ドワンゴ、2011年9月期は経常益27%減…ライブ事業が費用先行、着うたも下落続く

ドワンゴ<3715>は、本日(11月10日)、2011年9月期の連結決算を発表し、売上高342億円(前期比12.9%増)、営業利益16億円(同12.0%減)、経常利益14億円(同27.5%減)、当期純利益12億円(同12.8%減)だった。     「ニコニコ動画」などのポータル事業が収益を伸ばしたものの、主力の着うたなどのモバイル事業での収益が減少したことに加え、ライブ事業の費用が先行したことが影響した。セグメント別の状況以下のとおり。 ■モバイル事業は、売上高167億円(同10%減)、営業利益32億円(同20%減)だった。着メロ、着うた、着うたフルの会員数が減少傾向にあるため、売り上げも減少傾向にあるようだ。ただし、楽曲ダウンロードが減少しているため、著作権等使用料は想定を下回った模様。 ■ゲーム事業は、売上高58億円(同34%増)、営業損益1.55億円の赤字(前期7億4200万円の黒字)だった。家庭用ゲームソフトは全般的に軟調だった。ソーシャルゲームでは、「喧嘩番長」が収益に寄与した。 ■ポータル事業は、売上高100億円(同57%増)、営業利益6.7億円(同29倍)と大きく伸びた。「ニコニコプレミアム」の会員数は139万人(前期比39万人増)、「ニコニコ動画モバイル」が129万人増の687万人と有料会員数が大幅に伸びた。 ■ライブ事業は、売上高2.38億円、営業損益7.54億円の赤字だった。ライブハウス「ニコファーレ」をオープンし、コンサートだけではなく寄席や映画試写会など様々なイベントを開催したが、費用が先行し収益には寄与しなかった。   ■2012年9月期の見通し 2012年9月通期の予想は開示せず、第1四半期(10~12月期)のみを開示している。売上高90億円(前年同期比4.8%増)、営業利益2億円(同44.1%減)、経常利益2億円(同44.1%減)、四半期純利益1.6億円(同51.7%減)となる見通し。     同社では、モバイル事業では、着うたフルサイトを中心に人気楽曲と連動したタイアップ企画投入や効果的なプロモーションなどにより、会員獲得に注力するほか、スマートフォンへの対応も積極的に行う。 ゲーム事業では、シリーズタイトルや、海外タイトルの国内向け販売、受託開発、優良コンテンツを保有する他社との共同開発などを行なっていく。スマートフォンなどのプラットフォームを利用したソーシャルゲームにも取り組む予定。 ポータル事業では、ニコニコ動画のアクティブユーザーを拡大させる施策を進めていく。ユーザーの支持を得ているニコニコ生放送の魅力を高めるとともに、メディアとしての認知度・価値向上に伴う広告収入の増加、新たな課金サービスを投入することで収益の拡大を図っていく。 ライブ事業では、ニコニコミュージカル・大会議以外にニコファーレでコンサートをはじめとする多彩なイベントを開催する。リアルチケットやネットチケットの販売、ニコニコ動画の会員獲得につなげていく。ニコファーレの特色を活かしイベント施設としても貸し出す。