまでの速さは決定的に重要になる。日本のIPと中国の開発スピードを組み合わせ、ブラウザ上で提供する。これが現代に合った1つの答えではないか、と勝部氏は語った。

そのうえで本作については、格闘ゲームそのものの体験を再現することはブラウザゲームである以上難しいと認めつつ、キャラクター名、スキル名、バトルの演出、シナリオといった細部で「懐かしさ」を追求したと強調。プレイヤーに「自分のあの時代だ」と感じてもらうための演出にこだわったという。

今年20周年を迎えたMobage DeNAが先行配信の場に

続いて登壇したDeNAの荒久田敏紘氏は、Mobageが2026年2月にサービス開始から約20周年を迎えたことに触れ、そのメモリアルイヤーに格闘ゲームの金字塔である「KOF」が自社プラットフォームに登場することへの感謝を述べた。

CenturyUUのIP戦略と運営力によって本作が生まれたことに敬意を表するとともに、先行配信の場としてMobage/Yahoo!モバゲーを選んでもらったことにも謝意を示し、1人でも多くのユーザーに遊んでもらえるよう、プラットフォームとして各種の支援・サポートを提供していきたいと語った。

▲DeNAの荒久田氏

開発は中国のゲームスタジオゲームハート
「打撃感・競い合い・育成」と3本柱のこだわり

PVの上映後には、開発を担当したGameHeart Ltd.代表のJEFF氏が登壇し、通訳を介して本作の特徴を紹介した。

JEFF氏がKOFのIPを扱うのは今回で3回目。同社は以前から日本のIPを用いたゲーム開発を主軸としており、チームとしてドラゴンボール、ワンパンマン、犬夜叉といった作品に携わってきた実績があるという。

本作の特徴として挙げられたのは3点。1つ目は打撃感で、コンボや連撃、追撃といったアクションの手触りに大きくこだわったとする。2つ目は「競う」要素。ユーザー同士が戦うPvPやチーム対抗のGvGを多く盛り込んでいるが、これはKOFというIPがそもそも対戦を前提に成り立っているからだと説明した。

3つ目が育成だ。好きなキャラクターは人それぞれ異なり、編成を入れ替えようとすると「せっかく育てたのに」というデメリットが生じてしまう。そこで本作ではキャラクター個別の育成に加え、チーム全体の育成要素を用意。チームを育てておけば、キャラクターを入れ替えても属性は変わるものの戦闘力は大きく落ちない設計にしているという。

 

 
▲開発スタジオ・GameHeart Ltd.代表のJEFF氏。

最大7倍速のゲームプレイ…ガチャ「スカウト」から釣りまで

ステージでは実際のゲーム画面を映しながらデモプレイも実施された。原作の3対3に対し、本作は6vs6を実現。戦闘スピードは倍速から最大7倍速まで変更でき、ブラウザゲームらしいテンポの良さを狙っている。

ガチャは「スカウト」という名称で、回した回数に応じて高レアリティのキャラクターが当たりやすくなるステップアップ仕様を実装。ダンジョンには強敵や素材集めなど複数の種類が用意されており、ステージ上ではオロチに挑む2チーム制のバトルが披露された。編成の組み合わせによって攻略の幅が生まれるよう設計しているという。

サブコンテンツとして紹介されたのが「釣り」だ。箱庭要素というよりは育成を助ける位置づけで、戦い続けて一息つきたいときに触ってほしいとのこと。大物を釣るとそれなりの見返りがあるようだが、詳細は実機で確かめてほしいと含みを持たせた。このほか、育成したチームで他プレイヤーと競うランキング形式のアリーナも紹介され、コンテンツは今後も増えていくと説明された。

▲デモプレイの様子。必殺技のカットインや打撃音など、ターン制RPGでありながら格闘ゲームらしい迫力を志向している。

えなこさんが麻宮アテナ、南あみさんが不知火舞の公式コスプレイヤーに就任

発表会後半には、スペシャルゲストとしてえなこさんと南あみさんが、それぞれ麻宮アテナ、不知火舞の衣装でステージに登場。両名の公式コスプレイヤー就任が発表された。

えなこさんは「麻宮アテナ公式コスプレイヤーのえなこです!KOFは昔から好きな作品で、長年のファンの方々にも楽しんでもらえるように頑張りたいと思います!」とコメント。KOFが格闘ゲームに興味を持つきっかけになった作品の1つだったことも明かした。

南あみさんは「不知火舞公式コスプレイヤーの南あみです!今回のゲームではメインキャラクターのようなポジションの不知火舞役に就任できて光栄です!皆さんに楽しんでもらえるよう頑張ります!」と意気込みを語った。

今後はゲーム内への登場やグッズプレゼントなど、公式コスプレイヤーとの共同企画も予定されているという。

▲麻宮アテナ役のえなこさん(写真左)と、不知火舞役の南あみさん(写真右)。

サプライズのサイン入りTシャツ 豪華3点セットを3名にプレゼント

続いて、Tシャツ、タオル、トートバッグの公式グッズがお披露目された。勝部氏がTシャツ、えなこさんがタオル、南あみさんがトートバッグを手に紹介。会場の記者に人気投票を募る一幕では、Tシャツが圧倒的な支持を集めた。

ここで勝部氏が2人にサインを提案し、その場でTシャツにサインを入れるサプライズが実現。さらに、このサイン入りTシャツにタオルとトートバッグを加えた「KOF98 IF豪華3点セット」を、抽選で3名にプレゼントするキャンペーンの実施が決定した。『KOF98 IF』公式Xをフォローし、対象投稿をリポストした人が対象となる。キャンペーンは9月2日から。

▲その場でサインが入れられたTシャツ。

質疑応答…打撃音は1フレーム単位で調整、全キャラが最終的には同じ強さになるような調整も

発表会の最後には質疑応答が行われた。

日中共同開発における苦労を問われた勝部氏は、翻訳・通訳の精度が日々向上している現在、言語の壁はさほど大きな問題ではないと回答。むしろ商習慣やカルチャーの違いのほうが本質だとしたうえで、ここは君に任せる、ここは自分が担当すると言い合える信頼関係と、それを引き受ける「覚悟」が必要だと述べた。

打撃音についての質問には、開発スタジオ側が回答。アーケード版の音をそのまま流用したのではなく、アーケード版を参考に自分たちで制作したという。理由はフレームレートの違いで、アーケードとスマートフォンではフレームの長さが異なるため、スマートフォンに最適化する必要があったと説明した。

この点は勝部氏の解説でも補足された。1秒60フレームの各コマを分解し、パンチが当たるタイミングと効果音の再生タイミング、被弾時と攻撃時の動作を1フレーム単位で調整。早すぎても遅すぎてもいけない打撃の感触を、全キャラクター分にわたって詰めていったという。この作業だけで半年ほどを費やしたとのことだ。

必殺技の仕様については、原作を参考に多彩な技を用意しているものの、キャラクターは基本的に1体につき1種類で、出せる必殺技は育成によって追加されていく形だと説明された。

対人要素が中心のゲームでソロプレイヤーも楽しめるのかという問いには、大量のテキストで構成されたシナリオを実装しており、原作ファンなら必ず喜んでもらえる内容だと回答。読み終えるのは一筋縄ではいかず、釣りやダンジョンなど各種コンテンツを組み合わせて進める必要があるとした。基本プレイ無料で、時間と手間、攻略法があれば無課金でもシナリオのクリアは可能だという。

キャラクターの性能差については、全キャラクターが最終的に同じ強さになると明言。属性や特技による違いはあるものの、特定のキャラクターだけで最後まで勝ち続けられるような設計にはしていないという。序盤で強力なキャラクターを引けなくとも、好きなキャラクターを最後まで使えるように育てることは可能だと語った。

締めのあいさつに立った勝部氏は、本作が「今日から始まったばかり」であるとして、これにはゲームそのものが始まったばかりという意味と、日本のIPと中国の開発力をブラウザゲームで展開するという道が始まったばかりという2つの意味があると説明。今後もこの道を突き詰めていくとして、この日を道のりの0日目として記憶にとどめてほしいと呼びかけ、発表会を締めくくった。

▲登壇者による集合写真。


『KOF98 IF』は、Mobage/Yahoo!モバゲーにて配信中。基本プレイ無料、アイテム課金制。

<ゲーム情報>

タイトル名:KOF98 IF(King of Fighters'98 Infinite Fighting)
ジャンル:6vs6ターン制カードデッキRPG
サービス開始日:2026年8月31日(月)
プラットフォーム:Mobage/Yahoo!モバゲー
料金形態:基本プレイ無料+アイテム課金
公式サイト:https://kof98if.jp/
Mobageゲームページ:https://game.kof98if.com/
Yahoo!モバゲー紹介ページ:https://yahoo-mbga.jp/game/12027399/play
公式PV:https://youtu.be/-0OUQl61hBs
公式X:https://x.com/KOF98_IF


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(取材・文:長戸勲)