ゲームソフトなどの受託開発大手トーセ<4728>は、この日(10月12日)、2012年8月期の連結決算を発表し、売上高52億4000万円(前期比8.7%減)、営業利益4億5100万円(同19.2%増)、経常利益4億8500万円(同35.4%増)、当期純利益3億1400万円(同66.5%増)だった。
従来の計画では、売上高、利益ともに前期並みでの着地を見込んでいたが、売上高については8.8%下回ったものの、営業利益が32.9%増、経常利益34.7%増、当期純利益59.9%増となり、利益面は計画を大幅に上回る着地となった。
■原価低減や作業効率の向上が寄与
同社では、主にゲームソフト開発事業で大型タイトルを中心に開発完了の時期が来期となったことや、大型タイトルの中止が発生したこと、子会社の売上が伸び悩んだことから減収となった。
しかし、受注に至らなかった案件を補うための新たな受注活動で失注率を低位に抑えることができたこと、作業効率の向上、徹底した開発原価の低減を推し進めたことで増益となった。経常利益については、前期に発生した為替差損や投資有価証券評価損が今期発生しなかったことも増益要因だった。純利益については、トーセ沖縄の繰越欠損金を引き継いだことで税負担が軽減されたことによる。
なお、開発完了タイトルは、家庭用ゲーム機向け23タイトル、パソコン向け4タイトル、パチンコ・パチスロ向け4タイトル、アミューズメント向け1タイトル、携帯端末向け60タイトル、その他1タイトルの合計93タイトルだった。
■2013年8月期の見通し
2013年8月期は、売上高52億4600万円(前期比0.1%増)、営業利益3億0100万円(同33.3%減)、経常利益3億1800万円(同34.3%減)、当期純利益1億8000万円(同42.7%減)を見込む。
同社では、ゲームソフト開発事業においてゲームソフトの開発完了時期が2013年9月以降になるタイトルが多いことや、成長著しい新興国市場への事業の拡大、新興国市場へのコンテンツ配信に関わる新しい事業の構築を進めることに伴う費用の増加から、収益を得にくい期間になると見込んでいるため、としている。
会社情報
- 会社名
- 株式会社トーセ
- 設立
- 1979年11月
- 代表者
- 代表取締役会長 齋藤 茂/代表取締役社長 渡辺 康人
- 決算期
- 8月
- 直近業績
- 売上高46億1500万円、営業損益5億2200万円の赤字、経常損益5億100万円の赤字、最終損益2億6000万円の赤字(2024年8月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4728