
『マブラヴ』シリーズの原作を手がける吉宗鋼紀氏が、新作シミュレーションRPG『Muv-Luv: Tactics カーリダーサの悪夢』に期待するゲーム体験について語った。吉宗氏がかねてから心残りに感じていたのは、物語のなかでさまざまな選択と決断を迫りながら、戦闘シーンだけはプレイヤーの選択を介さずに進行していたことだという。
aNCHORが10月22日に配信した「Muv-Luv Presents 2026」で、吉宗氏は『マブラヴ オルタネイティヴ』の制作時に抱いていた思いを振り返りながら、シミュレーションRPGという形式で実現してほしい体験について語った。
■物語では選択を迫る一方、戦闘はプレイヤーの手を離れていた
吉宗氏は、『マブラヴ オルタネイティヴ』を制作していた当時、物語のなかでプレイヤーにさまざまな選択や決断をさせていた一方、戦闘シーンだけはそのまま進行していくことに、心残りがあったと明かした。
本来は戦闘もシミュレーションRPGとして構成し、自分の判断によってキャラクターが失われるような体験を実現したかったという。
戦闘をプレイヤー自身が指揮する形式にすれば、単に勝利を目指すだけでなく、その過程で何を選び、何を失ったのかまで、プレイヤー自身の決断として受け止めることになる。
吉宗氏は、そうした体験が『マブラヴ』のテーマを表現するうえでも重要だったと振り返る。
■部下を「戦力」として扱うのか、一人の人間として向き合うのか
吉宗氏が本作に期待するのは、戦術的な判断だけではない。番組では、自分以外の人間を道具として扱うのか、それとも自分と同じ一人の人間として扱うのかという、他者との向き合い方もゲームを通じて表現してほしいと語った。
たとえば、プレイヤーが育ててきた愛着のある部下がいて、どちらか一方しか救えない状況に直面したら、どう判断するのか。
どちらを選んでも何かを失う状況では、最適な戦術を選ぶことと、仲間に対してどう向き合うかが必ずしも一致するとは限らない。吉宗氏は、そうした苦しい選択を体験できる世界になることへの期待を示した。
これは、単にキャラクターの生死をゲームシステムに組み込むという話にとどまらない。プレイヤーが仲間をどのように扱い、どのような決断を下すのか。その判断自体を物語体験の一部にすることが、本作に期待される方向性のひとつといえそうだ。
■かつての構想を、シミュレーションRPGという形で
吉宗氏によると、戦闘をシミュレーションRPGとして描きたいという考えは、以前からtororo氏に話していたものだったという。tororo氏がその話を覚えており、今回の『Muv-Luv: Tactics』という形につながった。
ただし、吉宗氏は本作の開発そのものを担当しているわけではなく、ストーリーパートに関する設定などを提供した立場だと説明している。そのうえで、一人のファン、そしてユーザーとして、本作がどのようなシミュレーションRPGになるのかを楽しみにしていると語った。
『Muv-Luv: Tactics』は、『マブラヴ オルタネイティヴ』とは異なる世界線を舞台に、戦術機を率いてBETAと戦う作品だ。シリーズの世界観を受け継ぎながら、戦闘における選択をプレイヤー自身の判断に委ねることで、どのような体験を生み出すのか。
吉宗氏が長年抱いてきた構想が、実際のゲームプレイを通じてどのように表現されるのか。今後公開されるゲームシステムや具体的な戦闘内容にも注目したい。
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会社情報
- 会社名
- 株式会社aNCHOR
- 設立
- 2011年5月
- 代表者
- 前野展啓
- 直近業績
- 非公開
- 上場区分
- 未上場