「GREE」ランキングの8ヵ月を振り返る…ランキング入りするSAPの固定化を再検証

以前、フィーチャフォン版「GREE」と「Mobage」でそれぞれ1年前のランキングとの比較をみた記事を掲載した。GREEランキングでは2010年7月と2011年8月で比較すると、複数タイトルをランキングに入れている会社が1社から5社になり、寡占化が進んだこと、ランキングが特定のSAPに占有される傾向がある旨を報告した。 こうした結論を持っていたものの、GREEのランキングの動向を見ていると、個人的な印象としては、これまでランキングに入らなかったSAPのタイトルが入るなど、ランキングの固定化よりもむしろ、最近は流動化が進んでいるような気がしていた。 今回、それを検証していきたいが、結論から言うと、複数タイトルを送り込む会社はほぼ固定されている一方、1タイトル送り込む会社も若干の変動はあるものの、顔ぶれはほぼ固定化されていた。「Mobage」に比べて、毎週のランキングの変動が大きいために感じていた錯覚に近かったようだ。 やり方が荒っぽいが、以下見ていこう。まず、複数タイトルをランキングに送り込んでいる会社数の推移は以下のようになる。2011年5月から12月までの月初のランキングデータから複数タイトルを送り込んでいる会社を抽出してグラフにしてみた。     複数送り込んでいる会社の内訳は以下のとおり。出入りはあるものの、KONAMI、gumi、ドリコム、Synphonei、ボルテージでほぼ固定されている。  
5月1日 6月4日 7月2日 8月7日 9月3日 10月1日 11月5日 12月3日
KONAMI KONAMI KONAMI KONAMI KONAMI KONAMI KONAMI KONAMI
gumi gumi gumi gumi gumi gumi gumi ドリコム
Synphonie Synphonie Synphonie Synphonie ドリコム Synphonie ドリコム ボルテージ
ドリコム ドリコム ドリコム ドリコム   ドリコム ボルテージ  
ボルテージ ボルテージ ボルテージ ボルテージ   ボルテージ    
  次に、1タイトルのみランキングに入っている会社数の推移を見ていこう。以下のようになる。近似線を加えると、右肩上がりの線が引けるが、「トレンド」といえるものではない。     会社の内訳は以下のとおり。きちんと検証する必要はあるだろうが、アソビズム、ウィルアーク、サムザップ、カプコン、コーエーテクモ、芸者東京、ハドソンなどの登場頻度が高い。ただ、アソビズムやウィルアークは2010年はランキングに入っていない。企画とゲーム内容、運営次第で上位に入ることも可能になっている。  
5月1日 6月4日 7月2日 8月7日 9月3日 10月1日 11月5日 12月3日
KLab アイディアファクトリー アソビズム アソビズム Synphonie アソビズム CyberX gumi
アイディアファクトリー ケイブ ウィルアーク アンダムル アソビズム アリスマチック アソビズム Synphonie
オルトプラス コーエーテクモ カプコン カプコン アリスマチック ウィルアーク ウィルアーク アソビズム
ケイブ サムザップ サムザップ サムザップ アンダムル カプコン カプコン ウィルアーク
コーエーテクモ スーパーアプリ スーパーアプリ ハドソン ウィルアーク ケイブ コーエーテクモ EA
サムザップ フリュー ハドソン 芸者東京 カプコン サイバード サムザップ カプコン
フリュー 芸者東京  芸者東京   ケイブ ハドソン ハドソン サムザップ
芸者東京       サムザップ 芸者東京 芸者東京 ハドソン
        ハドソン     バンダイナムコ
        ボルテージ     マーベラスAQL
              芸者東京
  今後、「Mobage」と同じく大手ゲーム会社が本腰を入れて取り組んでくるとみられ、「GREE」における勢力図もまた変化が出てくると思われる。またスマホ向けゲームでも変わってくるだろう。そろそろスマホ版「GREE」ランキングの公開も期待したいところである。
グリー株式会社
http://www.gree.co.jp/

会社情報

会社名
グリー株式会社
設立
2004年12月
代表者
代表取締役会長兼社長 田中 良和
決算期
6月
直近業績
売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3632
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